転校理由
〜登場人物〜
朝方雛。
杉本晃。
晃君が・・・なんで?!
「杉本晃です。よろしくっス」
晃君は軽く挨拶。
女子のみんながキャーッと叫ぶ。
・・・だって晃君、カッコイイもん♪
バチッ
一瞬、晃君と視線がぶつかる。
晃君は視線がぶつかった瞬間、ウィンクしてくれた。
ドキンッ
私の胸が高鳴る。
・・・やっぱり。
やっぱりまた会えた♪
昼休み、晃君の席を見たけど、そこには晃君の姿はなかった。
・・・あれ?
どこ行ったんだろ??
私は晃君を探しに教室を出た。
保健室や体育館を見たけど何処にもいない。
最後に中庭を見てみることにした。
すると、中庭の一番目立たない芝生の生えているところに晃君が寝ていた。
「晃君!」
私は思わず呼んでしまった。
「ん?」
晃君は私の声に気づき、起き上がる。
「どした?雛」
・・・雛。
ついつい顔を赤らめてしまう。
「ココにいたんだ」
「誰にも見つかりたくなかったんだ」
「あ。お前には別に見つかってもいいんだけどな」
晃君は二ッと笑う。
「ありがと・・・」
私は小さな声でボソッと言う。
「あ?なんて??」
「なんもないよーだ♪」
私はからかうかのように舌をベーッと出す。
「・・・どうしてこの学校に転校してきたの?」
私はずっと聞きたかったことを口に出す。
晃君は何秒か黙り込む。
「・・・彼女のいる学校がココは近いんだ」
「え?」
かの・・・じょ??
嘘・・・。
思わず目から涙が溢れてしまう。
「彼女・・・いるんだ?」
私の声、思わず震えてる。
これじゃ泣いてるのバレちゃう。
「・・・ああ」
「ゴメン。・・・戻る」
私は教室に向かって走った。
「雛!?」
晃君の呼び止めも聞かずに・・・。




