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第一話 少年と勇者の無限の出会い

作者の一言



文才が無く、駄文しか書けない私ですが、今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m




「すいませ~ん! この荷物はどこに置きます?」


「あ、そこに置いてください!」


「分かりました!」


 とある平和の町に、ある一家が引っ越してきた。

 その一家は父親の仕事の都合により、その町に引っ越さなければいけないということになったのだ。

 今、その家族は生活に必要な家具などを、トラックから降ろし、配達業者の人間と一緒に家の中に運んでいる最中だ。


「それにしてもなかなかいい町に引っ越してきたんじゃない?」


「ああ、そうだな」


 一家の主たる父親とその妻は、二階の窓から街の風景を眺めながら、そのような感想を言った。

 いい街と言っても、彼らが引っ越してきた町は有名な観光スポットも無く、特に変わったことも無い、どこにでもある普通の平和な町だ。

 だが彼らにとっては、そんな普通で平和な町こそ、とても良い町と認識しているのである。


「なあ! こんな町の人達だったらお前の友達になれそうな人達だっているかもしれないぞ!」


「そうね♪ ねえ、そう思うでしょ? 結希(ゆうき)?」


 二人の夫婦は後ろで荷物の整理をしている少年に話しかけた。

 するとその少年はビクッ! と震え、すぐに彼らに振り返った。


「え!? な、なに!? 父さん、母さん!!」


「聞いていなかったのか? お前の友達になれそうな人達がこの町にいるかもしれないぞ」


「え……で、でも……ぼ、僕、友達の作り方なんて知らないし……そ、それに……ま、また、苛められるかも……」


「「ハア……」」


 父親、母親、二人揃って溜息をした。

 目の前の息子がこのような感じだからだ。


 この少年の名前は真城(ましろ)結希(ゆうき)

 歳は16歳。特徴はくせ毛がある金髪、そして顔は、女の子と間違えるほどの美少年である。

 美少年である為、女の子の服を着させると、男と思えないほどの美少女になる。

 しかし、性格は臆病かつ人見知りが激しい。

 なにより人と話すのが一番苦手。

 そしてその性格ゆえ、昔から苛められることが多かった。

 前の学校では友達ゼロ。

 周りから「美少年だけど、情けない男」と評価されてきた。


 父親、母親はこの新しい町でこの子は変わってほしいと思っているみたいだが、本人は全然変わろうとしないことに対し、内心呆れているのだ。




 この物語はこの真城結希の引っ越しから全てが始まったのだ。




【結希視点】


 父さんと母さんが溜息をつきながら僕を見ている……。

 そうだよな……こんな情けない息子を見たら、どんな親だって情けないと思うだろうな……。


「もうちょっとしっかりしろ結希! そんなんじゃあ新しい生活を始められないぞ!」


「……で、でも……」


 そんなことを言われたって、しっかりしろってどうすればいいんだろう?

 人と話すこと自体、僕には無理なんだ……。


「こんなんじゃあ、彼女もできないわね……」


「な!? な、なななななに言っているの母さん!!? か、彼女なんて……! そ、それに、学生は恋よりも、学業に専念しないと……!」


「「ハア……」」


 また溜め息をついているよ……。

 だいたい僕は女の子にも話しかけれないんだ……。

 友達も彼女もできるわけがないということも分かっている……。


 でも……やっぱり友達も彼女も欲しい……。

 自分でも頑張っているんだけど、どうしても人と話すとあがってしまう。

 うまく言葉を口に出せず、あたふたしてしまい、全然会話ができない……。

 なにより僕は人と目を合わせるのも苦手なんだ……。


 人との会話が全然できない、情けない男……自分でも分かっていることだ……。


「新しい生活で人と慣れて、友達の一人や二人作りなさいよ!」


 そんな無茶な……。


「じゃあ結希、買い物行ってきて」


「へ!? え!?」


 いきなり母さんは何を言っているだ!?

 なぜ今の会話の後に買い物に行けって言うんだ!?


