第十章 アストラッドの悲劇 レシフェの争乱Ⅱ②
「ロック、それって」
ロックは思い出してはいないようだったがルークは直ぐに気が付いた。
「リンク=サード、ルトア道場の大将だった人だよ」
ロックは寿司子考えて思い出したようだ。
「あ、クリフの居たルトア道場だ。確かアイリスの護衛だった奴」
「そうだよ、大将戦で僕と戦った相手だよ」
「なんだお前、リンク様と戦ったことがあるのか?確かにルトア道場の大将はあの人だが」
「そうだね、この間行われた剣士祭の本選準決勝で僕も対象で出てリンクと当たったんだよ」
「それじゃあリンク様にコテンパンに遣られたんだな、御愁傷様だ」
「いや、勝って決勝に行ったけど」
「なんだと?」
アウトからすると尊敬する師匠カロムの従兄弟でカロムよりも強いリンクに、今目の前にいるひ弱な男が勝てるとは到底思えなかった。
「なんだと、って言われてもね。それで僕たちの道場は決勝で負けたんだよ」
「確か剣士祭決勝は聞いたことない道場とクレイオン道場が戦ってクレイオン道場が連覇したと聞いたが」
「そうだね、クレイオン道場は強かったよ。それにリンク=ザードもね」
アウトは確かにルトア道場が準決勝で負けたことを聞いていた。ただその相手のことは知らなかったのだ。
アウトはルークがリンクに勝ったと言った事は気に入らなかったが、強いと言われたことは嬉しかった。
「まあいい、少し調べればわかることだからな。嘘だったら承知しないぞ」
同年代のアウトに凄まれてもロックもルークも全く気にならなかった。
「大丈夫、本当に事だから。でも僕はリンクに勝ったけどロックはもっと強いから気を付けた方がいいよ」
ルークが逆にアウトを少し揶揄いながら脅した。後ろから刺されても困るのだ。
「何を気を付けるんだ?」
意味が解らないロックが聞いてきてもルークは無視だ。
「いいから行くよ」
三人は先へと進む。ドランファミリーのアジトはもう直ぐだ。




