第1〜4話
第一話「出会いとお隣さん」
「僕の人生は至って普通だ。大学に行きバイトをするただそれだけの日常だ。別に漫画やアニメのようなものはいらない、ただ普通に暮らせればいいそう思っていた。」
文也はいつも通り大学へ行くために外に出てマンションの1階に行った。そこには長い髪の毛大きな瞳の美人だった。腰をかがめて自転車のあたりをキョロキョロしていた。
僕は声をかけた。
「どうかしました?」
「自転車の鍵を無くしてしまいまして」
「お仕事大丈夫ですか?」
女性は少し焦っているようだった。
「やばいです。遅刻しそうです」
「僕の自転車使ってください」
「いいんですか?」
「もちろん。」
「ありがとうございます。今度お礼します。」
そう言って、ものすごい速さで自転車をこいでいった。
その日僕は初めて講義をサボってしまった。僕の普通の生活が少し変わったのかな? そう思った。
その日の夜だ。僕の家のインターホンが鳴った。僕の家のインターホンが鳴ることは滅多にない。出て見るとそこには朝の女性がいた。僕は疑問に思った。なぜ彼女は僕の部屋を知っているのか?
「朝のお礼をしに来ました。ご飯を作っていました。」
彼女は美味しそうなカレーを持っていた。
「お礼なんて良かったのに、あれはただの僕の自己満ですから。」
「いえ、それでは私の気が済みません。」
「では、お言葉に甘えて、ありがとうございます。僕カレー好きなんですよ。」
「カレー嫌いな人は少ないと思って、あと私料理の腕には自信があるので期待しててください。あ、自己紹介が遅れました。私は一ノ瀬千乃といいます。」
僕は自己紹介とともにずっと考えていた疑問についても聞いた。
「僕は松井文也です。なぜ僕の部屋を知っているんですか?」
一ノ瀬さんは少し笑って答えた。
「私松井さんの隣の部屋ですよ。あなたはたまに見かけるので、これからよろしくお願いしますね。」
「こちらこそお願いします。」
「そういえば鍵見つけましたよ、これって自転車の鍵じゃないですか?」
「これです。ありがとうございます」
こんな美人の人がお隣さんだとは正直思っても見なかった。
そうこれが僕の至って普通の生活が変わってしまうなんてこのときの松井文也はまだ知らなかった。
第2話「お掃除とお隣さん」
「松井さん部屋に上がってもいいですか?」
こんな汚い部屋を見せる訳にはいかないと思ったので
「いや〜、やめといたほうがいいんじゃないですか?」
「後ろにあるゴミが気になるんですけど」
僕はいい感じの嘘を考えた。
「明日捨てようと思ってたんですよ。」
すぐにバレた
「嘘だ。ゴミ袋にすら入れてないじゃないですか。」
「ごもっともです。」
「では、私がお掃除します。」
ご飯を頂いたうえに部屋の掃除もしてもらうのはさすがに申し訳ないと思った。
「悪いですよ。カレーも頂いたのに」
「これもお礼の一環です」
「さすがに自転車貸しただけですよ。」
「それに隣がこれだと私の部屋に虫が来るかもしれないじゃないですか。これは私のためでもあるんです。いいですよね?」
「では、お願いします。」
「じゃあ、掃除しますか」
一ノ瀬さんは張り切ってそう言った。
「はい。掃除しましょう。」
「いや、松井さんご飯食べてていいですよ。」
「そんなわけにはいきませんよ。ここ僕の部屋ですから。僕が掃除しないわけにはいかないですよ。」
「カレーは温かいうちの方が美味しいですよ。重い物を運ぶときは手伝ってください。」
「分かりました。お言葉に甘えて」
人の手料理を食べるなんていつぶりだろう。久しぶりだなと思いながら皿に盛り付けた。
「このカレーめっちゃ美味しいですよ。」
「だから言ったでしょ、私料理得意なんですよ。松井君彼女いないでしょ。」
「いないですけど。」
「やっぱりね、彼女いる人の部屋じゃないもん」
「ですよねー」
「折角の大学生なんだから彼女とか作って楽しみなよ。もう、戻れないんだから。」
「でも、僕は恋人を作らないと決めているので」
「ふーん、そうなんだ。じゃあ、君は安全なんだね。」
安全も何も普通はほぼ初対面の女性をいきなり襲ったりしないだろとも思いつつ僕は言った。
「まぁ、そっすね。そういう一ノ瀬さんは彼氏さんとかいるんすか?」
「いないよ、私もね松井くんと同じで恋人作らないって決めてるの。」
「そうなんすね。」
以外だった。この人は美人で料理もこれだけ上手なら恋人がいても不思議ではないから
この日初めて僕の一人暮らしの部屋に女性を入れた。
第3話「日常とお隣さん」
「今日はありがとうございました。」
「いえいえこちらこそ朝は助かりました。では、帰りますね。」
「送っていきましょうか?」
「私が隣だってもう忘れたんですか?」
「そうでしたね笑、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
一ノ瀬さんは帰っていった。
