第12章 東の国の陰謀 暗殺者の災難⑧
「そうなんだ。僕は今ここで直ぐにって言うかと思ったよ。やっぱりロックらしくないね」
「そうだな、確かに俺もそう思う」
「それでどうするの?」
「少しの間ここを離れようとおもっているんだが、いいか?」
「そうだね。多分すこししたらここも騒がしくなりそうだけどズィーイ皇国一の魔道士があの、シューリーって言ったかな、あの魔道士であるなら問題ないと思うよ」
「魔道でも剣でもお前に敵う者は居ないってことだな。俺は安心していていいのか?」
「ロックが戻るまではちゃんと待っているさ」
「そうか。ではこのまま出る。リロン所長には世話になったと伝えてくれ」
「判った、気を付けて行ってらっしゃい」
「ああ、出来るだけ早く戻るようにする」
「うん、待ってる」
こうしてロックはどこかへ行ってしまった。どこに行くのかをルークは聞かなかったしロックも言わなかった。
ロックは今のままでルークと試合っても自分が僅差で勝つと判っていた。但し純粋な剣での試合に限ってのことだ。
魔道を使ってもいい、ということであればロックはルークに敵わないと感じていた。魔道を使わないという制約下でなければロックはルークに勝てないと思ったのだ。
ロックは今までも対魔道対策を練ってはいた。但し身の危険を感じるほど強力な魔道をロックに向かって放ってくれとは言えなかった。
魔道を使うルークに勝つ。それがロックの今の切実な目標だった。
「さて、付いてきているんだろ?」
ロックはシェラックを呼ぶ。
「予定通りだからな。でも本当に良かったのか?」
「なにがだ」
「私の知る限りお前たちはいつも一緒だったろうに」
確かにアドニスで出会って旅に出てからはずっと一緒だった。
「元々は知り合いでも何でもなかったさ」
シェラックにはその言葉は強がりにしか聞こえなかった。




