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ドロップド・ハンカチーフ  作者: 大和香織子
第一章 始業
18/149

18

 椅子に座り、大あくびをして、納豆をかき混ぜる。50回以上はかき混ぜないと。


「オカン卵は?」

「ごめん今日は切らしているのよ、後で買ってくるわね」


 卵かけごはんにしようと思たのだが、主役がないんなら仕方がない。

 鮭にしょうゆをかけて口の中に入れすぐにご飯も頬張る。やっぱり朝はご飯に限るよな。


「今日はオトンは?」

「ゴルフに行ったわよ」


「姉ちゃんは?」

「千恵はサラダだけにするって言って、お風呂に入っているわよ」


「朝っぱらからいい気なもんだね」

「亮介~なんか言った?」その声は…振り返るとガウンを着た姉貴が立っていた。


「ななななな……なんにも言っていないです。オカンごちそうさま」

 俺はそう言うと、さっさと二階に上がった。

 ふ~危なかったぜ。


 ハンカチも無事におさらば出来たわけだし、ゲームでもするか。でもこのゲームも最近は飽きてきたよな~そういえばあの仲間を探しに行くゲームあれ面白いとかって聞くけど、あれを買いに行くとするか。


 店が開くまでは何するかな~、本棚から週刊漫画を取り出し読み始める。


 が、気が付くと11時前だった。俺って本読むと必ずと言っていい程眠くなるんだよな~。


 さてと、店も開いた事だしソフト買いに行きますか。財布をズボンのポケットの中に入れ階段を下りる。


「亮介~どこか出掛けるの?」オカンが台所からバタバタと足音立ててやってきた。


「うんまぁちょっと」

「ちょうど良かったわ~」


「え?ちょうどいいとは?」

「亮介~ちょっと待ってて」オカンはそう言うと台所に入るとすぐに戻ってきて、手には財布と買い物袋を持っている。


「なに?」

「亮介、悪いけど帰りでいいから買い物してきてくれない?」オカンは財布から白い紙と千円札を一枚取り出して俺に渡した。


「…オカンが行けば?」


「亮介ありがとね、いつも助かるのよ。亮介が手伝ってくれるだけで全然違うんだから。買って来て欲しい物は、白い紙に書いてあるからね。おつりはあげるから。そうだ袋、最近無料でくれない所が多いから、この袋持って行ってちょうだいね、じゃあいってらっしゃい」


「……」まったくオカンときたら。


 玄関を出て、自転車に跨る前にポストを確認。よし、何も入っていない。

 それを見て安心した俺は、自転車に跨り家から自転車で20分程の所にあるゲームショップへと向かう。


 カンカンカンカン____。

踏切がなかなか開かない。


「あれ?関谷君じゃない?」


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