「少しはいろんな人とふれあって、あんたの激しい人見知りと臆病な性格を直してきなさい!」


「い、嫌だ……」


「そう! 行ってらっしゃーい♪」


 今、僕は嫌だって拒否の言葉を言ったはずだよね……?

 どうして母さんは今の嫌だをイエスと捉えるんだろう……?

 嫌だな……外に出て人に出会ったらなんて言ったらいいんだよ……?

 なんとか買い物を回避しないと……。


「でも……荷物の整理がまだ……」


「そんなの私達がやるから。ほら、そこのダンボールの中の荷物を貸して」


 母さんは僕の荷物が入っているダンボールに手を伸ばす。


 はっ! そのダンールはいけない!!


「ま、待って母さん!! そのダンボールの荷物はダメ!! 僕が片付けるから!!」


 ダンボールを回収し、僕の背中に隠す。

 なんたって、この中身は母さんに見せられない物が入っているからね……。


「なぁに? エロ本でも隠しているの……?」


「そ、そそそんなわけないじゃん!!」


「ふ~ん……」


 母さんは怪訝な表情で僕を見ている。

 母さん……そんな目で僕を見ないでよ……。


「とにかく、買い物に行ってきなさい。ほら、お金を渡すから、少しは人に慣れておきなさい!」


「……は、はい……」


 結局、母さんに逆らうことができない僕は、荷物をまとめることはできず、買い物に行くことになった。

 ……母さん……ダンボールの中身は見ないでよ……!










 町中のスーパーマーケットに入った僕であったが……。

 嫌というくらい人が多かった。


「いらっしゃい! お、そこの坊主! 今日は肉が安いぞ! 買って行けよ!」


「え!? あ、えと……あの……その……」


 肉売りコーナーに居た店員のおじさんは僕に安売りの肉を勧めてきた。

 だが、確か今日は肉料理ではなく、魚料理にする予定だから、肉はいらない。


 ……でも……せっかく勧めてくれたのに、断るのも悪い気が……。

 ていうか、どう言って断ればいいんだろう……?


「坊主、買っていくかい?」


「えっと……あ、あの……そ、その……」


 この場合どうすればいいんだ!?

 断るのも悪いし、でも買ってもいけないし、どうすれば!?


「あ、あああの……! そ、その……!」


「ん?」


「ごめんなさいぃぃぃぃーーーー!!!!!」


 僕はその場から全力疾走で逃げ出した。

 やっぱりダメだ……! 全然人と話せないよ!!


 その後、店員とまったく話せない僕であったが、なんとか買い物は終わった。


 一時間以上かかっていまったけど……。










 買い物を終えた僕は、トボトボ歩きながら家へと帰宅しようとしていた。

 帰り道を歩きながら僕は考えていた。


 このままじゃあ転校先の学校でも同じようになってしまう。

 そうなったら……また友達もできず、また苛められる……。

 変えたい……今の自分を変えて、新しい自分に生まれ変わりたい……。

 だけど、現実ではどうすることもできない……。

 どうすれば自分を変えられるのか、それすら分からないんだから……。


 いったいどうすればいいんだろう……?



 地面を見つめながら歩いていた僕はそんなことを考えていた。


 そんな時、事件が起きた。




 ドン!


「うわぁ!」


 前を見ていなかった僕は誰かとぶつかった。

 ぶつかった反動で、僕は地面に倒れてしまった。


「いてて……」


 痛むお尻をさすっている僕。

 目の前を見ると、ぶつかった相手が居たが、相手が最悪だった。


「おいコラァ!! てめぇどこ見て歩いてんだオイ!!」


「俺らのアニキにぶつかって謝りも無しかコラァ!!」


 うわぁ……! 最悪だよ……!

 目の前に居たのは、僕よりも強そうで、顔が怖い、三人組の不良だった。

 しかもぶつかった相手はその三人組のアニキらしい。

 他の二人に比べ、体は大きいし、喧嘩は強そうで、まさにアニキという感じの男だった。


 まずいな……早く謝らないと……!


