第四話 変態と学園長と無限学園
前回のあらすじ【結希編】
響子と共に悪の大魔王を倒した真城結希は満月の夜に響子を呼び出した。
結希
「響子……君が好きだ! 愛している! 結婚しよう!」
響子
「はい! 結希様!」
こうして二人は結ばれたのであった!
天城
「いやいやいやいやいやいやいやいやいや!!!!!! 全然違うし!! 前回はこんな内容じゃなかったぞ!!!」
結希
「はぁ……こんな展開になったらいいのにな……」
天城
「お前の勝手なイメージを押し付けるな!!」
結希達が居る町から少し離れた場所に大きな学園がある。
その学園の敷地は東京ドーム五個分くらい広さを持ち、様々な施設がそこにある。
巨大な学園の名は、無限学園。
どこの学園よりも一番変わっている学園と呼ばれている場所である。
その学園の校舎の長い廊下を歩いている一人の少年が居た。
髪は銀髪、顔はまあまあイケメン……っと言えるのだろうか。
体格や身長等はいたって普通の学生と変わらない、普通の男の子だ。
彼の名前は天堂恭介、この無限学園ではかなりの有名人で生徒達の中で彼を知らぬ者はいない。
この学園の生ける伝説であり、この作品のもう一人の主人公……変態主人公である!!
もう一度言うぞ……!
変態主人公である!!!
「二回も言うな!! ていうか俺は変態主人公じゃねえよ!!!(怒)」
《恭介視点》
やれやれ……なぜ初っ端から大声でツッコミを入れないといけない事態になるんだ……?
ていうかはっきり言っておくぞ?
俺は変態じゃないからな!!
さて、言いたいことは言ったし、自己紹介をするか。
久しぶりの方は久しぶり! 初めましての方は初めまして!
俺の名前は天堂恭介。
この無限学園に通う、とても真面目で優しく、優等生であり、イケメンランキング第一位を誇るかっこいい主人公だ。
ちなみに嫁はフ○イトさんである。
……今、「今年最大の嘘ありがとう!」とか言った奴前に出てこい。
……まあいいや、俺こと天堂恭介は現在、ある部屋に向かって進軍中である。
その部屋に居る、この学園の主に会いにいくために。
だが言っておく、俺は別にそいつに会いたいというわけではない。
俺がこうして向かっているのも、そいつに呼び出されたからである。
……正直言うと、あまり会いたいとは思わないんだよなこれが。
そうこう思っている間にその部屋にたどり着いた。
目の前には自分の身長の倍くらいある大きな扉があり、その扉の上にある表札には『学園長室』と書かれている。
そう、俺が会おうとしていた人物は、この無限学園の学園長である。
しかし正直に言うと俺はここの学園長は苦手である。
まあその理由は後に分かるから置いといて、とにかく入ろう。
コンコン
ドアをノックして、中にいる主に来訪を知らせる。
すると中から、
『誰?』
声が聞こえた。女の声である。
「俺だ」
『あ! 恭介? 入って入って♪』
俺は扉を開ける前に、扉の前で大きく深呼吸をする。いつもこの扉を開ける際に必ずやる行為だ。
扉のドアノブを掴み、それを回してゆっくり扉を開け、中に入って行く。
学園長室の中はまあまあの広さだ。無限学園の全体がよく見える大きな窓ガラスがあり、その手前には仕事の際に使う大きな机が置いてある。周りには大事な資料を保管する本棚が多数あって、中央にはお客様が座る大きなソファーが四つ、囲むように置いてあった。学園長室らしい部屋だ。
「あ、恭介いらっしゃ~い♪」
突然声をかけてきた人物は、中央のソファーで……寝転がりながら、携帯ゲーム機をやっていた。
学園長室でなにやっているんだと心の中でツッコんだ。
その人物は女の子だ。肩まで伸びた茶髪、アイドルのような可愛い顔立ち、歳は俺と変わらない。
その女の子はゲームをやりながらチラッと俺の方を見て、再びゲームの画面に視界を戻した。
彼女の名前は千堂由美、信じられないだろうが、この無限学園の学園長なのだ。
外見は美少女なのだが、中身は悪魔。
イラついたり、怒ったり、腹が立ったり、つまらないといったとき、何故か知らないが俺を殴る蹴るといった暴力をすることがある。
酷いときにはチェーンソーを振り回すときがあった。あれは死ぬかと思ったよ……。
「恭介いらっしゃい♪ まあとりあえずそこに座ってよ♪ 今、ラギ○クルスの討伐で忙しいから--って、回復薬グ○ートが無い!?」
人を呼びだしておいて、モン○ンで忙しいから待てとは……。
相変わらず常識外れの学園長だよ……。
仕方なしに、モン○ンが終わるまで待とうと、ソファーに座った。
だが次の瞬間、俺はとんでもないものを見てしまった。
「この! 当たれ!」
由美の今日の服装は白いシャツに黒いスカートだった。
そして由美はゲームに夢中になっていて気づいていないが、ソファーで寝転がっていたから黒いスカートがズレてしまい、チラッと白い……あ、あの……布が見えてしまった///////
ていうか詳しく説明するのが恥ずかしい!!
