チョコレート
〜登場人物〜
朝方雛。
早瀬雷斗。
『女性』
それからは早瀬君のことを《雷斗》と呼ぶようになった。
「雷斗」
「ンー?」
私は学校の帰り、いつもどおり雷斗と帰っている。
私は雷斗の顔を見る。
「バレンタインチョコいる?」
「はぁ?あ・た・り・ま・え・だ・ろッ!!!」
そう言いながら私の額にデコピンする。
私は痛くて額を手であおう。
デコピンされた額がジンジン痛む。
「で?くれんの?」
ズイッと顔を近づけてくる雷斗の顔。
私は思わずドキッとしてしまう。
「あ・・・あげるよ!当たり前だよね。あははっ」
私は照れ笑い。
そんな姿を見て雷斗はクスクス笑う。
「ありがと☆」
雷斗は私の前髪をかきわけ、額に軽くキスをした。
痛かった額が、今度は熱く火照る。
バレンタインデーは明後日。
それまでに完成させなきゃ!!
私は雷斗と別れるなり私服に着替え、財布を持ち、家を飛び出す。
私服と言っても普通の白いシャツの上に灰色のパーカーをはおい、ジーパンにショートブーツ。
普通の私服だ。
私が向かった先はcoop。
そうcoopには今、バレンタインデーのため、チョコなどのバレンタインデーに使う器具等を売っている。
私は友達と雷斗、あとは・・・。
・・・゛晃君゛・・・。
頭の隅にこの名前がよぎった。
な・・・なんであの人に渡さなきゃなんないのよッ!
思わず顔を赤らめる。
この気持ちを忘れる為に雷斗と付き合ったのに意味無いじゃない・・・。
・・・でも・・・
結構・・・晃君には世話になったしな・・・。
義理チョコで渡せばいーんだ!
頭良い♪
私は晃君の分のチョコをカゴに入れる。
その他、器具などもカゴに入れ、レジでお金を払った。
よ〜し!
全部買ったし。家帰ってチョコ作りの練習しますかぁ!!!!
そう思い、ルンルン気分で出口に出ようとした時、
「朝方・・・雛・・・さん?」
女性の声が背後から聞こえた。
振り向くと見覚えのある人が・・・。