「あ、あの……ご、ごごごめんなさい……!」


 深く頭を下げ謝罪した僕であったが、相手の不良はいきなり自分の腕を押さえながら言った。


「いって~な! おい、腕が動かねえんだけど! お前がぶつかったから腕の骨が折れたんだぞ!! どうしてくれるんだコラァ!!」


「マジっすかアニキ!! おいコラァ!! てめぇ、どうしてくれんだコラァ!!」


「え!? ……で、でも……それくらいじゃあ……う、腕は折れな--」


「あぁ!! てめぇ、アニキが嘘を言っていると思っているのかコラァ!!」


「い、いや……ち、ちが……!」


 不良の一人は僕の胸ぐらを掴み、怒号を飛ばした。


 とても怖い……!


 周りには他の人間が居たが、誰も助けてくれない。

 目があっても、すぐに逸らそうとする。

 だが僕は彼らを責めなかった。


 だって……僕が彼らの立場だったら、同じことをするからだ……。


 誰だってこんな状況に巻き込まれたくないから、無視をする。

 僕も……他人が不良に絡まれていたら、無視をするだろう……。


 僕は……そんな人間なんだ……。


「とりあえず慰謝料払ってもらおうか」


「え……!?」


「慰謝料百万、払えろや!」


「ひゃ……百万!? そ、そんなお金……あ、ありません……!」


「だったら財布を置いていけや!」


「そ、そんな……!」


 渡せない……! これは母さんから貰ったお金も入っているんだ。

 これを渡したら母さんが困ってしまう……!

 だから渡せない……!


「こ、これは……わ、渡せません……。か、母さんが……」


「うるせぇな!!」


 ボガッ!


 不良の一人が僕をぶん殴った。

 殴られた反動で、地面に倒れ込んでしまう。

 口の中で血の味がした。鉄のような味でとても嫌な感じだった。


 地面に倒れ込んで際、財布を落としてしまった。

 不良の一人はその財布を取り、中身を確認した。


「チッ! これくらいしかないのかよ! まあいいか」


 不良は僕の財布から二千円(母さんのお金)を取り出し、そのまま立ち去ろうとした。


 このままじゃあ母さんのお金が……!


 這いずりながら不良に近づき、不良のズボンを掴みながら僕は言った。


「か、返してください……! それは母さんの--」


「ふん!」


 ドガッ!


 不良は僕の願いを聞き届けないどころか、僕の腹に蹴りを入れた。


「がはっ! くっ……!」


「あはははは! あばよ!」


 僕を笑いながら不良は立ち去っていく。

 今の僕はとても情けない……。


 なにもできず、反撃もできず、奪われることしかできない、ただの情けない男だ……。


「くっ………くそ………」


 情けない……情けない……情けない……情けない情けない情けない情けない情けない情けない情けない情けない情けない情けない情けない情けない情けない。


 情けない自分が嫌だった。

 情けない自分が嫌だから変わろうと決めた。


 だけど……!


「全然変わっていないじゃないか……!」


 悔しい……変わることができない自分が悔しい……!


 悔しさのあまり、僕の目から涙が出てきた。

 涙を流している時点で情けないのに、涙を止めようにも、涙が止まらない……。


 僕は……情けない男だ……。



 そんなことを思っていた時だった。










「おい、そこの不良A、B、C」


 どこからか女性の声が聞こえてきた。

 呼ばれた不良達は声がする方向へと顔を向ける。

 僕も声がする方向へと目を向けた。

 するとそこには……。


 一人の女性が立っていた。


「なんだと……? おい姉ちゃんよ、今なんて言った?」


「聞こえなかったか? 貴様らを呼んだのだ。不良A、B、C」


 立っていた女性は、とても綺麗な美女だった。腰まで伸びた長い黒髪、肌は白くて、目は赤色だった。

 そして一番目立ったのは、腰に付いている剣だ。なぜ女性である彼女の腰に剣があるんだろう?


 不良の一人が彼女に近づいた。

 あ、危ないんじゃないかな……?