「わ! 電撃が当たって痺れちゃった! まずいよまずいよ!」
こっちもまずいよまずいよ!
恥ずかしがっている場合じゃない! 由美のスカートからあの白い布が見えてしまっているからまずいよ!
いや……落ち着け天堂恭介! ここは冷静に考えよう!
まずは状況を再確認しよう。
場所は学園長室、由美と俺の二人っきり、由美のパンツが見えている。
ここで俺が取るべき選択肢は……!
①パンツが見えていると正直に言う
②黙っている
③黙って由美のパンツをガン見する
④襲う
あれ!? ③と④の選択肢おかしくない!?
③と④を選んだらまずいだろ!!
特に④とか選んだら警察沙汰になっちまうよ!
いやいやいやいやいやいや! 待てよ!
意外にもこの選択肢の中にグッドエンディングに繋がる結末が待っているのかもしれない!
冷静に……イメージして考えてみよう。
イメージするんだ……。
俺があの選択肢を選んだら……。
《選択肢①》
「由美……パンツが見えている」
「へ……? きゃあああああああ!!!! 恭介のエッチ!!」
「ぎゃあああああああああああああああぁぁぁぁーーーー!!!!!!」
バッドエンド
《選択肢②》
「……………………………」
10分後
「終わった~♪ さて恭す--ってきゃあ!! スカートがズレて……! 恭介なんで言わなかったの!? 最低!!」
「ぎゃあああああああああああぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!!!」
バッドエンド
《選択肢③》
「じ~~~~~……」
「…………? 恭介? ……ってきゃあ!! どこ見てんのよこの変態!!」
「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!」
バッドエンド
《選択肢④》
「由美!! 大好きだああああぁぁぁぁーーーー!!!!」
「きゃあああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!! とうとう本性を現したわね! この鬼畜変態がっ!!! 死ねっ!!!」
「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!!」
バッドエンド
……ってどの選択肢もバッドエンドに繋がるじゃねぇかぁぁぁぁーーーー!!!!!
「あ! 弱ってきた! よ~し、あともう少し!」
やば~い!! ラギ○クルスの体力がやばくなって、もう少しで由美の狩りは終わってしまうよ!!
なにやっているんだラギ○クルス!! もうちょっと頑張れよ! 俺の思考時間を稼いでくれよ~!!!
いったいどうすればいいんだぁぁぁぁーーーー!!!!!
「恭介? なに悩んでいる顔になっているの?」
由美がゲームをしながら、こちらに顔を向けていた。
ていうか俺って考えていることが顔に出るタイプなのかな?
「な、なにも!!」
「ふ~ん……」
またゲーム画面に視線を戻す由美。どうやらスカートがずれていることにまだ気づいていないみたいだ。
だが、まだ気づいていないのなら好都合。今のうちにこの最悪の事態を回避する策を考えねば……。
考えろ……考えろ……考えろ……考えろ……考えろ……考えろ……考えろ……考えろ……考えろ……考えろ……考えろ……!!
「よし! ラギ○クルス討伐完了!! ふ~……終わった♪」
終わった……終わったね……。
由美の狩りが終了した瞬間、俺の人生も終わったのだ。
さて……由美の下着を見た俺はどんな最期を迎えるのかな……?
やっぱりチェーンソーの惨殺刑かな……? それとも24時間拷問祭り……?
俺の脳内では由美によるバッドエンドのイメージが浮かんだ。拷問され、惨殺され、バラバラになった俺の死体を背景に『BADEND』という文字が現れ、タ○ガー道場とかいう訳の分からん道場で……って、違うゲームの話じゃねぇか!!!
「よいしょっと!」
由美がソファーから立ちあがった。
俺は覚悟を決めたが、ここで奇跡が起きた。
由美が立ち上がった拍子に、スカートのずれが直り、下着が見えなくなった。
しかも由美は、
「恭介お待たせ♪ お菓子出すからちょっと待っててね♪」
どうやら気づいていない。スカートがずれていたことも、下着が見えていたことも、全部気づいていないのだ。
ああ……どうやら今作の俺は、とても運がいいみたいだ!!
前作を見てない読者は分からないから教えておこう。自分で言うのもなんだが、俺は生まれつき運が悪い。そのせいか、酷い目に散々遭ってきた。だが今作の俺は超運がいい!!
「どうしたの恭介? 嬉しそうな顔をして?」
「なんでもないよ♪」
「ふ~~ん……」
ふはははははは!! 今作は俺の時代だ!!!
