表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女の行く末は。  作者: 夜影
2/2

金髪蒼眼の君

俺はあの女の子に言われるまま、メモの買い出しをしていた。あの女の子、身長の割にすっげぇ髪が長いから最初は少しビビったけど、綺麗な黒髪で、黒い瞳。この国にいる人達は、髪と瞳の色が「金、黒、茶、灰」の4種類に、別れている。だが、金は貴族が多く、残りの色は平民が多いという。でも、なんかあの女の子の髪の色は不思議な感じがした。黒だけど、黒じゃないような?光の当たり具合のせいだろうか?そういえば、思いつきでこっちの方まで来て、一応の周りの人のような格好をしたけど、顔の方まで気が回ってなかった。でも、不思議だ。

この帽子を付けてると、周りの大人な達は誰も″俺″ってことに気がついていない。

みんな知らないはずはないと思うが、、、

「すみません、この種全種類下さい。」

「あら、珍しいわね、男の子が野菜や果物の種を買うなんて。」

「あはは……」

だって、メモに書いてるから買わない訳にはいかないんだ。それにしても、メモの内容はバラバラ。

"野菜の種、果物の種、あるもの全種類。

小麦粉、牛乳、卵、お肉、ここまで来たら食料の買い出しか、って思うけど、スコップ、ロープ、チョークなど、食料ではないものも、結構書かれている。しかもこれを女の子1人だけに任すなんて、大変じゃないか?

親と一緒に来ればいいのに。


ーーーーーー。


「おっちゃん、これ一つくれ。」

「おお、ぼっちゃん、母ちゃんの買い出しかい?」

「いいや、、、まー、そんなとこ。」

あの子のこと、なんて説明したらいいか分からないから、そういう事にしておこう。

えーっと、これで、最後か、早く戻ろう。







それにしても、なんて人なの。男の人ってこんなものなのかしら。何十年も話してないと、分からないものね。

帽子だって、渡してしまったし、、、

あの帽子は被ると、別人に見えるっていう魔法をかけてあるし、気に入ってる帽子だったんだけど、、、

返すって言ってくれたけど、いいです、って言っちゃたし…、

「はぁ…………。、」

どうも怒りの感情に任せてしまうとダメね。

帽子を被ってないと、やっぱり不安になる。髪と瞳の色は変えているけど、どうしても気になってしまう。人の視線が。

私はまたうずくまった。ふと、彼の顔を思い出す。金髪蒼眼で、すごく綺麗な人だった。

行動と言動は気に食わないけど。

綺麗な金色の髪の毛。私もあんな綺麗な髪ならいいのになぁ。

「羨ましいなぁ。」

ポソッと呟く。

「何が羨ましいんだ?」

顔を上げると、またさっきのように彼の顔が目の前にあった。

「うわぁ!!!」

「っ!……このくだりさっきもやったろ?」

心臓がバクバクしてる。

「……ぁなたねぇ?!!」

「え?!今のは俺が悪いのか?」

「…………いいえ、そうですね、私が悪かったです。それより、買い物ありがとうございます。」

私は荷物を貰おうとすると、彼は荷物を上にあげる。

「……はい?」

「荷物、運ぶよ。こんな大荷物一人で運ぶの大変だろ?」

「……別に、大丈夫です。このくらい。」

「強がんなくていいって。」

「強がってなどいません。早く渡してください。……早く、戻らないと……」

ノーツに怒られる!!!!

「本当にありがとうございました!!!さよなら!!」

私は彼から荷物をぶんどって来た通路を走りながら戻った。

「えっ、ちょっ、おい!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