秘密の場所
〜登場人物〜
朝方雛。
杉本晃。
「なんでココにいるの?」
私は普通に問い掛ける。
「寝てた」
ね・・・、寝てた・・・?!
こんな真っ暗なとこで?!
すごいなぁ
「ココ・・・俺の秘密の場所なんだ」
「え?」
秘密の場所・・・?
「俺が初めてこの海に来たときに見つけたんだ。だから俺の秘密の場所」
「ご・・・ごめんなさいッ!」
私は頭を下げる。
「え?!なんで謝んだよ?」
「だって・・・、晃君の秘密の場所なのに勝手に上がり込んじゃって・・・」
私は怒られると思い、ギュッと目を閉じる。
「そんなの別に気にしてねーよ」
「・・・え?」
私は閉じていた目を開き、晃君の顔を見る。
「それにお前だったら別にいーし」
晃君は顔を赤くした。
・・・晃君って優しいんだぁ。
「ありがと☆」
私はまた満面の笑み。
癒しオーラもまた出す。
「おぅ」
晃君は耳までも赤くしていた。
可愛い・・・♪
「えっとさ・・・。 ゛お前゛ なんて呼ばないでよ・・・」
「あーわりぃ。じゃぁ ゛雛゛ か?」
・・・雛・・・
私の胸がトクンッと脈打つ。
「うん!」
私は嬉しかった。
なんでかは分からないけど、拓兄に呼ばれるよりも嬉しかった。
なんでだろ・・・?
外を見ると、もう夕日が沈みかけていた。
「やばっ!もう帰らなきゃ」
きっと2人とも心配してるよ・・・。
「そっか」
一瞬だけど、晃君が寂しい顔をしたのを私は見逃さなかった。
「・・・またどこかで会えるよ!ってか、会お!!」
私はニッコリと笑う。
「・・・だな」
私はその言葉を聞き遂げると手を振りながら洞窟を後にした。
また・・・会えるよね?