第42話
第42話「影とお隣さん①」
今日の私はとても機嫌がいい。なぜなら文也くんをクリスマスイブに誘えたからである。
だがこの後私はとんでもないものを見てしまう事をこの時の私はまだ知らなかった。
最近は朝食を作って文也くんと食べたり、何気ない会話をしたりもちろん夕食を一緒に食べるのも私にとってはとても重要な一幕になっている。
昨日僕は人生で始めて女性からクリスマスに誘われた。それはそうだ産まれてから千乃さんと出会うまでは姉さん以外の女性と話すことなんてほとんど無かった。中学高校の時は女子と話した事なんて業務連絡的なものしかない。そんな僕がかぁ〜、変わったもんだな~
大学に着くと勝己が肩に手をかけてきた。
「よう文也」
「おう、おはよう」
「なんだよ、なんか考え事か?」
「いや大した事じゃねぇよ」
「そっか、それでさ文也くんにお誘いがあるんだよ」
「お誘い?」
「あー、お誘いだ」
「なんのお誘いだよ」
「俺達でクリスマスに男子会をしないか?」
「男子会?誰が来るんだよ。俺とお前とか彼女がいない悲しい大学生だ」
「悪いが俺は行けない」
「なんでだよ」
「クリスマスの日は予定が入ってるの?」
「は?デートか?」
「見方次第ではそうとれるな」
「誰とだよ?」
「んなのお前に言っても分かんねえ人だよ」
「プレゼントとかちゃんと準備してるんだろうな?」
「プレゼントはまだ準備してない。だって相手が何欲しいか分かんねえだろ」
「まぁ、そうだよな。お前は女子にプレゼントとか送ったこと無さそうだし、相談する相手すらいなそうだからな」
「そうなんだよ」
「そんな君にいい事を教えてあげよう」
「いい事?」
「レンタル彼女に相談」
「レンタル彼女!?」
「でもレンタル彼女って高いだろ?」
「俺が奢ってやるよ」
「え?」
「親友に彼女が出来た記念って事で」
「彼女ではない」
「そうなのか?」
「そうだよ」
「でもお前その人の事好きだろ」
「いや、そんな事は……」
「だってこんなに相手の事考えてるんだぜ、それはもう好きなんじゃないか?」
「………」
そしてその日の午後俺は講義が入って無かったので勝己に渡されたお金でレンタル彼女を利用した。
ウキウキで出勤すると部長に話しかけられた。
「一ノ瀬くんちょっといいかね?」
「はい、大丈夫ですよ」
「午後から外回りだったよね?」
「はい、そうです」
「最近仕事も順調そうだし、大きなプロジェクトにも関わって大変だろうから外回り終わったらそのまま帰ったもらっていいから」
「分かりました。ありがとうございます」
悲劇が始まる。
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