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「…いいけど」
「じゃあアドレス見せて?」
「いいけど…」
「####44A@i.softbank.jp」
「へぇ~ソフトバンクなんだね、一緒だよ。じゃあEメールでおくれるね番号も教えてよ」
「えっと番号は、123―4567―8910」
「ありがとう、早速送るから登録しといてね。よろしくね~ん」
……川嶋さん何で俺のアドレスなんか聞いてきたんだろう。
俺は床にある携帯を手に取ってベットの上で横になりながら送られてきたメールを眺めた。
今までアドレスなんか聞かれた事なんかあったか?いや~皆無だな。
もしかして俺って寂しい人生なのか?(誰だ?今深く頷いたのは)いや、俺は満足しているぞ、自分に生まれたことに。
今だって長年の夢叶って姉貴と別々の部屋が出来て俺は好きな事が出来ているんだぞ、幸せじゃーないか!
はぁ……なんか切ねーな。
やっぱりゲームもう少しやるとしますか___。
テレビに向かってリモコンを押してゲームの電源もつけて~さぁやりますか。
よしっ!気合を入れた瞬間にチャラチャラチャラチャチャ~と携帯の着信音が鳴り響いた。
こんな時間に誰だよと思いながら携帯を取り出す…川嶋さんからだった。
「もしもし…」
「あっもしもし関谷君いきなりごめんね起きてた?」
「起きてるけど…何?」
「関谷君さ~メール見てくれた?」
「メール?」
「やっぱりね~見てくれてなかったんだ」
「あっごめん、送ってくれた?」
「そうよ、送ったわよ~でも返信ないし無視されてんのかなって思って」
「無視?いや、ごめん本当に気が付かなかったんだよ」
普段メールだなんて面倒くさい事はしない俺……(誰だよ今送信されてこなからだろうって言ったのはよ)
俺だって、俺だって、俺様だってメールの受信欄はいっぱいなんだぞ!(それは迷惑メールや楽天からのメールだろ、どうせ)……そ……そんなこと……そそそそんな事何故バレてんだ___。
「良かった、無視されてるんじゃなくて」
「なに?なにかあった?」
「ううん別に何もないんだけど…返信もないし…どうしているかな?って思っただけ」
「……そう……なんだ」
……何も用事がないのに電話してくるか?普通。電話って用件があって掛けてそれが終ったらすぐ切るよな?
こういう特に用件がない場合ってのはどうしたらいい?