「おい! 不良A、B、Cってなんだよ?」


「貴様らのことだ。お前が不良C。あそこのザコそうなのが不良B。そしてあのアニキと呼ばれている愚か者が不良A三号だ。理解したかバカ者ども?」


「なんでそんな一般人Aみたいな名前を付けるわけ!? ていうかなんでアニキだけ不良Aのあとに三号を付けるの!?」


「ん? 不良A三号じゃなかったけ? 不良A三十三号だっけ? 不良Aアームストロング砲? おい、私はあれをなんて名付けたんだっけ?」


「知るか!!!」


 ……あの人……大丈夫なのかな……? 一回病院で頭の検査を受けた方がいいんじゃないのかな?

 そんなことを僕が考えていた時、不良A三号……じゃなくて、不良三十三……って違う。不良Aアームストロング砲……あれ? あの人って何て名前だっけ? とりあえずアニキと名付けて、そのアニキの不良が彼女に近づいた。


「おい! さっきから訳分かんねぇことを言っているんじゃねぇよ!! ふざけやがって!! 女だからって容赦しねえぞ!!」


 まずい……あの不良Aアームストロング……じゃなくて!! アニキと呼ばれた不良が怒っている。

 彼女が危険だ!! 僕のせいで関係のない人が巻き込まれるわけにはいかない!!

 だが、なんとかしたいけど足が震えて動けない……!!

 くそ! 僕は……こんなときに……なにも……!!


「いいからさっさとこい。この不良……めんどくさいから不良Aネオアームストロング大統領って呼んでいいか?」


「そっちの方がめんどくさいじゃねぇか!! ふざけんなこのアマ!!!」


「あ、危ない!!」


 僕は彼女に向かって叫んだ。あの不良Aネオアームストロング大統領……もうなんでもいいや!! 不良Aネオアームストロング大統領が自分の拳で彼女の顔面を殴ろうとしたからだ。



 避けられない!! そう思ったが……。



 彼女は不良のストレートをさらりと避け、逆に彼女が不良の顔面をぶん殴った。


 ボガッ!!


「ぎゃああああ!!!」


 顔面を殴られた不良の兄貴は、壁にぶつかり、そのまま気を失ってしまった。


「ヒィィィィ!!」


「ア、アニキ!!」


 不良B、不良C……だっけ? とにかくそいつらは悲鳴を上げながらアニキに近づく。

 そして気を失っていることに気付いた不良たちは怒りの形相で彼女を睨む。


「よくもアニキを!!」


「やっちまえ!!」


 不良B、不良Cが彼女に襲いかかる。

 しかも彼らはナイフや鉄パイプを持っている。

 これは彼女でも無理……だと思ったが。


 彼女はフッと笑った。


「いいだろう! いくらでも相手になってやる! ……だがいちいちこいつらの戦闘風景を執筆するのはめんどくさい。RPG風でいくぞ」










不良B、不良Cが現れた。



どうする?

・たたかう

・殲滅

・八つ裂き

・どうぐ

・半殺しにして逃げる



選択・たたかう



不良Bがナイフで攻撃した。



しかし避けた。



不良Cが鉄パイプで攻撃をした。



しかし避けた。



謎の美少女は不良Bに攻撃した。



不良Bは9999のダメージを受けた。



不良B

「ぎゃあああああ!!」


不良C

「てめぇよくも!」


謎の美少女

「うるさい」



選択・殲滅



謎の美少女は不良Cの○○○○を攻撃した。



こうかはばつぐんだ!



不良C

「ぎゃあああああ!!」



謎の美少女は不良B、Cを倒した。



経験値0



不良Bの財布と不良Cのへそくりを手に入れた。



不良達の財布とへそくりのお金を財布に入れますか?



・はい

・YES



選択・YES










 ……って、なんだ今の!?

 RPG風ってそういう意味なの!? 単に作者が戦闘描写を書くのがめんどくさいということで書いたんじゃないよね!? ていうか明らかにおかしいコマンドがいくつかあったけど!?


