定期観光バス
それは、山岡が言ったからかもしれないけれど
愛紗は、空想で定期観光バスの仕事をする
事を考えた。
12mの大きな観光バスだけれども、路線バスと違って広い道を走るから
そんなに危険はない。
ターミナルの駅の側を通る時くらいを
気をつければいいだけで
後は、観光道路だし
路線バスだから、そんなにお客も
我が儘にはならない。
観光バスで我が儘になるのは、集団だからなので
一人では言えないのは、まあ、そういうもの。
なぜか、大分の駅前の広いターミナルから
バスを走らせる。
とても広い国道を、別府に向かい
海岸の通りから、山沿いの峠を越えて
由布院に向かうあたりは、少し狭いけれども
観光道路だから、苦労はない。
由布院のバスターミナルは、ACO-OPの
隣にあるけれど
そこは、少し狭い。
でも、そこだけで
後は、山並みのハイウエーで
阿蘇山に向かって走り、熊本へ降りる。
景色もいいし、殆ど鉄道のような路線。
そこで、ふと、愛紗は思った。
「バスの運転手をしたいと思ったのは、鉄道の
仕事に入れないから、と自分で決めて掛かっていたからなのかな。」
とは、思ったけれども
それも、山岡の影響なのかもしれなかった。