第4章 厄災の街 捜索③
「確かにルーク様の件はお聞きしております。
ご連絡をいただければお迎えに参りましたも
のを。」
ルークは様をつけて呼ばれることに慣れて
いなかった。
「ダンテ代理申し訳ありませんが、その様と
いうのは止めていただけませんか。ただのル
ークで結構です、お願いします。」
「そうはいきません。ヴォルフ公のご養子様
でいらっしゃいますので。」
権威主義者のようで、どうも型苦しい話に
しかならなさそうなのである提案することに
した。
「ではダンテ代理、僕たちはこの疫病を広め
た犯人を捜したいと思っているので、ご協力
していただけますか。」
「犯人ですと。誰かが態と疫病を流行らせた
とおっしゃるのですか。」
ダンテ港湾局代表代理は疫病が広まった責
任を犯人が居るのならもちろん、そうでなく
てもに犯人にでっち上げて転嫁できる、と一
瞬で判断した。
「そうです。キスエル老師がそう仰っていま
したので間違いないかと。」
「キスエル老師?」
「グレデス教会の地下にお住いの数字持ちの
魔道師のお方ですが、ご存知ありませんか?」
「あの水のキスエル老師がこのロスにいらっ
しゃるのですか?それは全く存じ上げません
でした。」
「この二年ほどはずっと眠っておられたよう
ですが。」
「なるほど。その老師が犯人が居ると?」
「そうです。そしてその犯人を捜すように、
と仰られてまた寝床に戻ってしまわれました。」
「わかりました、それで具体的には何をさせ
ていただければ良いのでしょうか?」
「人を貸していただけますか、そこのギャロ
くんを。」
「ギャロ=シプレックですか。彼はまだ新参
者でお役には立てないと思いますが。」
「いえ、彼を貸していただきたい。駄目です
か?」
「いや、駄目ではありませんが。」
「では彼を。それとロスの中を色々と見て回
りたいので、その許可をお願いします。」
「判りました。シプレック下等局員に指示を
しておきましょう。」
これで手足となる人材と通行証を得たのだ
った。




