第11章 プレトリアの真実 魔道の国Ⅱ③
「それでですね」
リロン所長の話はルークが想像していた通りのものだった。
結局為政者と言うものは須らく自身の治世を永く続けたいものなのだ。
それには当然長生きが必要となる。そして老いてしまっても駄目なのだ。
「結局はそれですか」
「不死とはいいませんが不老、若しくは遅老とでもいいますか、出来得る限り老化を遅らせたいのですよ」
「みんなそれを望んで叶わない、誰もが繰り返してはいませんか?」
「だから研究しているのですよ、ここでね」
リロン所長には悪びれた様子はない。ただ知的探求心の塊として不老不死を研究しているのだ。
「それは判りましたが、なぜ僕なんですか?」
「あなたはご自身の価値を理解しておられないのですね」
「どういう意味です?」
「不老不死を研究する者にとってあなたは是゛人も協力を得たい魔道士だということです」
ルークはリロン所長の言っている意味が全く判らなかった。不老不死なども求めたことは無いし研究したこともない。研究しようと思ったことすらないのだ。
「全く自覚がないのですが」
「順を追ってご説明しましょう。まず一つ目はルークさんあなたの魔道の師匠はどなたですか
?」
「僕が魔道の基礎を学んだ師匠はクローク老師ですが」
「そうですよね。あなたの師匠は数字持ち序列第十二位、時のクローク老師です」
「間違いありませんが」
「クローク老師が得意とする魔道は時間を操る魔道ですよね」
「それは確かにそうですが、師匠の魔道は相手の動きを遅くするとか、時間を止めるにしても制限が多くて、とても難しい魔道ですよ。結局僕は何一つ習得できませんでしたから」
一般的な攻撃魔道や防御魔道、移動系の魔道などの基礎は習ったが本来「時の」と称されるクローク老師の特異な時間系魔道は全く教えても貰わなかったのだ。
「それで役に立つのですか?」
「それで十分です。今すぐに、ということではないので」
クローク老師との繋がりを得たいということだろうか。ただルークにしてもラグを出てから長く連絡を取っていなかった。