「ところで恭介、今日のお菓子はどら焼きなんだけど、普通の餡子が入ったどら焼きと白餡が入ったどら焼き、どっちがいい?」
「うん? え~っと……じゃあ白餡で」
「白餡ね♪ ふふ♪ 白を選んだのって、私の下着が白だから?」
「ああ、そうなんだよね♪」
「ふふふふふ♪ もう、恭介ったら♪」
「アハハハハハハハハハハハハハ♪」
「フフフフフフフフフフフフフフ♪」
あ れ ?
「……やっぱり、見たんだね♪」
「あ、あの……由美? あの……由美……さん……?」
「見たんだ♪ 見たんだ♪ ふふふふふふふふ……♪」
こ、こやつ……! 気づいていたということか……!!
ゲームに集中していたから気づいていなかったと思っていたが、もうこいつは気づいていたんだ! 自分のスカートがずれていたことも、俺が由美の下着を見てしまったことも!
や、やべ……!
「ゆ、由美! ち、違うんだ!! あれは神の悪戯、因果律が狂ってしまった結果だ!! 俺はなにもしていないし、今回のことで俺がお仕置きを受ける理由はない!!! 断じて!!」
「ねえ恭介? 恭介って、もしサスペンスドラマで殺される役を演じるなら、惨殺されるのと、撲殺されるのと、毒殺されるのと、絞殺されるのと、どれの死に方がいい? あ、べつにこれはあなたのお仕置き方法を決める参考にする訳じゃないから」
嘘だ……。俺が好きな殺され方を言えば、必ずこいつはその方法で俺をお仕置き……いや、殺しにくるに決まっている。
「……死にたくないです」
「もし殺される役になったらの話だよ♪」
「そんな役は拒否します」
「そうか♪ 恭介は惨殺が好みなんだね♪」
「俺の話聞いてる!!?」
「聞いてるよ♪ 一割くらい」
「ほぼ聞いていねえじゃねぇかっ!!!」
ヤバイヤバイ!! このままじゃあ殺される!!
殺される前に逃げようと思い、出口のドアに向かった。由美はお菓子を取り出そうとしているみたいだが、恐らくお菓子ではなく俺の処刑道具を取り出しているんだろう。由美がそちらに集中している隙に逃げ出そう。
ガチャ! ガチャガチャ!
あり?
鍵が……掛かっている……?
「そういえば最近物騒になってきたから、この部屋のドアをオートロックにしたんだ♪ 開けた後閉めたら鍵閉まる仕組みになっているんだよ♪」
NOoooooooooooooooooo!!!!!!
「さてと、これで準備OK!」
ブオオン! ブオオォォォォン!!
なんだ……? このとても嫌な機械音……まさか……!
俺が振り向くと、由美が笑顔でこっちを向いていた。
言っておくが、由美の笑顔は正直に言うと可愛い、まるでアイドルのような、こっちが癒されそうな、そんな安らぎの笑顔なんだ。
そう、正直言うと、俺は由美の笑顔は好きだ。大好きだ。
そして正直言うと、俺はチェーンソーを持ちながら、目が笑っていない由美の笑顔は嫌いだ。大嫌いだ。
ちなみに現在の由美の由美の笑顔は大嫌いな方の笑顔だ。もちろんチェーンソーを持っている。
「見て見て! 新作の記念に新しく買ったチェーンソーだよ♪」
「どら焼きはいずこに!!?」
「どこぞの猫型ロボットが持っていちゃった♪ てへぺろ♪」
あ、今のてへぺろ可愛い。じゃなくて!!
まずいよまずいよ!!!!
「さて、お約束の展開♪ ……死ねコラァァァーー!!!!」
「ぎゃあああああああああーーーー!!!!」
由美の表情が笑顔から怒りの表情に変わった瞬間、手に持っていたチェーンソーを振り下ろした。
俺はとっさに避けた。避けた後、俺の座っていたソファーが真っ二つに切れた。
「ちっ!」
「舌打ち!? ちょっと由美!! キャラが完全に変わっているよ!! 初めてお前を見た読者がドン引きするぞ!! ていうか今の、避けなかったら俺死んでいたぞ!!」
「キャラがころころ変わる奴なんてそこら辺にいっぱいいるじゃない。それに恭介はゴキブリ並の生命力なんだから大丈夫でしょ」
「主人公をゴキブリ扱い!?」
「うるさい死ね!! 下着を見た罪で極刑よ!!」
「下着を見ただけで死刑!? そんなんで死刑になるんなら、いろんな世界のラッキースケベな主人公達はどうなんだ!? 中には裸を見た奴だっているんだぞ!!」
「そんな主人公も死刑よ!! 極刑よ!! 拷問よ!! 虐殺よ!!!」
「なんて無茶苦茶な!!」
突然ですがここでお知らせです。過去にラッキースケベな展開、気になるあの子の下着を見たり、誤ってあの子の裸を見たスケベな主人公の皆さん。けして由美の居る学園、無限学園に来ないように。由美にばったり出会って、死刑、拷問、虐殺されても、主人公天堂恭介は一切責任は取りません。
「おらあああああああああああぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!!」
チェーンソーを振り回す由美は美少女キャラが完全に崩壊している。そこに居るのは恐ろしい悪魔、いや魔王だ。
学園長室の中で逃げ回る俺であったが、壁に追い込まれてしまい絶体絶命のピンチ。
マジでヤバイ……!!