今日は普通じゃない1日だったなと思いながらお風呂の準備をした。お風呂に入っているときも今日の出来事を考えてしまう。そして、僕はベットにいって寝た。これで僕の普通じゃない1日が終わった。と思っていた。
次の日朝の8時くらいに俺はインターホンの音で目が覚めた。こんな朝早くから誰だ?と思いながら出た
「はーい、今出ます」
そこに居たのは昨日見た美人だった。僕は一瞬思考が停止した。忘れ物でも取りに来たのかと思ったが手にはスーパーで買ったであろう食材があった。そんな事を考えている僕に対して一ノ瀬さんが当たり前のように居る。
「おはようございます。」
「おはようございます。どうかされました?」
「お部屋は綺麗なままですか?」
「さすがに一晩だけでそんな汚せませんよ。」
「それもそうですね笑」
「それだけ確認しに来たんですか?」
「いえいえ、朝食を作りに来ました。」
「………?」
僕は聞き間違えをしたのか? 今朝食を作りに来たと?きっと聞き間違いだ。
「じゃあ、おじゃましまーす。」
「ちょっと待ってくださいよ。」
「もしかして恋人作らないのにHなものとか?笑」
「違うし、ほんとに作るんすか?」
「ありがたいでしょ?大学生だし」
「ありがたいですけど、申し訳ないですよ」
「君は自分で料理する?」
「しないですけど」
「じゃあいいよね圧」
「では、よろしくお願いします。」
「はい、お願いされました。」
「食材費僕が持ちますよ。」
「いいよいいよ」
「じゃあ、半分だけでも」
「大丈夫、それに作るときの水道代とかがあるからね。」
「分かりました。」
「そろそろ出来るからお皿の準備して」
「了解です。」
今日も一ノ瀬さんの料理は美味しかった。
ご飯を食べながら一ノ瀬さんは聞いてきた。
「君は夜は予定ない?」
「今夜は居酒屋でバイトがあります。」
「じゃあ夕飯は作りに来ないね。」
「夕飯も作りに来る気だったんですか?」
「もちろん、じゃ洗い物して帰るね。部屋は奇麗に保ってね」
「承知しました。」
「よろしい、また明日ね」
第4話「姉さんとお隣さん」
今日もバイト疲れたと思いベッドに倒れた。このまま寝ようかと思ってしまった。そしたらインターホンがなった。一ノ瀬さん来ないって言ってたのにと思いながら出ると、そこには酔っ払った姉さんがいた。
紹介しよう。この酔っ払いは松井青星僕の姉だ。飲み会で飲んで終電を逃してよく家に泊まりに来るのだ。
「また泊まりに来たのか?」
「正解! 持つべきものは出来る弟だ。」
「まぁ、いいよ。」
「じゃ、おやすみ〜」
「あっ、おい!勝手に俺のベットで寝るな。」
そんな事をお構いなしに姉さんは俺のベットで寝てしまった。
翌日の朝、昨日のようにインターホンが鳴った。
「おはよう!」
「おはようございます。」
「今日も作りに来たよ。」
「ありがとうございます。」
「誰?誰よその美人!?文也彼女できたの?」
姉さんは驚いていた。
「違うよ、ただのお隣さん。」
「ただのお隣さんが何で当たり前のように家に上がり込んできてるのよ?彼女以外に考えられない。」
普通に考えたらこうなる私は間違ったいない。
一ノ瀬さんが僕の部屋で朝ご飯を作るようになった経緯を説明した。
「うちの弟がお世話になってます」
「いえいえこちらこそ、良ければお姉さんの分の朝食も作りましょうか?」
姉さんは目を輝せていた
「いいの?」
「全然大丈夫ですよ。2人分も3人分も変わりませんし」
姉さんは一ノ瀬さんの手を両手で握って
「天使じゃん、私のことは青星でいいよ」
「分かりました。青星さん、私は一ノ瀬千乃といいます」
「千乃ちゃんね覚えた。スーツ着てるけど社会人?」
「新卒社会人です」
「先輩じゃん、ごめんなさい敬語使います」
「全然気にしないからタメ口でいいよ」
「本当に? 千乃ちゃんよろしくね」
姉さんは相当一ノ瀬さんを気に入ったらしい。
「全然気にしないから、青星ちゃん」
「弟よ、聞いたか千乃ちゃんがさん呼びからちゃん呼びになったよ」
「お、おう良かったな」
一ノ瀬さんの朝食を食べ終えて姉さんは帰っていった。
「千乃ちゃんまたね~」
「青星ちゃんまたね」
「え、俺は?」
と言ったがドアがしまった。泊めてあげたのだからもう少し感謝してくれてもいいと思った。一ノ瀬さんは笑っていた。
「アハハハ、青星ちゃん面白いね」
「そうですか?」
ただ失礼で鬱陶しく思われているのかと思ったので少しホッとした。
「うん、面白いよ。私青星ちゃん気にっいっちゃった。また青星ちゃん来るとき呼んでね」
「分かりました」
姉さんと一ノ瀬さんは仲良くなった。そう、本当の姉妹のように
読んで頂きありがとうございます。
今回は初回なので4話投稿させて頂きました。
ですがこれからは1話ずつ投稿させて頂きます。
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不定期投稿です。