本当の気持ち
〜登場人物〜
朝方雛。
佐々紅有美佳。
杉本晃。
早瀬雷斗。
私は二ッと有美佳さんの顔を見上げる。
「私は晃君のこと好きですよ!」
そう・・・これが本当の気持ち。
付き合ってる彼氏よりも大好きな人。
・・・晃君。
いつもあなたばっかり考えてる。
頭の中はあなたのことばっかり。
誰といたか教えてくれなかった時、私の心は泣いていた。
晃君のこと、いっぱい知りたかったから。
でも・・・彼女がいるって聞いた時は涙が溢れるくらいショックだったよ。
だって・・・
あなたが大好きだから。
「・・・ッ!!」
有美佳さんは舌打ちして私をすごい顔で睨みつけて喫茶店を出て行った。
・・・これで、いいんだよね。
あ!
チョコレート!!
私は練習しなきゃいけないことを思い出し、喫茶店を飛び出した。
晃君!!
私、雷斗よりもおいしく作るからねッ!!
ーー次の日ーー
私はこの日学校。
靴を入れる為に下駄箱に立った時、背後に気配を感じた。
・・・晃君だった。
「おはよ」
私は晃君の顔を不安そうに見る。
・・・話してくれるかな??
晃君はチラッとこっちを見て、
「・・・はよ」
と挨拶してくれた。
私の顔はパアアッと明るくなった。
嬉しいな♪
「雛!おはよ♪」
この声は・・・
・・・雷斗だ!
「お・・・はよ」
「よぉ雷斗」
「おー晃」
2人の何気ない挨拶。
なんか変な空気・・・。
「じゃぁな」
晃君は私の耳元でそうささやき、先に教室へと歩いていった。
私は晃君の吐息が耳元にかかり、ビクッと反応してしまう。
晃君の吐息がかかった耳元が赤く染まり、熱くなる。
「雛。何話してたの?」
「え?おはよ って・・・」
私の顔はキョトンッとしてる。
「・・・そう」
ホッと肩を撫で下ろす雷斗。
心配してたのかな・・・??
ーー昼休みーー
私は暇だったので雷斗のいる教室へむかった。
雷斗はB組で私はD組。
クラスが別なのだ。
「らい・・・早瀬君いますかぁ??」
私はクラスの入り口に体を乗り出す。
「あれー?さっいまでいたんだけどなぁ・・・」
クラスの1人の女子が答えてくれた。
・・・いないのかぁ・・・。
私はその女子に ″ありがと″ と言ってクラスから離れた。
私はまたあの芝生へ向かった。