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第1話 転生したおっさん

気がついたら孤児院にいた。

キーンという名前は院長先生がつけてくれた。両親は不明。孤児院の前に捨てられていたらしい。


3歳頃までの記憶はない。

ぼんやり前世の記憶を思い出し始め、4歳になるころには完全に前世の記憶が戻った。どうやら転生したようだ。


「45歳で事故死からの転生か」


面倒くさいなと思いながらも、新しい人生に希望もある。転生するときに会った神様らしきものにはひとつ能力を貰った。その名も「異空間」


記憶が戻ってから一度みんなに隠れて使ってみた。

「異空間」と意識すると任意の場所に黒い扉のようなものが現れ、それをくぐるとなかに入れるというもの。

広さは8畳くらい、天井はちょっと高めの5メートルほどの立方体の空間。

光源はないが明るい。中身はからっぽ。全面白っぽい壁。

真っ白ではないで、遠近感が狂うこともなかった。

これはすごいとちょっと感動した。


もちろんそのあと能力の検証をしてみた。

お約束の「なかの時間は止まっている」ということはなかった。パンを入れて放置しておいたらカビが生えたし、お湯も次第に冷たくなった。


生物も入れることができた。最初に自分自身が入っているので、多分そうなんだろうなと思っていたが、他の生物もOKみたいだ。もちろん院の友達で試したわけではなく、虫や院で飼っている鶏でやってみた。


黒い扉は自分にしか見えないこともわかった。隅っこの方から試して、目の前に扉をだしても、鶏も院の友達も反応しなかったのだ。これはいいものを貰った。出入りは気をつけなければいけないが、自宅を手に入れたようなものだ。ワンルーム風呂・トイレなしだが移動自由でメンテいらずの優れものだ。


孤児院を出ても家はある。これは非常に大事なことだ。何度か練習を重ね、「異空間」では味気ないと思って名前も付け替えた。


「黒い扉だから黒ちゃん、単純に黒?、でも黒色を考えただけで扉がでてきちゃうか」


結局名前は「自宅」にした。味気ないのは変わりないがこれが一番落ち着いたのだ。すばらしい自宅をありがとう神様らしきもの。


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