第29話
第29話「ペアチケットとお隣さん」
私は商店街の福引きでペアチケットを当てた。あいにく私は2人で温泉に行くような間柄の人はいないのであの2人にあげるしかないでしょ。そういう事でその日の夜に千乃ちゃんを呼び出した。少しでいいよと言ったら駅でもいいよと言っていたので駅で待ち合わせすることにした。
すると千乃ちゃんが来た。
「ごめんね、仕事終わりだから」
「全然、というかこちらこそ急に呼び出してごめんね」
「全然大丈夫だけど、どうしたの?」
「実は千乃ちゃんにプレゼントがあります」
「プレゼント!?なんだろ?」
「プレゼントは―、温泉旅行のペアチケットで―す」
「え?」
えーっと、どういうことだろう?
「調査中でしょ、いい機会でしょ」
「ま、まあそうだね」
「ということでこれで文也と温泉行ってきてね」
「分かった」
いや~、我ながらいい仕事をした。これで2人が少しでも近づいてくれるといいな〜。それにこの温泉の一番有名なのはあの伝説の鐘だから。
びっくりしたー、急に温泉旅行のペアチケットを渡されるとは思わなかったな〜、でも青星ちゃんが言ってたみたいにこれはチャンスだよね。で、でもどうやって文也くんを誘う?それに断られたらどうしよう?そんな事を考えながら帰ると
「千乃さん今日遅かったですね。遅いって行ってくれれば迎えに行ったのに」
「大丈夫だったから」
「なら良かったですけど」
「じゃあ、ご飯作るね」
ご飯を作っている間もどうやって誘うかを考えていた。でも、前みたいに文也くんに心配をかけないために必死に平然を装った。
「文也くんお皿準備して」
「はーい、今日のご飯なんですか?」
「今日はね、カレーだよ」
「やったー」
かわいいな〜と思ってしまった。その後ご飯を机に並べてからどうやって誘うかで頭がいっぱいだ。
「ねぇ、温泉旅行いかない?」
「え?」
言っちゃったー、なんかまだ言うつもりじゃなかったのに言っちゃった。なんでだろう
「急にどうしたんですか?やっぱ疲れてます?」
「いや、そうじゃなくて千乃ちゃんに今日会ってきたのそれで商店街の福引きで温泉旅行のペアチケットを当てたんだって、でも一緒に行く人がいないからな私と文也くんで行ってって言われちゃってさ」
はぁ~、姉さんは何を言ってるんだ?それは普通のデートとかいう領域を超えているだろ。
「まぁ、いいですよ」
え?なんで僕はOKしちゃったんだ?あれ?おかしいな
「じゃ、じゃあ決まりだね」
なんか行くことになっちゃった。
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