鈴凛との出会い『語り口には要注意』
さてさて、煌しずく以降、明確に女性と呼べる者が登場していませんね。
むさ苦しい男を匂わせる話は一旦やめて、素敵な女性を1人紹介しようではありませんか。
礼儀正しく人脈豊富。帰国子女なだけあって英語はペラペラ。小説を書く時はボイス入力と、常に最先端を取り入れる。
とある有名小説サイトではランキング1位をとる超実力者であり、彼女も密かに書籍をだしているとか。
時に優しく、時にサバサバ。力強い性格からうまれる語り口だけ聞けば、男とも判断される姉御肌。
彼女の名は鈴凛である。
読み方? すずりん? などと嘗めたことを彼女に聞いたら最後だ。りんりんじゃボケ!! っと1日中説教をされることになるだろう。
ごめんなさい。嘘です。怒らないでください。
ネットでは、独自のキャラクターを演じる人も沢山いる。
男なのに女のふりをする。
女なのに男のふりをする。
真面目なのにヤンキーのふり。
貧乏なのに金持ちのふり。
顔を合わせない分、それは簡単に偽ることだってできるのだ。
雄太朗も今からお堅い古文好きを名乗ろうか? いや、それは流石に手遅れであるな。
ただ、人間の素の部分を完全に隠すのは案外難しい。
何気ない一言で、完璧に作り上げたキャラクター像は簡単に崩壊してしまう。
ちょっとしたことで素がばれるのだ。自分を偽らない人は、その語り口から性格が滲み出る。
鈴凛とのやり取りから感じていた印象は、ボーイッシュで同性にモテるイケメン女子だ。
百合小説に出たら主役間違いなしである。
そんなふうに思っていた矢先、彼女から衝撃的な経験談を聞いた。
なんと鈴凛。女性に告白され、女性に夜這いを迫られたことがあるようだ。
本当にこんな世界があったとは。
そんな展開を羨ましく思う反面。男から告白され、男に迫られる展開を想像し、途轍もない寒気に襲われた雄太朗であった。