第11章 プレトリアの真実 魔道の国④
ロックとルークはザグレブの港に着いた船を降りザグレブでの宿を探すことにした。
バルバロスたちの身柄は処分保留としてロンがどこかに連れて行った。ルークの関心を引くために請け負ってくれたのだ。
船長たちには金を握らせて口を塞ぐことにした。そのあたりの手配もロンがやってくれた。リロンの意向とは相当強い物なのだろう。ただ船長たちにはリロンの名前は出しては居なさそうだったが。
「さて、それでどうする?」
「ロンにあれだけ世話になったんだからリロンには会わないといけないだろうね」
「そうなのか。面倒だな」
元々はロックがバルバロスたちの処遇に異を唱えたことが原因なのに他人事の様だ。
「ロックの所為なんだよ」
「ん?そうなのか?」
本当に世勝っていないのか惚けているのか、ルークには判断が付かなかった。
「そうなんだよ。ところでロックはザグレブで何かしたいことは無いの?」
「ここは魔道重視の州だからな。剣士道場も少ないと聞いたし、強い奴とは中々出会えないと思うんだ」
ロックとしてはちゃんと状況が把握できている。
「だったらやっぱりリロンの魔道研究所に付いてきてよ」
「まあ、それは構わないが。面白いことになるといいな」
ロックは何か事件が起こって欲しいようだがルークはできれば揉め事は回避したい。
「それにしてもレシフェと比べても静かな港街だね」
「そうだな。まあレシフェはファミリー同士の抗争が起こっていたから物騒だったと思うけど、確かにここは静かだ。怖いくらいに」
ロックのその感覚は正しい。港街であれば独特な喧騒は当たり前だ。ところがザグレブに着いてからすれ違う人も少なく誰も騒いだりしていない。
客の呼び込みの声も聞こえないし、市場でも声を張り上げている人は皆無だった。
「なんだか死んだ街みたいに感じるね。裏がありそうだな。ロック、変なことに巻き込まれないでよ」
「えっ、何か裏で起こっているのか?」
ロックの眼が輝き出す。
「いや、起こっているかも知れないから注意してねって言ってるだよ」
「判った、注意しする、注意する」
ロックは揉め事を探してまで介入しようとする気で満々だった。




