表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

有名作家Rとの出会い『表と裏②』

 今回の登場人物は有名作家R。そしてその表と裏の理解についてだ。


 Rは超がつくほどの売れっ子作家である。

 もしも本人がそれを否定しても、世間は否定しないだろう。

 実はRから名前を出しても良いと言われていたが、皆の意見を元に名前を完全に伏せることにした。

 それに対して少し寂しいと嘆いていたが、それもまた有名であるがゆえ仕方ない。


 掲示板で出会った当時、彼はまだ書籍化デビューしていなかった。そのため小説知識の乏しい雄太朗は、彼のことを全く知らなかった。


 有名な小説サイトメインで書いてる人。くらいの印象だ。

 無知で無謀な雄太朗は、そんな彼に自分の作品を読んで辛口意見がほしいとお願いをした。


 彼は、「本当に辛口でいくが、覚悟は良いか?」と警告をする。

 ふん、何をいうか! 雄太朗だって真剣に物語を作っているのだ。難癖つけるならつけてみなさい! っと謎の強気であった。


 正直、少しだけ後悔した。心が折れて砕け散るほど的確で鋭いダメ出しをされた。

 彼は1つのジャンルで、王と呼ばれるほどの実力者であったのだ。


 いや、辛口意見を求めたのは雄太朗の方だよ。だが、少しくらいは自分の作品に自信だってある。辛口意見を求めた上で、褒めてほしかったのが本音だ。


 ここでは書かないが、Rの辛口評価はほんとうに辛い。しかし、それ以上にとても大切な知識を与えてくれる。

 後は受け手のメンタルが耐えられるかだ。



 Rは近年、途轍もなく飛躍した。

 それは勢いがあるがゆえ、一部は嫉妬し、否定する。実は自分も少し嫉妬していた。


 ネットは、その憎悪の捌け口に最適だ。

 小説では良くある批判文句。

『絵が良いからだ』

『内容で売れていない』

 そんな批判を見つけた時、雄太朗は胸が熱くなった。


 批判する人間は、Rが何年前から積み上げてきたか知っているのか? 表だけの情報で、裏を見ようとしない典型である。


 Rには積み上げてきた巨大なものがある。

 そして今も尚、Rは必死に積み上げている。


 嫉妬とは、己を奮わせるためのもの。他者を傷つける感情ではない。


 不思議なものだ。

 顔も知らないのに、Rが批判されるとそれだけ強い感情が芽生えてくる。


 売れっ子となり、多忙な日々を送るR。

 物書きとは、なにも物語を書くだけが仕事ではない。

 それを教えてくれたのは、Rの日々の努力である。


 そんなRは毎朝必ず掲示板にやってくる。

 おはようの言葉と、ちょっとした雑談。


 それをずっと続けることができるRの生真面目な性格。それが多くに愛される理由だろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