「きょ~う~す~け~……!!」
「ま、待て由美……!! ごめんなさい!! ごめんなさい……!!」
何度も何度も土下座で謝る俺であったが、由美はそんなことはお構いなしにチェーンソーを振り下ろす。
もうダメだ!! ……と思ったが、いつまでたっても痛みが来ない。
目の前を見ていると、チェーンソーは俺に当たる寸前で止まっている。
「ち、ちなみにさ……聞くんだけど……」
由美は俯いていたので、その表情を伺うことができなかった。
しかし、その言葉の中になにか恥じらいのようなものを感じた。
「わ、私の下着……を見て……ど、どう思った……? ……か、可愛いとか思った……? そ、それとも……あ、あの……その……へ、変な気持に……な、なったとか……?」
……由美はいきなり何を言い出すんだ?
いや待てよ。これはもしかして俺を試しているのではないか?
もしここで俺が変態発言を言ったら、お仕置きという展開に繋がるかもしれない。
なれば攻略は簡単だ。変態発言ではなく逆の言い方をすればいい。
すなわち、
「お前の下着を見た感想? とくになにも」
「……なにも? なにも感じていないの!?」
「ああ、むしろ子供っぽい下着だからもっと大人っぽい下着を穿けよ」
勝った! これで俺はお仕置きを受けない!!
俺の勝利だ!! どうだ由美! 少しは見直しただろ!?
「なにも感じない……子供っぽい……? ……恭介の……」
ん? 由美?
なぜ震えているんだ?
ん? なぜだろう? 俺の不幸センサーに反応が。
すごく……嫌な予感が……。
「あ、あの……由美……?」
「……恭介の……」
「ん?」
「スーパー鈍感朴念仁変態主人公恭介のバカ野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーー!!!!!!!」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
バキィィィィン!!
由美に思いっきり殴られた俺の体は、吹っ飛ばされ、窓ガラスを突き破り、天へと舞った。
俺の体が宙を舞っている……。まるで天使になったようだ……。
それにしても……今日も平和だな……。
これがいつもの俺の日常である……。
《結希視点》
『ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!』
バキィィィィン!!
ん? 人の叫び声と、なにかが割れる音が聞こえてきたけど……。
気のせいか。
それにしても……。
「で、でか……」
この町に引っ越して二日目の朝、今日は新しい学園の転校日だ。
新しい学園の名は無限学園、ずいぶん変わった学園だなと内心思った。
いったいどんな学園なんだろう……? 苛めとか無ければいいんだけどな……。
そんな不安な思いを持ちながら校門をくぐる。
不安といえば、今朝出かけるときに母さんが、
『いい結希! 気をつけて行きなさいよ! あ、それと学園長になにかされたら警察を呼びなさい! いいわね!?』
と言っていたが、心配しすぎじゃないかな?
特に学園長には気をつけろってどういうことだろう?
まあ実際に会えば分かることか。
さて、問題なく学園生活を送りたいなと思いながら学園内を歩くこと1分、さっそく問題が発生した。
『ねえ、見てあの子』
『あら、見かけない子ね』
『ていうか可愛い!』
『女の子? でも男の制服を着ているみたいだけど』
『あ、新しい同人誌の新たなネタになりそうな子だわ!』
『男の娘だと!?』
転校してきたばかりだから僕のことを知らない人達がじろじろと僕を見ている。
これだけ視線が集中されると、はっきり言って歩きにくい。いや、恥ずかしい……。
「うっ…………」
これ以上ここにいると恥ずかしさのあまり死んでしまいそうだったので、その場から逃げるように立ち去った。
人があまりいない場所まで逃げてきた。
その場所は庭園だった。周りには綺麗な花が咲いており、庭園の中央には噴水があって、とても綺麗な場所だった。
「学園内にこんなところがあるなんて……」
この学園、いろんな物があるんだなと感心した。
こんな庭園でお茶やお菓子なんかを食べたら最高だろうな……。
例えば響子さんと一緒とか……。
『結希、このお菓子はおいしいな』
『あ、はい! 朝早く起きて作りました!』
『そうか。これだけ料理が上手だと、彼女は大喜びだろうな』
『そ、そんな……! 彼女なんていませんよ』
『ん? そうか……なら結希……』
『はい?』
『わ、私が……結希の彼女になってもいいぞ……』
……なんてことに なったらいいのにな……。
まあ無理だよな……。
響子さん……今どこにいるんだろう……?
