表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

レズパコ2 なまけものさんごっこ

作者: ささみし

レズパコお馬さんごっこ

http://ncode.syosetu.com/n4673do/

のつづきです。

 わたしの普段の行いが良かったせいか、お父さんの誤解はすぐに解くことができた。

 下手したら警察沙汰ですよ……。あぶねー。


「……で、なんでまた『お馬さんごっこ』なのかな?」

「たのしーから」


 ぱん、ぱん、ぱん


 わたしは「される」側だった。

 「する」側は絵面的にもヤバイので、なるべく回避している。

 そう、あれ以来ユウちゃんは「お馬さんごっこ」にハマってしまい、毎日のようにせがんでくるのだ。


 ぱん、ぱん、ぱん


 楽しいかなあ……。


「今度はマコちゃんの番ねー」

「はいはい」


 ユウちゃんはわたしの周りをぐるりと一周して、例の四つん這いポーズをとった。

 結局やってるじゃないかって? いやいや、わたしだって回避する努力はしてますよ?

 ……三回に一回くらいは。


 だって、しょうがないじゃない。

 わたしは、小学生の涙に勝てる武器なんて持っていない。たとえ、それが嘘泣きだったとしても……。


「ユウちゃん、やるよー」

「きて、マコちゃん!」


 ぱん、ぱん、ぱん


 最近では、緩急を付けてユウちゃんに飽きさせない工夫を編み出した。


「どーん。いくよー」

「きゃーあ」


 勢いを付けて思いっきり腰を打ち込んだ。

 ユウちゃんは私の重さに耐えられず、ぺしゃんと崩れ落ちた。

 初めは怪我をさせないか心配だったけれど、何度かやるうちに、完全に力加減をマスターしていた。


「きゃはー! もーいっかいやって! もーいっかい!」


 私の身体の下でうつぶせになっていたユウちゃんが、笑いながらせがんできた。

 んしょ、と言って四つん這いのポーズを立て直したのを見計らって


「いっくよー」


 どーん、と腰をぶつけた。

 今度はユウちゃんも力を入れて踏ん張っていたようで、さっきのように崩れる事はなかった。


「うふふー、もっと強くしてもいーよ?」

「だめだめ。これ以上は危ないから」

「つまんないのー」


 ぷーっと膨れ面を向けるユウちゃん。かわいい。


「じゃあ、お馬さんごっこはもうおしまいね」

「むー」


 とりあえず今日のところは満足したようだ。

 わたしは、ほっと胸をなでおろした。


「ねーねー、なまけものさんごっこしよー」

「な、なまけものさんごっこ……?」


 新たな動物ごっこシリーズが現れた。

 なんだろう。嫌な予感がする……。


「どんなことするの?」

「えっとねー、マコちゃんが四つん這いになってねー」


 また四つん這いかい!


「ユウがしがみつくの」


 ……?

 よくわからない。

 とりあえず、言われたとおり四つん這いになった。


「んしょ……」


 ユウちゃんがわたしの下に潜り込んだ。

 仰向けになって、わたしと向かい合う。

 これ、端から見たら、どうやってもわたしがユウちゃんを押し倒してる絵面だよね……。

 ザ・犯罪ですね、わかります……。


 ユウちゃんが上体を起こした。

 えっ、ちょっとまって、このままだと、まさか……。


 キ……ス、そんなわけはなかった。

 両手をわたしの背中に回して、ぎゅっと抱きしめられた。

 なんだろう、このシチュエーション……。

 わたしが戸惑っていると、ユウちゃんはその体勢のまま両足を私の腰に絡ませてきた。


「できたー! なまけものさんごっこー」


 四つん這いのわたしに、ユウちゃんが下から抱きついて宙ぶらりんのポーズだ。


 そーゆーことね!

 おねえさんわかってた。わかってましたよ。


「わー、すごいねユウちゃん」


 この体勢、わりと大変なんじゃないかな。

 実際、ユウちゃんは力が強い。

 わたしを抱きしめる腕には、かなりの力が込められている。


「えへへー。ユウねー、うんてい得意なんだよー」


 うんていかー。懐かしいなあ。わたしもよく遊んだよ。

 それよりも、この体勢でユウちゃんに喋られると、吐息が首筋にかかって、すごく、むずむずする。


「ねえマコちゃん、さっきの、お馬さんごっこのやつやってー」

「えっ、あれ、やるの? ユウちゃん大丈夫かな」

「落ちないようにがんばる!」


 わたしは、四つん這いになったまま、ゆさゆさと身体を揺らした。


「きゃー、すごいすごい。もっとやってー」

「えーい!」


 もうヤケだった。

 ゆっさゆっさ、身体を前後に揺らしまくる。


 あ、これ、ヤバイやつだ。


 ユウちゃんの上半身は、腕の力でぴったりと私にくっついているのだが、下半身は若干の隙間があった。

 それを揺さぶるとどうなるか。

 ちょうど、下腹部の辺りが、当たったり、離れたり、当たったり、離れたり……。

 ……何考えてるんだ、わたし。


「もっとやって、もっとー」


 ユウちゃんも興が乗ってきたらしく、ヒートアップしている。

 これ、ユウちゃんの体重を支えてるぶん、さっきのお馬さんごっこよりキツイ……。


 じんわり、と、汗が滲んできた。

 ユウちゃんと密着しているので、余計に暑い。

 ユウちゃんも、つかまっているのがつらくなってきたのか、だんだん息が荒くなってきた。

 首筋に、熱い吐息が……。なんか、ユウちゃん、いい匂いするし……。


 もう限界!

 わたしは、ラストスパート、とばかりに思いっきり腰を振った。


 ぱあん!


 そのとき、わたしとユウちゃんの下腹部が、反動をつけて勢いよく当たった。そして、手を叩いたときのように、派手な音が鳴り響いた。


「あはは! すごい音鳴ったねー!」

「マコちゃん……、すごおい……」


 あまりにも見事な音が鳴ったので、わたしは笑いのツボにはまってしまった。

 ユウちゃんはというと、私から手を離して、くたっと横になっていた。

 目も虚ろだし、よほど疲れてしまったらしい。


 ユウちゃんがこの様子では、続きをせがまれることもない。

 わたしは、ようやく腰を落ち着けることができた。


 後日……これに味をしめたユウちゃんは、「なまけものさんごっこ」で良い音が鳴るまで、私にしがみつくことになる……。

書いていたら楽しくなってきたので、続きを書きました。

まだ書き足りないので、あとで連載にしてまとめるかも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 面白いんだけどなんとも言えない読了感だわ こういうの結構好きですw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