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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第一章 始業
5/149

5

 あ、さっきの……。俺は四つ折りにしてある白い紙を広げた。


『六日目になりました。マイナス1ポイントです。』


なんだコレは……。


グシャグシャとその紙を丸めてポイッとゴミ箱の中に放り込んだ。そして俺はいいアイディアを思いつくのだった。



 新しく買ったこのゲームソフトを24時間で全クリすることを目標に決めた。でも、24時間って言っても勿論アルバイトとか学校の時間は覗いてだが、とにかくこのゲームをやっている時だけの時間の事だ。


 そう決めて冷蔵庫に貼ってあるキッチンタイマーを拝借しにいき、早速ゲームを開始した。一面は簡単なんけど、進んで行くうちに難しくなるんだよな……ふぅ。

しかし!負けるもんか。


 夜にゲームをするのは、実に身体によくない。

 気が付くと時計は真夜中の2時であった。

    

  まだまだ体力があるこの俺だから大丈夫さと自分に言ってみるも、眠い物は眠い。


 高校で授業中に寝てしまう事、しばしば。


 こんな俺を誰か救ってくれ!


「関谷君、だーい好き」可愛子ちゃんにそう言われ、ドキドキする俺。

「俺も……」


「関谷君、関谷君てば」

「ん……んんっ……」


「これ、現国の教科書落ちたよ」……なんていう事だ、俺は夢の中で現実では出来ない願望を叶えていたのか。


「ごめん」


「最近、ずっと寝てるね。早く寝た方がいいんじゃない」前の席の川嶋さんが心配そうに言ってくる。


「そうだね、今日は早く寝るよ」そう言って俺は頭を掻いた。


              *


 学校から家に帰り、何気なくポストを開けると四つ折りにされた白い手紙が入っていた。


 その場で開けてみると『11日目になりました。マイナスポイント計2点です』と書いてある。


 「はーあ、マジなんなのよコレ。マジうけるし」家の中に入り、「お母さん赤いハンカチどこにやった?」と私は聞いた。


「赤いハンカチ?」


「そうそう、ほらあったじゃん、子供のイタズラのやつ」


「あーあれねえ、捨てるのもなんだから、一応洗っておいたけど…?これでしょう?」そう言って母は引き出しからハンカチを出して私に手渡した。


「ふーん、なんか偉い色がうすくなったね」


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