表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私のペットな吸血鬼  作者: 埜吹陸斗
12/81

私とモンスターと吸血鬼⑤

 店員の出血量が増え、アスファルトの地面がどんどん赤くなるにつれ、殺人幇助で逮捕されるかもしれないという恐怖に、どんどん青くなる私の顔色。


 すると、そんな私をじっと見つめていた青年が徐に口を開いた。


「先程から、赤くなったり青くなったり……まるで、あの道端に飾られている光のオブジェの様だな」


 と、道路で点滅している信号を指差しながら、のほほんとのたまう青年。


 その時私は頭の中で、今日何度目かの――自分がブチ切れる音がした。


「誰が信号機よー!!」


 お洒落な街銀座の中心で本日二度目の怒りを叫ぶ私。けれど、儚くも別の雄叫びによってかき消される。


「アアアァァァァァ……!!」


 空気を震わせ、華やぐ銀座に響き渡る大きな叫び――それは間違いなく、爪で串刺しにされた店員の口から発されていた。


「何、今の声? まるで――」


 獣みたいな叫び声。


 そう告げようとした私の目の前で、店員の女の顔に、体に、赤い縦の線が真っ直ぐに走っていく。一番下まで線が引かれたかと思うと、店員の顔の真ん中――丁度鼻の辺りに引かれた線から、細くしわくちゃな数本の指が伸びてきたではないか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