また会いたいな……。
昨日から僕の頭の中から響子さんの笑顔が離れない。
こんなことは初めてだ。
やっぱり……この気持ちは恋なんだな……。
叶わぬ恋だけど……。
「はぁ……」
転校早々、視線を嫌がり逃げて、さらにはため息をついている僕ってダメダメだな……。
こんなんじゃあ響子さんの彼氏なんてなれないよな……。
「はぁ……」
またため息が出たよ……。
ダメだな僕は……。
と、そんな風に落ち込んでいたとき、それは聞こえた。
「誰か……」
「え!?」
どこからか、弱々しい女の子の声が聞こえた。
なんだろうと思った僕は、その声を頼りに歩いた。
「うぅ……誰か……」
その声は噴水近くの花畑から聞こえてきたので、花畑を調べた。
すると、花畑の中で倒れている女の子を発見した。
僕は彼女に近づき、声をかけた。
「だ、大丈夫……!? どこか痛いの!?」
倒れていた女の子は僕と同い年くらいで、髪は水色、そしてここの制服を着ているから、無限学園の生徒であるのは間違いない。
「み、水……」
彼女は掠れた声で言った。
しかしここら辺に飲み物の水はない。噴水の水ならあるが、噴水の水を飲ますのはどうかと思う。
「えっと……飲める水は無いけど……お茶ならあるよ……」
「お茶……? 水ならなんでもいいけど……」
お茶で良いということを聞いた僕は、鞄から水筒を取り出し、中に入っていたお茶を彼女に渡した。
だが彼女は、
「そんなんじゃ足りないよ……」
足りないって……水筒一つじゃあ足りないってこと?
他に水がないか、周りを見渡しながら探した。
すると彼女は、噴水を指差した。
「あ、あそこ……あそこに……ポーンと投げて……」
「……へ? なにを?」
「私を……」
「はあっ!?」
「は、早く……!」
訳が分からないが、必死な彼女の要望に応え、僕は彼女を抱えて噴水へ向かった。
そして彼女をポーンと噴水に投げた。
ザバァァァ!!
大きな水しぶきが立ち、制服が少し濡れてしまってけど、そんなことはどうでもよかった。
問題は彼女だ。彼女の言いつけ通りとはいえ、投げるのは不味かったかなと思い始めた。
「あ、あの……大丈夫……?」
心配になった僕は、とりあえず安否の確認として声をかけてみた。
しかし、反応がない。まるで屍のような――って僕、もしかしてやばいことをしてしまったか!?
「も、もしもし!! だ、大丈夫!?」
しかし、反応がない。
「………………」
ま、まずい……!! 大変なことになっちゃったよ!!
どうしよう!! どうしよう!!!
大変な事態になって、頭の中がパニック状態になってしまった僕はその場で頭を悩ませていた。
と、その時、
ザバァァァァァァ!!
「ふっかぁぁぁぁつ!!!」
噴水の中に投げた彼女が、いきなり飛び出てきた。
いきなりの出来事でびっくりした僕は後ろに倒れ、尻餅をついてしまった。
「あ~~♪ やっぱり水の中の方が落ち着く~♪ 気持ちいい~♪」
「あ、あの……」
「あ! 君、どうもありがとう♪ おかげ助かったわ♪」
水に浸かっていた彼女は、ゆっくりと僕に近づき、お礼を述べた。
と、そんな時、僕は彼女のある一部分の変化に気づいた。
「ん? どうかしたの?」
「あ、あの……僕の目の錯覚か、幻覚かよく分からないんですが、あの……足が……」
「足が?」
「魚の……尾鰭みたいになっていますが……」
そう、彼女の変化、それは足の部分が人間の足ではなく、魚の尾鰭になっているのだ。
青い魚の鱗が付いており、尾鰭もある。そういえば思い出してみると、倒れていた時からあんな尾鰭になっていた。だけどあの時は頭がパニック状態だったから、尾鰭については気になってなかった。
足は尾鰭だが、上半身が人間だ。まるで人魚みたいだが……まさかそんなわけないよな。現実に人魚なんているわけないし。
考えられるとしたたら……。
「あ、あの……人魚のコスプレですか……? な、なかなかよくできていますよ……!」
相手のコスプレを誉める気持ちで言った。
例え変な趣味でも、好きな人は好きなんだし、バカする訳にはいかないしね。
というわけで、今の僕の対応は正しかったと僕は思う。
バシッ!
しかし現実では僕は彼女にしばかれてしまった。
なんで……?
「どう見たらこれがコスプレに見えるのかな……? 君の目がおかしいの? それとも、その頭がおかしいのかな?」
あ、あれ……? なんかちょっと怒ってる?
お、おかしいな……? 対応は完璧だと思っていたんだけど……?
