彼女との再会
〜登場人物〜
朝方雛。
佐々紅有美佳。
「あな・・・たは?」
私は出口前で立ち尽くす。
だって・・・だってこの人は、雷斗にブーツ買ってもらったときに晃君といた彼女なんだもん!
「まぁココで話すのもなんだから喫茶店でも行きましょ?」
晃君の彼女さんは喫茶店へ向かい、スタスタと歩いて行く。
その人をトボトボとついていく私。
・・・何言われるんだろ?
♪〜カランコロン
喫茶店に入るとドアにつけてあった鐘が鳴った。
店員さんに誘導され、窓側の席に向かい合い座る。
「ご注文はありますか?」
店員さんが笑顔でオーダーしてくれる。
「イヤ。いいです」
彼女さんは即答。
店員さんは″・・・そうですか″という感じで違うテーブルへ向かった。
「急にごめんなさいね」
「いえ!大丈夫です」
私は緊張気味のせいで張りきってしまう。
そんな私を見た彼女さんはクスッと笑う。
「私は佐々紅有美佳。いちお晃の彼女よ」
ズキッ・・・
この言葉を聞いた瞬間胸が痛んだ。
・・・やっぱり。
晃君と雷斗が言ってた ″有美佳″ って名前・・・。
彼女の名前だったんだ。
「あ・・・初めまして!朝方雛です」
「えぇ。知ってるわ」
・・・え?!
私のこと知ってる・・・?
「あのぉ・・・?なんで私のこと・・・??」
「晃に聞いたのよ」
ひか・・・る君に・・・?
何言ったっていうの?!
私は思わずうつむいてしまう。
「晃がね、転入した時あなたのことばっかり言ってたわ・・・。その時すごく嫉妬した。だって知らない女の話ばっかりするんだもん。少し・・・悲しかったわ」
私のこと・・・?
「何・・・言ってたんですか?」
私は有美佳さんの顔を見る。
「笑顔が可愛いとか、明るい子とか、いっつも俺のそばにいる ・・・とかよ」
思わず顔を赤らめる。
・・・可愛い。
そんなこと言ってくれるなんて・・・。
嬉しい!
「あなた・・・何様のつもり・・・?!」
「へ?」
有美佳さんは私をキッと睨みながら見下す。
「あの人には私っていう彼女がいるのよ?!なのに今話聞いたら顔赤くしちゃって・・・!あの人のこと好きなの?!好きなら私あなたの事恨むわよ!」
・・・ッ。
私は・・・晃君のことが好き・・・。
でも・・・
今、雷斗という彼氏がいる。
私は・・・どっちが好きなの・・・??
「ねぇ!どうなのよ!!」
有美佳さんは下を向いてる私にイライラしているようだ。
「私は・・・」
ボソッと口に出す。
私の気持ちは・・・!