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虹の戦記  作者: 綾野祐介
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第7章 マゼランの三騎竜 ローカス道場Ⅱ⑧

 ルークが戻ったのは夜遅くだった。


「遅かったな、ルーク。ランドルフ道場の奴らに襲われなかったか?」


「大丈夫だよ、何かあった?」


「アクシズが襲われたらしい。勿論無事だけどな。」


「まあ、アクシズの腕ならあまり心配ないけど大勢だと万が一ってこともあるから、あまり一人で出歩かない方がいいかもね。」


「そうだな。それで収穫はあったか?」


「うん、そこそこはね。三騎竜のうち二人の動向は割と掴むことが出来たよ。ただ三騎竜筆頭のガスピー=ジェイルがどこに居るのか全然わからない。もしかしたらマゼランには居ないのかも知れないな。」


「そうか、それで二人はいつどこに居るんだ?試合うことは可能なのかな?」


「クリフ=アキューズとビティアス=シェアはそれぞれ聖都騎士団御用達の道場とガーデニア州騎士団所属道場を一日おきに現れるみたい。確実ではないらしいけど。どちらにも現れない日もあるみたい。でも二人が現れる道場はそれぞれ別の道場だからどちらかを選んで待っていれば機会はあるかもよ。」


 要するに行き当たりばったりしか方法が無い、ということだ。グロウス=クレイの力を借りれば簡単なのかも知れないがマゼランからエンセナーダは遠い。


「その二人ならどっちがつよいんだろうな。」


「見てないから判らないけど、クリフの方か少し若いらしいよ。それが強さにどう反映しているのかは判らないけど。」


「わかった、じゃあそのクリフの方が先かな、順番としては。」


「全員と試合う気なんだね。」


「当り前だろ。そのためにマゼランまで来ているんだから。三騎竜の他にも強い奴は全員とやりたいさ。」


「判った、判った。明日はどこにクリフが居るのか判ったら直ぐに知らせに来るから。」


「頼んだ、頼りにしている。」


「それとアクシズのことなんだけど。」


「ああ、ソニーのところに行っていたんだろ?」


「知っていたのか。そう、ソニーのところで何か話し込んでいたらしい。詳しい内容はジェイもソニーに知られないように近づくことが出来なかったので判らないみたいだけど。」


「何を企んでいるんだろうな。俺は剣士祭に出てくれさえすればいいけど。」


「僕たちに危害を加えるような企みだったら?」


「それは絶対許さないさ。そこまで馬鹿じゃないだろうけど。」


「でもソニーは何を考えているのか判らないよ。」


「それ程極悪人にも見えなかったがな。アクシズも根はいい奴に見えるし。」


「それはそうなんだけど。ソニーは何か重い思いを抱えているような気がするんだ。僕たちが手伝えることなら言ってくれれば力になるんだけど。」


 ルークは確かにソニーの隠された顔にそれほど悪意を感じてはいなかった。隠していることは多そうだがソニーにはソニーの事情がある、と思っていた。


「いつまて起きているの?早く寝なさいよ。」


 ミロが声を掛ける。そういえば最近ミロは攫われてないな、という訳の分からないことをロックとルークは同時に思った。



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