ショートコント「雨宿り」
柳「どうも、猫柳です」
目「こんにちは、猫目です」
柳「二人合わせて『猫背直し隊』です」
目「名前だけでも覚えて帰ってください」
柳「さて。今日は、初めてのコントに挑戦ということでね」
目「はい。頑張ってやっていきましょうね、ジーン・ケリーさん」
柳「(傘を上下に振りながら)スィーンギニンザレーン♪ って違うよ」
目「違うの? 傘持ってるし、合羽まで着てるから」
柳「合羽て。そこはレインコートって言いましょうよ、アキバメイドさん」
目「(両手でハートを作りながら)お帰りなさいませ、ご主人様♡ って違うから」
柳「あれ? ミニスカだし、猫耳と尻尾が付いてるから、てっきり」
目「これは仮装じゃなくて、自前だから。ていうか、いつまで探ってるのさ」
柳「ゴメンナサイね、お客さん。視聴者の反応を見ることを、探るっていうんです。コンビ名と一緒に覚えて帰ってください」
目「覚えることが多いな(チラッとカーデガンの袖に隠したカンペを見る)」
柳「すみませーん。……すみませーん! ……すみませーんって言ってるでしょうが!(猫目の足に猫キック)」
目「あっ、次、私のセリフか」
柳「コンビ名の前にセリフを覚えてなさい。――すみませーん」
目「すみませーん」
柳「私たち人間ですけど」
目「いやいや。百歩譲って、私は良いとしよう。あなたは、どう見ても猫だから」
柳「やっぱ無理か。――私たち、猫系美少女なんですけど」
目「いやいや。百歩譲って、私は良いとしよう。あなたは、どう見ても美少女じゃないから」
柳「すみっ……。ちょっと待って。あなた、自分のことを美少女だとお考えで?」
目「えぇ。何か疑問でもおあり?」
柳「(無視して続ける)ちょっと雨宿りしてもいいですか?」
目「ちょっと雨宿りしてもいいですか? 三年くらい」
柳「長いよ。三年は、ちょっとに含まれない」
目「駄目かー。どれくらいなら、ちょっとに含まれそう?」
柳「二年と三百六十四日」
目「ほぼ三年じゃない!」
柳「その一日は、前日に亡くなった少女が生きたいと願った明日なのさ」
目「それっぽいこと言って誤魔化さないで」
柳「メンゴメンゴ。そうこうしているうちに、もうお別れの時間が来てしまいました」
目「グダグダだな。最後だけは、ビシッと締めましょう」
柳「猫柳と」
目「猫目の」
柳「猫背直し隊がお送りしました(=^・・^=)」
目「チャンネル登録よろしくね(=^・^=)」