14
「そうよ、亮介の部屋の室外機夜中まで回っている音が聞こえてくるもの。そう言えば最近五千円もらってないわね、今月は支払ってもらいますからね」
うっわーなんで?なんでそうなるんだよ?
「オカンんそんなの俺だって限らないじゃん?姉貴かもしれないじゃん?それに姉貴なんか電気代払ってるとか何とか言って500円しか払ってなかったくせに、なんで俺だけその10倍なんだよ」
「亮介~あんたの電力無駄遣いのせいなのに関係ない千絵まで巻き込むのやめてよね」姉貴の声だった。
うわ~出たよ出たよ、モンスターめ!逃げるが勝ちだ!
俺はそれ以上異論を唱えるのは当然やめにして、風呂に入るとすぐに上へと上がった。暑い。汗がしたたり落ちてくる。
エアコンのリモコンを手に取りスイッチを入れようとした途端、誰かがドタドタと階段を上がってくる音が聞こえる。
ううっ。スイッチを入れようとする手が急に固く重くなる。
やめた。リモコンを床の上に置き、代わりに扇風機をつけた。
スイートマイルームを持って一年だが、オトンは海外に行くしよ、俺以外は女ばかりで、なんか戦になった時には勝ち目がないっていうかさ。
なんていうかねー、一言言おうものなら100倍になって返ってくるんだから、女って怖いっていうか、面倒っていうかさ。
しかし、こんな女がやたら強いって言うのは家系なのかね?他の家では男の方が強かったりするのかね?家の中に味方がいないって言うのも辛いよな~。まぁさオトンがいた所で、オトンだって弱いっていうかさ、がみがみうるさい女どもには刃が立たないって感じなんだよな~。(どなたかお仲間いませんか?お互い災難ですな)
ガチャン。外から自転車が倒れたような音が聞こえる。
ん?んなんだ、何事だ?立ち上がり窓から下を見る。自転車に乗った人が過ぎ去って行くのが見える。
まさか!?すぐに階段を下り鍵を開けて玄関を出る。そしてポストを開くと黄色いハンカチが入れてある。
そして黄色いハンカチを見ると赤いシミ、血の付いた様なものがワンポイントの模様の様にしてついていた。
ん?これは血か?
背中がゾクゾクっとしてきた。
さっきの喧嘩も黄色いハンカチのせいか?そんな気がして気分が悪くなった。
ふと視線を感じ顔を横に向けると、ゴミを出しに来た人がこちらを見ていて俺がそれに気が付いたときにはその人は目線を逸らした。




