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孤児院の子供と異世界の炉端焼き-3

大きな貝に切った身が乗せられ、塩で味付けされた貝の身。

フワッと立ち上る湯気からはいい匂いも広がっている。ダンジョンで取れた海産物だと思うのだが、海の香りがするんだな……いい匂いだ。


それを取り皿に分けている時間も、待ちきれないと溢れてくる唾液をゴクリと飲み込む。


コトッと、子供達の前に置き、自分の分も置くと、いただきますと、手を合わせパクリと頬張った。


ハフハフッと焼きたて熱々の身、なかなか大ぶりにカットされており、1切れを丸ごと口に入れると口いっぱいだ。

口に入れた瞬間からもう美味い。舌に触れた身は濃厚でコクのある甘みが舌全体、いや口の中全体に広がり、噛んだ時の食感もいい。ぎゅっと詰まった繊維質な身だが、固くは無い。噛みごたえはあるが舌の上で蕩けるような、なんとも矛盾した食感だ。


「うっめぇぇぇぇえええええ!!!!」


大きな貝だから大味かと思ったら全くそんなことは無い。なんという繊細で上品な甘み、濃厚な旨み……幸せだ……


「うまぁ!すっげー美味いよ!」

「本当に!美味しいー!こんな美味しい物初めて食べたよ!」


子供達も、蕩けた顔で美味しい美味しいと頬張っている。


アサリをフライパン程の大きさにしたような貝だったが、味はイシカゲ貝に似た感じだな……


美味い貝を頬張り、今度はエールと一緒に味わう。


「ぷはぁ!最高だ!」


そう言うと、子供達も真似して、ジュースを飲み「ぷはぁ、最高だ!」と、笑っていた。


2人とも可愛いな。

9歳って事は……小学3年生くらいか。この歳で、食事の心配をしないといけないなんて……


今日はおっちゃんが奢ってやるから、腹いっぱい食っていけな!


貝を食べ終わる頃に、次に渡されたのは大きな海老が乗った皿だった。


うぉぉおお!でっけぇ!うっまそう……


伊勢海老の倍ほどはありそうな海老は、左右に半分に切られて皿に乗っていた。

プリっとした身の部分は食べやすいように切ってくれているようだ。

頭の味噌を食べる用にスプーンを借りられないかと店主に尋ねると怪訝な顔をされた。

どうやら海老味噌は食べないようだ……コレが美味いのに……まぁいいや。


身の部分を3人で分け、味噌はどうするか2人に尋ねると、うげぇ……という顔をしている。

食べないのかと聞いたら、そんな気持ち悪い物を食べるのかと聞き返された。

店主もそんな物を子供にも食べさせるのか?というような顔で見てくるので、1人で食べることにした。


まずは味噌はなしでそのまま……フォークで刺すとプリっとフォークを跳ね返すほど弾力のある身。いい香りを立ち上らせる湯気と一緒にパクリと頬張る。


ん〜!舌から伝わる弾力と、甘み、鼻に抜けるこの甘い海老の香り。噛むとジュワッと溢れる海老の旨み。炭で焼かれたことで味が濃縮されているようだ。しっかりとした弾力はあるのに歯切れの良い身からは噛めば噛むほど旨みが溢れてくる。


「うっめぇぇぇぇええええ!」


海老も貝と同じで、こんなに大きいのに全く大味では無い。なんて美味さだ!


今度はスプーンでほじくり出した海老味噌をつけてパクリ。


んん〜!!!

なんて濃厚な味噌だ!海老の香りをギュッと濃縮したようだ。その味噌の風味と濃厚な味が、プリっとした身から溢れる甘さと相まって……最高だ……

さらにここにエールを……ゴクゴクゴクッ


「あ"~、これはヤバイ、極上だ……」


恍惚の表情で、海老の余韻に浸っていると、子供達が、そんなに美味いのか?と、興味津々に尋ねてきた。

ふと見ると、店主も生唾を飲み込みこちらを見ている。


俺はドヤ顔で、食ってみるか?と尋ねると、子供達は食べる!と元気よく返事をしていた。


味噌を乗せた身を食べた子供達は、それはそれは、うっまぁー!と驚いた表情で叫んでいる。

こんなに美味かったんだな!見た目はちょっとアレなのにね!身を食べきった2人は海老の頭をちゅーちゅーと吸っていたほど、気に入ったようだ。


店主はギョッとした顔をしていたが、子供なのでマナーには目を瞑って欲しい。


次に出てきたのは、囲炉裏で焼かれていた魚と肉だった。何の肉かと尋ねると、ホロホロ鳥の肉だそうだ。

アルナイルでは一般的によく食べられる鳥なのだそうだ。

こないだサンドイッチにした鳥もホロホロ鳥だったな、アレ美味かったんだよなー……今回も期待できるな!


まずは魚から。大きさは30cmくらいだろうか。しっかりと塩が振られ、尾やヒレが少し焦げるくらいにしっかり焼かれている。

皮目にはパリッとしているのが分かるほど綺麗な焼き色が付いており見るからに美味しそうだ。

それをパクリと背中側から1口。


んむふぉ、白身の魚だ。カリッと焼かれた皮ごと齧ると、中はフワッフワの身が出てきた。口に入ると身はホロホロと解け、口いっぱいにその美味さを伝えてくる。旨味を伝えたかと思うと、噛むと今度はジュワッと美味い脂が溢れ出した。

フワフワの身と溢れる脂、そこにパリパリの皮の食感……


「うっめぇぇぇぇええええ!!」


これは美味い!焼き加減も完璧だ!きっと火からの距離や、火力なんかも、魚の表面をカリッとさせら中はこんなにフワッフワに仕上げる技術があるのだろう。

ただ囲炉裏で焼いただけに見えるが、見えない技が山のように隠れていそうだ。

この塩加減も抜群だな!


隣で子供達もうっま!おいっしい!と興奮している。


次にホロホロ鳥も。パクリと大振りにカットされ串に刺さった肉に齧り付く。


ガリガリカリカリッ

歯を立てるとカリッと焼かれた皮目がいい音を響かせた。

その後歯に伝わるムチッとした肉感。

熱っつ!熱々だが、熱いうちが美味い。ドクドクと止めどなく溢れる肉汁が熱さの中に美味さを忍ばせ口内を支配していく……最高だ。

熱さで火照った口内を、今度はエールで……


「あ〜、美味い!どれもこれも最高だ!」


肉だけでなく海産物も味付け無しでも大満足な程に味が、旨みが、かなり濃い。

これは塩だけの味だけでもみんなが満足するはずだ。それ以上を求める必要も無い程にコレで完成されているように感じられる程だった。


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