真実
〜登場人物〜
朝方雛。
杉本晃。
早瀬雷斗。
「ってか、こんな事聞きに来たのか?」
晃君は普通のことみたいに聞く。
「え。あ・・・違う!」
「何?」
聞いていいのかな・・・?
ってゆーか、いざ 聞く ってなったら緊張するんですけど!
「・・・えっと」
思わず動揺。
「えっとじゃ分かんねーよ?」
「昨日のあの女の人誰なの?!」
いっ・・・ちゃった。
私は下を向く。
「なんで知ってんの?」
「昨日、早瀬君といたら偶然見ちゃって・・・」
「雷斗・・・と?!」
晃君はクルッと早瀬君を見る。
キッと睨んでるようだった。
「なんで睨むんだよ。どーせお前だって有美佳ちゃんといたんだろ?」
有美佳・・・?
誰それ・・・?
まさか彼女の名前?
晃君はクルッとこっちを向く。
「お前だって雷斗といたんだろ?俺だって誰といたっていーだろ?」
なに・・・それ・・・
だんだん怒りが込み上げてくる。
「早瀬君関係ないじゃん!」
「・・・ってかさ、なんで言わなきゃなんない訳?」
・・・そんなに言いたくないの・・・?
そう言いたい。
でもきっと喧嘩になっちゃう。
「じゃぁ・・・どうして言ってくれないの?」
私はおそるおそる晃君の顔を見る。
「言いたくねーから」
即答する晃君。
「・・・どうして言ってくれないの?」
そうだよ。
いつも何も言ってくれない。
晃君の事聞いたのは洞窟のことぐらいだ。
ひどいよね。
彼女いるからって・・・。
「彼女」
「え?」
「彼女といた」
「・・・」
思わず黙り込む私。
「言ったけど?」
・・・やっぱりね。
そうだと思った。
「・・・彼女美人だね」
「ああ」
「お幸せに」
そう言いながら私は手を振り、2人と別れた。
そう・・・だよね。
私より彼女優先だよね・・・。
涙が込み上げてくるのをこらえる私。
これぐらいでバカみたい。
「朝方!」
後から私を呼ぶ声が聞こえる。
振り向くと早瀬君が私を追い駆けて来ていた。
「早瀬君・・・?」
「お前・・・晃のこと好きなのか・・・?」
かああっ
思わず顔を赤らめる。
でも正直に私はうなずく。
「・・・俺じゃ、アイツのかわりのならねーか?」
「・・・へ?」