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「本当にすみません、もう少しで免許とれそうなので、免許を無事に取り終えたら、またしっかり働かせて頂きますので、本当にすみませんでした」
「そうか、まぁ。あれだよ関谷君。君は今日は12時45分からだよ?」
「え?どういう事ですか?」
「だから縞々さんと交代してもらっただろ?縞々さんは12時45分から出だったんだけど、あれ?僕言ってなかったっけ?」
「え、俺きいてないっすよ~」そういいながらヘナヘナとその場にしゃがみ込んだ。全身の力が全て抜けきってしまったようになりながら。
「ごめん関谷君があんまり真面目に言うもんだからからかいたくなっちゃってね、まぁまだ時間あるけど、どうする?今から出てもらってもいいし」
「……店長、俺マジで焦りまくったじゃないですか~」
「ごめんな。で、どうする?」
「今から出ます」ジロリと睨みながらそう答えた。
日曜日だけあって、ざすがに忙しい。まぁその方が時間が経つのが早くていいのだが。
しかし、朝ご飯を食べていないプラス昼ごはんも食っていないで、15時を回った頃には腹がグーグー言い出した。
売り場をあちらこちらと行き来していると「関谷く~ん」そう言って川嶋さんが手を振ってこっちにやってきた。
「あれ?どうしたの、買い物?」
「ううん違うの、顔見に来ただけ。昨日は本当にどうもありがとう」
「いや、こちらこそ」
「頑張ってるね。そんな関谷君にご褒美。ハイこれ」
渡されたビニール袋を開けて中を見ると、そこには俺の好きなコンビニのウインナーパンとサンドが入っていた。
「わ、腹減ってたんだよ、ありがとう」
「いつもご馳走してもらってばかりじゃ悪いからね、じゃあバイト頑張ってね」
「うん、これでガッツリ気合が入った頑張れるわ俺」
「よかった、じゃあ私今から買い物に行くからまたね」
「おう、気ぃつけて」そして川嶋さんは買いものへと向かった。
手に持ったパンを休憩室に持って行って、そのまま休憩を取らせてもらう事にした。今日は19時まで仕事で、それまで腹が持つか心配だったが、さすが俺のかわいこちゃん。
きっと赤い糸もだが、テレパシーみたいなので俺の求めている心の声が聞こえているんだろ。
そして食べ終わり愛と腹ペコを充電したところで、すぐに仕事に戻り真面目に働いた。
バイトが終わり自転車で帰っていると並木通り沿いで見覚えのある三人組がいた。それはすぐに例の美人三姉妹であることに気が付いた。
向こうは俺の存在すら知らないのもあってこちらを見てもその辺の知らない人を見る目と一緒だった。これからどこかへ出て行こうとする三姉妹とこれから家路HW急ぐ俺とすれ違う時に「なんでお父さんが」そうやって言って嘆いている声がチラッと耳に入った。
三姉妹の服装はどう見ても礼服だし。
そして次の瞬間今朝の事を思い出した。誰か亡くなったって手紙来てたんだっけ。もしかして……、慌てて家に帰り部屋に置きっぱなしにしてある手紙を開いた。




