初めて見た晃の・・・
〜登場人物〜
朝方雛。
早瀬雷斗。
『杉本晃・晃の彼女』
今日一日の授業が終わった。
放課後、家に帰ろうと思っていたけど、帰ってもやることがないのでどこか寄って行こうとアクセサリー屋に向かった。
「あれー?朝方じゃん」
誰かが私の名前を呼ぶ。
私は声が聞こえる方を向くとそこには早瀬君がいた。
「早瀬君!」
私は早瀬君の元へ駆け寄る。
「どうしてココに?」
「暇だから来たんだ」
「あ。私もだよ!」
「じゃぁ一緒に遊ぶか?」
「へ?」
それって¨デート¨ってこと?
「ダメか?」
「え?!う・・・ううん!別にいいよ」
私は思わず動揺。
だって・・・初めての男の人とのデートだもん!
緊張だよぉ。
その後、色々と歩き回った。
「どこ行きたい?」
早瀬君は優しく問い掛ける。
「うーん・・・。別に希望はないなぁ」
「じゃぁプレゼント買ってやるよ」
「え?!いいの?」
「ああ」
ニコッ。
早瀬君の優しい笑顔。
早瀬君は全部が優しいな。
私は早瀬君に引っ張られて女性向けの店へと連れて行かれる。
「これはどう?」
そう言いながら早瀬君は胸元がパッカリと開いたワンピースを差し出す。
「こ・・・こんなの恥ずいよ!」
私は顔を真っ赤にしながらワンピースを元の場所に戻す。
その後、何分ぐらい店の中を歩き回っただろ・・・?
そう思うようになってきた。
「お。これ可愛いじゃん!」
早瀬君が差し出してきたのは真っ白いブーツ。
雪のような感じでふわふわのブーツ。
私も可愛いと思った。
「うん♪可愛い!」
「じゃぁ買ってやるよ」
「・・・え?!」
早瀬君は無言でレジへ行き、9000円ぐらいのブーツを買ってくれた。
「はい」
ニッコリ笑いながらブーツの入った袋を差し出す早瀬君。
私はその袋を受け取る。
「あ・・・ありがとね」
「いいよ。じゃぁ帰るか」
早瀬君はクルッと出口の方を向く。
私も向いたその時、
晃君がいた。
なんでいるの?!
ココ女性向けの店だよ?!
よく見ると、晃君の横には女性が立っていた。
だ・・・れ?
まさか彼女?
その女性は美人だった。
晃君とお似合いだった。
その人がうらやましい・・・。
私はいつの間にか目に涙が溜まっていた。
「朝方?!なんで泣いてんだ?!」
「ゴメン・・・。帰る」
そう言って走った。
そこに居たくなくなったから。
幸せそうな2人を見たくなかったから・・・。