丹那トンネル18
伊豆箱根鉄道の試験は、まともで
クレペリンと筆記試験、それと
健康診断。面接。
全部、本社にある施設で出来る所が
流石に鉄道会社で
お昼ごはんも、食堂で支給、つまりおごりである。
交通費も出る、と
まあ、以前は当たり前の大企業だった。
それらは全て、企業の支出、つまり
税金の控除対象になるから、である。
そこで、鉄道の乗務員、駅員、観光バスの運転、路線バスの運転、タクシー運転手なんかを受けた、との事。
愛紗は「受かったら行くんですか?」
山岡は「うん、まあ、受からないようにするんだね。
面接でわざと印象を悪くするとか、筆記を白紙で出すとか」
愛紗は「なるほど」
バスの運転試験は、広大な敷地の中で行われて
観光の場合は、12m車両で構内をぐるり。
路線の場合は、9m車だったり7mだったりで
構内の道路を、あちこち行ったりきたり、
車庫入れ、バック、方向転換。
乗務経験があれば楽々だそうだ。
「難しい試験もあるんですか?」と、愛紗。
山岡は「どこだったかな。京急だったか、バックでS字走行とか
あったけど。それも乗務経験があれば楽々」
愛紗は「そうなんですね」
山岡は「うん、夜なんかだとね。あるんだ。そういう事。
無理やり通ろうとする人もいるし」
寝台特急富士は、熱海を離れて
丹那トンネルへ。
戦前は有名だった難工事。
今は、普通になってしまった感じの
長いトンネルは、箱根の下を通る。




