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第76話 面倒事が倍プッシュ

ニセ親玉への尋問は完了した。話を簡単にまとめるとナナシが黒幕だということにまとまる。ナナシからニセ親玉の所属する組織に依頼があり、それを請けた組織がニセ親玉とニセ冒険者三人をモリカ拉致に送り出した。拉致の理由については聞いていないし、モリカをどうするかについても聞いていないってさ。


ニセ親玉は組織では中堅どころだが依頼の内情を知るほどの立場ではないそうだ。ただ今回はナナシから直接仕事内容の説明を受けたため依頼主がナナシだということだけは分かったという。


ちなみにニセ冒険者達も組織ではそれなりの立場なんだって。ふむ。ある程度納得できる話だな。最小限しか知らないってのは嘘だろうけどね。


あとはナナシに話を聞いてみるしかないな。ニセ親玉には引っ込んでもらってナナシに呼びかける。


「答えるかどうかは別の話だが、聞くだけ聞いてみろ」


ナナシ様からは偉そうな返事が返ってきましたよ。まあそんなことで腹を立てたりはしませんがね。ナナシには攻撃魔法があるから外には出さずに話をしよう。


「モリカ誘拐を依頼したのはあんただと聞いたが本当か?」


「ああ。そうだ」


「なぜモリカを誘拐させた?」


「さぁな」


「島の結界とやらはどうやって抜けた?キラクルもグルだったのか?」


「おぼえていない」


「俺をどこへ連れていく予定だった?」


「どこだろうな」


「お前の正体はなんだ?何を目的に動いている?」


「知らん」


「分かった。お前にはそこで死んでもらうよ。とてもじゃないが外には出せない」


ニセ親玉達との繋がりを認めただけか。なんでそこだけ認めたのかも謎だわ。もう一度ニセ親玉の出番だな。


「ニセ親玉とそのお仲間さん。あんた達は解放されたらどうする?」


「俺達は組織に戻るだけだ」


「仕事は失敗、依頼主も殺さた。組織とやらにそう報告して無事でいられるのか?」


「無事ではいられないだろうが俺達は魔法使いだ。使い捨てにされないだけの自信も立場もある」


「それでも手土産のひとつくらい欲しいはずだ。俺やライン親子の首だけでも持っていきたいだろ?」


「できればそうしたい。だがあんた相手にそれは難しい。俺達はこのまま戻れればそれでいい。命あっての・・・だからな」


「なるほど。そしたらお前らの代わりに別のヤツが俺達を追ってくるんだろ?」


「・・・」


チッ。たとえこいつらを全員始末したとしても追手は確実にかかるな。ママさんやモリカはもちろん、俺のことを知っている人間も島周辺にはたくさんいる。ニセ親玉が所属する組織はもう俺達を探し始めているかもしれない。


福引で使いもしないサラダ油セットが当たった時より数十倍面倒くさいな。何もかも放りだしてどこかの温泉にでもつかりながらそのまま溶けてしまいたい。


どこかのお坊さんばりのグッドアイデアが閃かないかな?どんでん返しのさっぱり解決。後でまた面倒なことにもならない会心の一撃。


あー、気が重いなぁ。ひとまず移動を続けよう。このままここにいては危険だ。

ママさんとモリカに声をかけて歩き始める。二人にも現状を伝え、なんでもいいから案があれば話してくれるように頼む。


やれやれ。ナナシもニセ親玉達も下手に始末できないな。いざというときの人質に使えるかもしれない。むしろ生きていてもらわなければ。


それでも敵に見つかったらいきなり殺される可能性は高いか。なにせ今俺の周りにはナナシやニセ親玉達の姿はないんだからな。既に殺されたと思われてもおかしくない。ニセ親玉だけでも外で歩かせるか?ダメか。どんどん考えがバカっぽくなってるな俺。


あぁ、俺のスローライフはどこにあるんだろう?俺に分かるのは監禁ライフの実現の方がはるかに確率が高いってことと、その監禁ライフって実は意外と居心地がいいのかも?なんて思っちゃってる自分がいることぐらいだ。


「おいおいマジかよ。本当にこいつらか?」


「ああ、間違いない。聞いた話と一致してるし魔法の反応もこの辺りだった」


もうかよ!仕事早すぎだろ!ネコ的な獣人と精霊族の二人が小走りでやってくる。タイミングが悪いよ!これから対策考えようと思ってたのにさ。まさかこんなに早くやってくるなんて。


これで俺もどこぞの大国でよくある、意味不明な狭いところにはさまっちゃった子供のように身動きとれなくなったって訳か。


「でも三人しかいねーぞ。やっぱりそこのガキにやられちまったのか」


「そういうことだろうな。気をつけろよ。もうガキの距離に入っているぞ」


精霊女は後衛か。ネコ男のかなり後ろに控えている。それに俺の魔法のことも知っている口ぶりだ。キラクルに聞いたのか?


「わかってるよ。おいガキ、ちょっと聞きてーんだが。巡礼の女と俺達の仲間はどこだ?お前の魔法で捕まえているのか?それとももう殺しちまったか?」


ネコ男が軽い感じで聞いてきた。確実に俺をターゲットにしている。人違いですって言っても逃がしてはくれないだろうな。それに俺の魔法はある程度知られていると考えるべきか。誤魔化すのは厳しそうだ。


「僕の魔法で捕まえていますよ。まだ生きてます」


「そりゃよかったぜ。いきなりお前をぶっ殺さなくて正解だったな」


「当たり前だバカネコ。そんなことをしたら私がお前を殺すところだ」


「そうガミガミ言うなよ。皺が増えるぞ。ちゃんと確認したんだからいーだろ」


「なんだと?皺が増える?どこだ?どこの皺が増えるんだ!言ってみろ!」


精霊女とネコ男は二人で口喧嘩を始めてしまった。なんだかなぁ。今のうちに「自宅」に沈めてしまおうかなぁ。ママさんとモリカをアイコンタクトで呼んでおく。


「あのー何か僕に用事があるんですよね?」


次から次へとよくもこんなに厄介事がやってくるもんだ。あの島で完全に呪われたな。どなたか呪いを解ける魔法使いの方いませんか?うちの子供が呪われてるんです!


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