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第17話


第17話「病院とお隣さん①」


 私は今日病院に来ている。インフルエンザの予防注射に来ている。そこで私は見てしまった。見てしまったといってもすんごい事とかではなく、文也くんがおじいさんらしき人にお見舞いに来ているところを。なぜか分からないけどかくれてしまった。なんでかくれちゃったんだろう?自分でもわからなかった。本当に悪気は無かった、うん無かったけどこっそり会話を聞いてしまった。


「文也また来てくれたのか」

「体調はどう?」

「まあまあといったとこかの」

「そうか」

「それこそお前はどうなんだ?」

「どうとは?」

「この前な青星が来てくれてな、その時にお前さんが綺麗なお隣さんに世話になってると聞いてな」


 私の話をしている。青星ちゃんが私の話をしてたんだ。嫌な気はしないがどんな話をするのか気になって仕方がない。


「あ〜、お世話になってるのは事実だよ」

「その方はいくつなのじゃ?」


 そう言われると年齢とかも知らないんだよな、まだまだ自分が千乃さんについて知らないのだと思った。


「具体的な年齢は知らないけど社会人の方だよ、見た目的に結構若い人だと思うけどなぁ」

「青星に聞いたがご飯を作ってもらってるんじゃろ?」

「まぁ、そうだな」

「そんな人は中々いないからな」

「分かってるさ」

「ちゃんと感謝するんじゃぞ」

「当たり前だろ」

「当たり前の事を当たり前にやるほど難しいことは無い」


 千乃さんには本当に感謝している。


「そうじゃ、これからわしに見舞いに来るときはそのお隣さんとやらのみあげ話を1つ持って来い」

「はぁ?そんなの」

「では今日のみあげ話は?」

「は?今日からかよ」


 私とのみあげ話って文也くん何話すんだろう?気になって気になって気がつけば私はそこに釘付けになっていた。

 

「最近だと焼き肉に行った」

「ほう、それで」

「その時千乃さんがさあ、お酒飲んで会社での愚痴が止まらなくてさ、上司がウザくてキモいだの何なのでさ、最後には俺からのお礼で焼き肉に行ったのに奢るとか言い出してさ、せめて割り勘にしようって言っても中々聞いてくれなくて挙句の果てには出世払いで結構だとか言っちゃってさ」


 そんな感じで話してしまった。ついたくさん話してしまった。


 そんなに話されるとこっちが恥ずかしくなってきた。これ以上盗み聞きするのも良くないかと思い帰ろうとすると帰れなくなった。



「お前、そのお隣さんが好きなのだろう?」


 え?


 え?

 

 


今回も読んでいただきありがとうございます。

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