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第一章：第一話
カクヨムより改訂後の作品として再投稿致します。
展開などは一切変わっておりません。
楽しんでいただけたら幸いです。
◇ ◇ ◇
濛々とキノコ雲が立ち上る、俺の親戚宅の納屋だった場所。
俺は降りそそぐ鉄製品を手の甲で弾きながら、キノコ雲を見上げる。
「青空と爆煙のコンストラストが見事だな」
……人生とは何が起きるか分からない。
理屈じゃ解決しない問題に、今月だけで何度も直面した。
三ヶ月越しのプロジェクトが白紙に戻った。
社長と直属の上司が犬猿の仲で、俺が二重スパイにされた。
「ボクの名前は、庄崎朱音！！ 異世界から来た！！」
家の虚空から未知の技術を使って現れた、平たい顔の人間が現われた……。
当然だが彼女は俺の知り合いでも無ければ、俺に不審者に絡まれる理由などない。
俺は唯のヒュージンである。
だから、一つだけ言わせて欲しい。
俺は生まれてから何も悪い事をした事がない、運が悪いだけの一般人なんだ。