「で、でも……尾鰭がついているから……」
すると、彼女は僕の耳の奥の鼓膜まで響く程の大声で言った。
「当たり前じゃん。 私、マーメイドなんだよ」
「へ……? まー……メイド……?」
「マーメイド! つまり人魚よ!」
「に、人魚!?」
彼女は信じられないことを言った。自分が人魚であるということを。
言われてみれば彼女の足には尾鰭がついているから確かに人魚に見える。
だが、人魚というのは絵本や童話に出てくる者であり、この現代社会に居るわけがない。
「なんか……信じてないわね……」
「え、あ、あの……その……」
正直に言うと、半信半疑だ。
彼女の様子からして、嘘を言っているわけでもなさそうだが、人魚の話を信じてもいいんだろうか……?
「いいわ。だったらこの尾鰭を触ってみなさいよ。本物なんだから」
そう言った彼女は、体を曲げて尾鰭を僕の前へと差し出した。
そして尾鰭をヒラヒラと動かしている。触れという合図か?
「ほら、早く!」
「え、でも、いいの……?」
「いいから!」
彼女に急かされ、仕方なく触ることにした。
スリスリ
彼女の尾鰭を触って感じたことはただ一つ、魚だ。
この尾鰭は間違いなく魚の尾鰭だ。作り物ではなく、本物の魚の尾鰭じゃないか!
「すごい……! 本物の人魚なんだ!」
「当たり前でしょ♪ しかも私は--んっ! ちょ! やめ……ど、どこ触っているのよ!!」
「へ?」
「そ、そこはお尻よ! スケベ! エッチ!」
「へ!? う、うわあぁぁぁぁ!! ご、ごめんなさい!! け、けしてわざとじゃないです!!」
大変なことをしてしまった……。
ついつい触るのに夢中になっちゃって、いつの間にか僕の手は彼女のお尻を触ってしまった。
まずいよ……転校初日からさっそく黒歴史の一ページを作ってしまったよ……。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!!」
僕は土下座をして何度も何度も謝った。
今の僕にできることはそれしかなかったから。
「……………………」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!!!」
いったい僕は何回謝ったんだろう……。
あと何回謝ったら許してくれるんだろう……。
謝りながら僕はそんなことを考えていた。
「…………クスッ」
僕が何度も謝っているとき、彼女は微かに笑った。
そして次の瞬間、僕に顔を近づけ、囁いた。
「う・そ♪」
「へ……?」
「アハハハハ♪ 嘘よ嘘♪ 君は私のお尻を触っていないわ♪ アハハハハ♪」
腹を抱えながら大笑いする彼女であったが、どういうことかすぐには理解できなかった僕である。
しばらくしてようやく理解した。僕は騙されたと。
「ちょ、だ、騙さないでくださいよ!!」
「アハハハハ♪ ごめんごめん♪ あんまり怒らないでよ♪」
笑いすぎたのか、彼女の目から涙が浮かんだ。なんだかここまで笑われるとショックだよ……。
「まあまあ元気だしてよ♪ お詫びといってはなんだけど、この学園を案内してあげるわ。可愛い転校生さん♪」
「あ、それはどうも……って、え!?」
この人、今僕を転校生さんと言ったけど、なんで僕が転校生って分かったんだ!?
僕は転校生です。って一度も言っていないのに……!?
すると彼女は僕の反応を見て、ニヤリと笑った。
「フフン♪ あたりでしょ?」
「ど、どうして僕が転校生って分かったんですか!?」
「この学園ではね、私みたいな普通の人とは違う人達が多いの。だからこの学園の生徒の顔はだいたい覚えているわ。だけどあなたは見かけない顔だから、よほど存在感が薄い生徒か、不法侵入者か、それとも転校生かもしれないと考えたの。で、私がマーメイドであることはこの学園の生徒であれば誰でも知っていることだけど、あなたは驚いた。つまりあなたはここの生徒ではない。そしてこの学園は警備が厳しいから不法侵入者が来ることは難しい。だから君はこの学園に転校してきた転校生である可能性あるから、転校生さんって言ったのよ。どうやら私の推理は当たったみたいね♪」
彼女は自分の推理が当たったことを満足しているみたいだ。
「まあとりあえず、学園を案内してあげるから、はい♪」
そう言った彼女は両手を広げて、なにかを訴えているようだった。
「……な、なんですか……?」
「この足じゃあ歩けないから、おんぶして♪」
「歩けないんですか!?」
「うん♪ あ、訂正。歩けないから、お姫様抱っこして♪」
「お姫様抱っこ!?」
お、お姫様抱っこだと!?
お姫様抱っこって、お姫様を抱っこするように持つあれでしょう!? そのまんまだけど!
そんなことを僕がしてもいいのかな……。
王子様でもなんでもない僕が……。
正直に言うと響子さんにしたかったよ……。
「早くしてよ! 遅くなっちゃうじゃない!」
「は、はい!」
ええい! こうなったらヤケクソだ!!
