第11章 プレトリアの真実 魔道の国⑤
「じゃあ魔道研究所に向かうよ」
二人は海賊の後処理をロンに任せた手前、言われた通りリロンが待っている魔道研究所に行くことにした。
「なんだ場所をちゃんと聞いていたのか」
「ロックも一緒に聞いていたじゃないか」
「そうだったか?」
ロックは興味の無いことは全く覚えない。ロンやリロンの名前や立場も覚えてない可能性もあった。
「いいから付いてきて」
そう言うとルークは歩き出した。仕方なくロックも続く。
相変わらず違和感だらけだが静かな港街を暫らく歩いていると目的の魔道研究所らしき建物が見えて来た。
魔道研究所は海沿いに建てられている。建物自体は二階建てだが地下があるのかも知れない。建物そのものはなんとも言えない暗澹とした雰囲気を纏っていた。
それは中で何をやっているのか、外から見ても判るかのようだ。
「おい、ここで合っているのか?」
「多分。それにしてもあまりいい場所とは言えないみたいだね」
「そんな軽い話か?何かとんでもないじけっんをやっていたりするんじゃいなか?」
ルークも少しそう思わなくもなかったが、まあ建物がどんな建物であっても真っ当な研究所ということもある。ルークはそう思うことにした。
「あっ」
その時だった。ロックたちの後ろから声がした。明らかにロックたちを見付けて発した声のようだった。
「あっ、ユスティじゃないか」
そこにしたのはユスティニアヌス=ローランとシェラック=フィットだった。
「ロックさん、ルークさん、お久しぶりです」
「そうだね、サイレンで別れて以来かな。ザグレブに来ていたんだね」
「ルークさんたちは船ですか?僕たちは陸路でザグレブに入ったんです」
レシフェからザグレブであれば船路の方が随分早い。先にレシフェを出たユスティたちに跡から出たロックたちが追い付いた、ということだ。
「こんなところでまた会うなんて奇遇ですね。もしかしてここに用が?」
そうなのだ。二組の共通の目的地が目の前のプレトリア魔道研究所だった。




