海へLet´s go!!!
〜登場人物〜
朝方雛。
雛の兄・朝方拓巳。
雛の姉・朝方絢紗。
「行ってきます」
私は恐る恐るドアを開ける。
しかし、ドアの前にはすでに男達がズラッと並んでいた。
「行ってらっしゃいやせ。お嬢!!」
そう私の家はヤクザなのだ。
私は18代目。
まぁいちお喧嘩は得意だし、キレると顔が怖いって言われるし・・・。
いちおヤクザには向いてるんだけどね。
ガチャッ
1人の男が車のドアを開けてくれる。
私はその男に一礼して車に乗り込んだ。
ブロロッ・・・
男がドアを閉めたとたん車は動き出した。
今日は海へ行くのだ。
まぁ、拓兄と絢姉と私だけだけどね・・・。
「雛♪新しい浮き輪買っといたからな」
私の世話をしてくれる拓兄はニッコリと笑いながら顔を後に向ける。
私実はカナヅチなんだよねぇ・・・。
「雛。今日は海でカッコイイ男見つけんだよッ!」
少し男っぽい絢姉はガッツポーズをしながら白い歯を見せる。
2人とも私の心配しすぎだし・・・。
「わ、分かってるよ!二人とも私のことよりも自分の心配して?ね?」
毎回のことながらも苦笑いの私。
2人はシュン・・・としながら前を向く。
拓兄は海に入ると自分が自分じゃなくなってナンパしまくったり、海を泳ぎまくったりするし、絢姉は自分には全然彼氏を捕まえる気配ないのに私のことばっかだし。
心配してくれるのは嬉しいんだけど自分のことを考えろっての!
約20分で海に行く為の駐車場に到着。
私達は車から降りる。
「わぁー!海きれ〜い♪」
私は駐車場から見える海を眺める。
「あんまはしゃぐなよ!」
拓兄が頭をポンッと叩く。
「わかってますよ〜」
私はほっぺをプウッと膨らませる。
そのほっぺを絢姉が突付き、ケラケラと笑う。
拓兄は私の浮き輪と自分の荷物と私の荷物、絢姉は自分の荷物を持つ。
私は拓兄が荷物を持ってくれたので手ぶら。
2人ともあたしのためだと思ってくれてるんだよねぇ。
「ありがと☆拓兄」
私はニッコリ。
満面の笑みをする。
ひそかに癒しオーラを出す。
「雛は可愛いなぁ♪さ。行こっか!」
拓兄は私の手をギュッと握って引っ張る。
「あ〜ん!置いてくなぁッ!!!!!」
絢姉は困った顔をしながら私達を追い駆けて来る。
私たちは浜に着いた。