彼女の肩と足……というか尾鰭を支えながら、体を持ち上げようとした。
「せーの! ふん!」
…………………あれ?
力を入れ、持ち上げようとするが、上がらない。
「ふぬぬぬぬぬぬぬ!! …………せーの!」
ふぬぬぬぬぬぬぬ!!
…………持ち上がらない……。
ていうか……。
「…………重っ……!」
ボソッと言ったつもりだったが、彼女の耳は地獄耳で、今の言葉が聞こえたのか、
バシッ! バシッ!
平手で思いっきりシバかれた。
しかも二回……。
「痛い、痛いです!」
「乙女の逆鱗に触れたからよ。女の子を抱っこするんだから、重っ……! なんてことを言うんじゃない」
……乙女心についてよく勉強しておこう……。
何回も平手打ちされたらたまらないし……。
どこかに乙女心の教科書なんて無いのかな?
「ハァ……もういいわ……。ねえ? あそこに私の電動車椅子があるから持ってきて」
彼女が指差した先には電動車椅子がポツンと置いてあった。
歩けないからあれで移動しているのか。
…………って、
「車椅子があるなら、お姫様抱っこをする必要がないじゃないですか!!」
「うん、そうだよ。当たり前じゃん」
「じゃあなぜに!?」
「君をからかいたかったから♪」
もう嫌だこの人……。
人魚ってこんな人ばっかりなの……? だったら僕はもう人魚なんて嫌いだ……。
その後、転がっている電動車椅子を持ってくると、彼女は車椅子に座り変えた。
足がないとはいえ、座り変えるのは慣れているのか、すんなりと車椅子に座ったのだ。
「そういえば名前を聞いてなかったわね」
「あ、僕は真城結希です……!」
「結希君ね。私はカレン・マルグリット。カレンって呼んで」
「あ……よ、よろしくお願いします……! カレンさん……!」
こうして、彼女……カレンさんと握手を交わした僕達は無限学園校舎へと向かうのであった。
それにしても……無限学園ってこんな変な人が多いのかな?
すごく不安になってきたよ……。
由美
「後書きコーナー改め、由美ちゃんの部屋、始まるよ~♪」
結希
「本当にこのコーナー始めたんですね……」
恭介
「いいのか作者?」
天城
「いいわけねぇだろ! おい由美! お前、いい加減にしないと怒るぞ!! いくら学園長でも、やっていいことと悪いこと--」
《しばらくお待ちくださいm(_ _)m》
由美
「じゃあ今日の予定は……」
天城
「ま、待て由美……! そんなことはさせな--」
《残滅中、しばらくお待ちくださいm(_ _)m》
由美
「作者は急用ができたから、私が司会進行を勤めるわね♪」
恭介
「急用じゃなくて病院に行ったが……」
由美
「気にしない気にしない♪ じゃあ今回の由美ちゃんの部屋は、ゲストを迎えるわね♪」
恭介
「ゲスト!? まさか……フェ○トさんか!?」
由美
「違うわよ変態♪ 向こうに行って、BL小説を読んできなさい♪」
恭介
「貴様は俺に死ねと……?」
由美
「今回のゲストはこちらの二人、幻妖さんの一次作、『瞋恚の炎』から霧島仁君と衣笠茜ちゃんよ♪」
仁
「どうも初めまして!」
茜
「よろしくお願いします!」
恭介
「幻妖さんの作品の主人公とヒロインか。よろしく! 俺は天堂恭介だ」
仁
「ああ、あんたことは聞いているよ!」
恭介
「本当か!?」
仁
「鬼畜変態主人公だって聞いている」
恭介
「おいコラァ!! 誰が鬼畜変態主人公だ!!」
茜
「仁! 間違えているわよ! 正しくは、鬼畜変態ドMスーパーロリータスケベエッチ地獄に落ちろコノヤローアホ主人公、天堂恭介さんよ! ごめんなさい恭介さん!」
仁
「そうか……すまなかったな恭介……」
恭介
「いやいやいやいやいやいや!! 全然違うし、ていうかあんたの方が酷い言い方だぞ! そして仁、納得したように謝んな! 俺は普通に天堂恭介と呼べ!」
由美
「恭介うっさい! 先が進めないでしょ!」
恭介
「いや、でも……」
由美
「恭介……? 私に逆らう気……?(^_^#)」
恭介
「ごめんなさい……m(_ _)m」
仁、茜
「「主人公弱っ!!?」」
由美
「さて、仁君と茜ちゃんの登場作、『瞋恚の炎』についてちょっと説明するわね。作者は幻妖さん。物語は、平凡な日常を過ごしていた仁君はある日、とある事件に巻き込まれてしまった。その時助けてくれた茜ちゃんの為に異端者になり、『世界の理から外れたもの』と呼ばれる存在と戦っていく物語なのです! こんな感じでOK?」
茜
「はい、いいですよ」
由美
