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虹の戦記  作者: 綾野祐介
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第八章 剣士祭 剣士祭Ⅲ②

 剣士祭本選第一試合は前年優勝の聖都騎士団所属クレイオン道場対アストラッド州騎士団所属スレイン道場だ。

 

 スレイン道場はロックたちがソニー=アレスの手配で出稽古をさせてもらった道場で、アクシズとクスイー、マコトの三人はその後も何回か稽古に訪れていた。


 昨年は惜しくも本選出場を逃したが今年はアクシズたちとの稽古も奏したのか本選に出場を果たしたのだ。


 相手のクレイオン道場は道場主の孫であるマシュ=クレイオンが中堅で出ていずれも三人で全勝していた。ただマシュに至っては実戦練習のつもりでしかなかった。


 第1試合先鋒戦はクレイオン道場ウルム=アロア対スレイン道場はなんと本来は大将であるシル=スレインの戦いとなった。かなりの接戦の末、シルが勝った。


 第2試合次鋒戦はクレイオン道場ギークス=ロット対スレイン道場は本来は副将のトルク=スレインで、こちらは同様に接戦だったがギークスが勝った。


 クレイオン道場は昨年のスレイン道場から見て楽勝だと思っていたのだが、2試合がいずれも接戦だったので少し意外な表情を浮かべていた。それほどスレイン道場が強くなったとは把握していなかったのだ。


 クレイオン道場は決勝まで1敗もしないつもりだったのに1敗してしまったのは予想外だった。次は中堅戦だが予選と違いマシュは大将に下がっていた。万が一ということも考えて念のための措置だ。


 中堅戦はクレイオン道場ソルム=ハット対スレイン道場メルク=トーチで、この試合もかなりの接戦でソルムが勝った。これで二勝一敗になった。


 副将戦にもつれ込んでクレイオン道場はハーツクライ=ミットロー対スレイン道場トーク=サクノだったが、この試合は一瞬で決着が付いた。ハーツクライの勝ちだ。これでクレイオン道場の二回戦進出が決まった。


「マシュは出なかったね」


「そうだな。あいつの試合を見たかったんだが、大将戦までは無理だったか」



「それでもクレイン道場から1勝したのは大きいよ。入塾希望者が増えるんじゃないかな」


「そういうものか」


「そういうもんだよ。スレイン道場も来年あたりは本選で相手によっては勝てるんじゃないかな」


「スレイン道場には世話になったから、強くなって欲しいな。ソニーにもちゃんとお礼を言っておかないとな」


 ロックがそんな気遣いをするなんて意外だった。それは本来ルークの役目だ。


「ちゃんとお礼はするつもりだよ。剣士祭が終わったらね」


「そうだな、それでいい」


 ロックはもうその話には興味がなさそうだ。


 引き続き1回戦が行われる。1回戦の四試合は全て今日中に行われるのだ。そして一日置いて2回戦、また一日置いて決勝ということになる。 


 一回戦二試合目は聖都騎士団所属カンタロア道場と私塾イプロス道場の本選常連組だ。


 カンタロア道場は昨年本選一回戦でクレイオン道場に敗れて5位、イプロス道場は同じく一回戦でランドルフ道場に敗れての7位だった。


 カンタロア道場は過去優勝経験もあるが、ここ数年は決勝進出を逃していた。イプロス道場は本選ではまだ一度も勝ったことが無い。


 二つの道場の力は拮抗していたが三勝二敗でカンタロア道場が勝利する。これで二回戦はクレイオン道場とカンタロア道場の聖都騎士団所属同士の対戦となった。


 そして三試合目ローカス道場とグロシア州所属ランドルフ道場の試合となった。

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