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虹の戦記  作者: 綾野祐介
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第十章 アストラッドの悲劇 レシフェの争乱Ⅱ③

 三人がドランファミリーのアジトに着いた時にはもう夕方で少し暗くなり始めていた。


「着いたぞ、ここだ」


 アウト=ソレユが指さしたその建物はザードファミリーのアジトよりは少し小さかったが、それでも周りの建物と比べると随分立派なものだった。


「俺は入らないぜ」


「ああ、いいよ、ここで待ってるか?このまま帰ってもいいけど」


「少し離れたところで出て来るの待ってるさ、まあ気を付けていってくるこった」


 そういうとアウトはどこかに行ってしまった。出入り口が見える場所で待っているつもりだろう。


「じゃ、入ろうか」


 ロックがルークと一緒に中に入る。


「ザードの所と同じで結構立派な建物だな。極道ってのは儲かるんだ」


「それだけ街の治安にも貢献している、ってことじゃないかな。港湾局だけでは手が回らない部分があるんだと思うよ」


「港街特有の影の部分ってことか。まあよくあることなのかも知れない」


 二人がそんな話をしながら入って行くと中には数人が立ち話をしている。ロックたちを睨んではいるが何も言わない。


 直ぐに咎められると思っていたのだが、何も言われないまま奥へと入れてしまう。


「何でだろう?」


 流石のロックも不思議がっている。


「不気味だね」


 ルークも同意する。二人が奥に更に入って行くと男が立っていた。


「こちらへどうぞ」


 ロックたちを待っていたようだ。二人は豪勢な応接室に通された。


「よく来てくださいましたね、二人とも。私がこのドランファミリーを任されているファルス=ドランと申します。お会いできて光栄です。」


 ロックたちが誰なのかも判っているようだ。ファルスはカロムよりは少し年上に見えるが多分30歳を少し超えているくらいにしか見えない。どちらのファミリーも幹部が若い。最近同じ時期に代替わりをしたのかも知れない。

 

「ファルスさん、初めまして。僕はルーク=ロジック、彼はロック=レパードです。よく僕たちがここに来ることが判りましたね」


「それはもうあるお方からお二人のことは聞かされていましたから」


 二人は嫌な予感が当たったことを知った。

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