第11章 プレトリアの真実 魔道の国Ⅱ⑤
「話を聞かせて欲しい、と言われても、特にお話しすることは無いと思うのですが」
「大丈夫ですよ、それ程警戒なされなくても。本当にただ当時のことを思い出して少しだけでも、話せる範囲で十分ですのでお話しいただければ」
リロン所長の低姿勢な態度がとても怪しいのだが、そこまで言われてルークは断れなかった。
「判りました、掻い摘んでお話ししましょう」
そしてルークはエンセナーダでの事件の顛末とサイレンでの出来事をリロン所長に話すのだった。
「本当にありがとうございました。とても有意義な時間でした」
話が終るとリロン所長はルークたちを追い出しにかかって来た。もう用は無い、という感じだ。
「いいえ、お役に立てたのであればよかった。では僕たちはこれで失礼します。ユスティとシェラックによろしくお伝えください」
そう言い残すとルークとロックは魔道連休書を後にするのだった。
「よかったのか?」
「何が?」
「あんなはなしをしてしまって」
「よくないだろうね」
「なんだよ、判ってて話したのか?」
「ちょっと確信は無かったんでね」
「どういう意味だ?」
「だから確信がないんだって。ちょっと宿で考えてみるよ」
「そうか。だったら俺はもう少し街を見て回ってから戻るとしよう」
そして二人は別の道を行くのだった。
「ジェイ」
(なんじゃ)
「頼まれてくれないか?」
(お前は儂に頼み事しかせんだろうに)
「いつもいつもごめんね」
(それでさっきの建物の中をしらべてくればいいんじゃな?)
「さすが、言わなくても判ってるね。それとリロン所長は勿論なんだけどユスティたちの動向もね」
(使い魔使いが荒い奴じゃ)
「いやだったらいいけど」
(誰も嫌とは言っておらんわ。お前たちと居ると飽きないから面白い)
「それじゃ頼んだ」
(任せておけ)