「うむ! では紹介が終わったところで、さっそくトークに入りましょう。まずは一人ずつ、とあるお題を出しますので、それに関する話をしましょう♪」
仁
「分かりました」
由美
「じゃあ一つ目からお題はこちら!」
『初キッスはいつ?』
仁、茜
「「はい?」」
由美
「まずは茜ちゃんから!」
茜
「え!? えーっと……」
由美
「ズバリ! 初キッスはいつ!? 詳しい状況を報告!」
茜
「あ、あの……!」
恭介
「はあ!? そんな話よりコスプレの話にしようぜ!! ちなみに俺はフェ○トさんのバリアジャケット(ソニックフォームバージョン)の方がいいと思う!! あんなエロい装備をしたフェ○トさんは最高だろ!! ていうか、あのエロ装備で膝枕してくれたら、多分俺、萌え死ぬと思う!!」
由美
「あのね恭介? 今はそんな会話をしているんじゃないんだけど? 少し黙れ♪(^-^#)」
恭介
「ごめんなちゃい……m(_ _)m」
仁、茜
「「相変わらず弱っ!?」」
茜
「ほ、他の話題にしません!?」
由美
「え~~~~!!! 面白いのに……まあいいや……。じゃあ次の話題にいくけど、次はパス無しだからね?」
茜
「はい!」
仁
「分かった!」
由美
「じゃあ次の話題はこちら!」
『好きな人は誰ですか?」
仁、茜
「「はいぃぃぃぃ!!?」」
由美
「はい答えてね♪」
茜
「あの……由美さん……話題を変えません……?」
由美
「やだ♪」
仁
「あ、俺用事があるから帰る!」
由美
「逃がさないぞ、コノヤロー♪」
茜
「も、黙秘します!」
由美
「黙秘したら、私の拷問室にGOだよ♪」
仁
「か、勘弁してください……!」
由美
「い・や・だ♪」
恭介
「おい、由美。せっかくのゲストをいじるな。そこまでにしてやれ」
由美
「え~~~~!!」
恭介
「え~~~~、じゃねぇよ! ていうかお前の出す話題は無茶苦茶なんだよ! もっとまともな話題を出せ!」
由美
「まともな話題? 例えば?」
恭介
「仕方ないな……じゃあ俺がまともな話題を出してやる。仁、茜! 安心しろ! 俺がまともな話題を出してやる!」
仁
「恭介……!」
茜
「恭介さん……!」
恭介
「見ろお前ら、これが俺が出す、まともな話題だ!!」
『茜ちゃんのスリーサイズについて語り合おう!」
由美・仁・茜
『…………………………』
恭介
「さあ茜ちゃん! 君のスリーサイズについて語り合うから、スリーサイズを教えなさい! あ、なんだったら俺が測ってやろうか? 触ればだいたい分かるから。恥ずかしい? そんなんでヒロインが務まるか! いいからこっちの部屋に来て服を――って由美? なぜ笑顔でチェーンソーを持っている……? ていうか……茜君と仁君……武器を持つのはやめなさい……。 いや、待てお前ら! こっちに来るな! 武器をしまいなさい! ちょ、やめ」
《粛清中、しばらくお待ちください♪》
由美
「色々お話をしようと思ってたけど、そろそろ時間になっちゃったね。今日はここまで。今回のゲストの仁君と茜ちゃん! 今日はありがとうございました!」
茜
「いえ、こちらこそ。今日は楽しかったですよ!(あの変態以外は……)」
仁
「ああ! またこんな機会があればいいな!(あの変態はもうどうでもいい……)」
由美
「それでは今日の由美ちゃんの部屋はここまで! 最後の次回予告は仁君にお願いします! はい、台本」
仁
「は、はい! これを読めばいいのか……。ゴホン! 次回予告! 次回は結希と響子が再会を果たす! さらに恭介との出会いで、結希がとんでもない勘違いをする!? そして次回も新キャラ&読者の投稿キャラが登場していよいよ本格的な学園ドラマが始まります! 次回はどうなるのか楽しみだぜ!」
由美
「はいありがとう! では皆さん次回もお楽しみに! 今回のゲストは幻妖さんの作品『瞋恚の炎』から霧島仁君と衣笠茜さんでした!」
仁・茜
「「ありがとうございました! 俺達(私達)の作品もよろしく!」」
結希
「あの……すいません……救急車一台お願いしてもいいですか……? 重症患者がいますので……はい……よろしくお願いします……。この状態でも生きてる恭介さんってすごい生命力ですね……」
響子
「ゴキブリ並の生命力だな。今日からゴキブリ変態主人公と呼ぼう」
恭介
「……………………………」
結希・響子
((反応がない……ただの屍のようだ……))
恭介
「死んでないわぁぁぁぁぁーーーー!!!!!」
結希・響子
「「生きてた!?」」