 ……だがここだけの話……その……不良達を撃退した時の彼女の姿が…………か、かっこよかった……/////



 そう、不覚にも僕は……彼女に惚れてしまったのだ……/////



 綺麗な黒髪、スタイル抜群でしかも超がつくほどの美少女。惚れない方がおかしい。

 しかも……よく見たらスカートから出ている足が綺麗で美しく、とてもエロイ……って僕はどこを見ているんだ!!


 と、とにかく! 彼女のおかげで助かったんだ! ちゃんとお礼を言わなくちゃ!!

 いくら人と話すのは苦手でもお礼を言わないのでは失礼だよね。


 僕は勇気を出して彼女に近づいた。

 そう、僕を助けてくれた、かっこいい彼女に--



「チッ! 二千円しかないのか……。最近の不良は貧乏な奴が多いな……。もっと金を多く持ってからかつあげしろよな……! まあいい。さて、この二千円は貰って行こう」




 ……ん? あれ? う~ん……どうやら僕は最近視力が悪いようだ。

 さっき助けくれたかっこいい美少女が気絶している不良たちのお金を自分の財布に入れている光景が見えるんだが……ただ単に僕の視力が悪いだけだよね。眼鏡を買わないといけないなww


 目をゴシゴシ擦って……これでよし。

 さてお礼を--



「ん? こいつへそくりを持っていたのか。おお! 五万入っているな! よし、これで3DSが買えるな! では、ありがたく貰おう」



「………って、なにしてんですかぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!!??」



 どうやら僕の視力は悪くなっていないみたいだ!

 目の前の美少女は不良たちのお金を巻き上げている! しかもへそくりまで手を出しているよ!!

 なんで!? さっきまでのかっこいいイメージが台無しだよ!!


「ん? 少年? なんのようだ?」


「え!? あ、ええっと……あの……」


 ま、まずい……彼女がこちらを見た瞬間、いつもどうりあたふたしてしまった……。

 しかも彼女が美人だから余計に緊張してしまう……。


「あ、あの……そ、その……えっと……」


「……………………」


 彼女は何も言わず、ただ黙って僕をジーーっと見ているだけだ。


「えっと……あ、ありが……」


「おい、言いたい事があるならハッキリ言え」


「ヒィッ! は、はい!」


 まずいよ……僕がいつまでもハッキリしないから、彼女怒っているよ……。

 このままではいけない……! 落ち着け真城結希! お前は変わるんじゃなかったのか!?

 彼女に……お礼を……言うんだ!!

 ハッキリと……自分の声で……素直に……思いを……伝えるんだ!!


「あ、あの!」


「うん」










「助けてくれて、ありがとうございましゅた!!」










「「……………………………………………」」


 長い沈黙の後、僕は思った…………。








 噛んだああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!!






 恥ずかしい!!! せっかくハッキリ伝えたのに噛んじゃったよ!! ありがとうございましゅたってなに!? 意味分かんないよ!! わああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!! 穴があったら入りたいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーー!!!!!!



 ……彼女はどんな反応だろう?

 気になった僕は目の前の彼女をチラッと見た。




 彼女は後ろを向き、ブルブルと震えている。


 まるで何かに耐えているような……。



 ああ……笑いを耐えているのか……笑わないように堪えているのか……。



 終わった……僕の人生終わった……。

 初恋だったのに……好きになったのに……綺麗だったのに……足が色っぽかったのに……。


 告白もしてないのに全て終わったよ……。


 さよなら……僕の青春……。



「お、おい少年」


「え? あ、はい!」


 彼女が振り返った時、もう彼女は無表情だった。充分に笑ったんだろうな……。

 彼女は突然、とある方向に指を指した。

 指した方向にあったのは、喫茶店だった。


「あそこの喫茶店に行くぞ」


「へ!? え、えと……な、なんで……?」


「私と行くのは嫌か?」


「い、いや! い、行きます!」


「よし」


 彼女はどこか満足げな顔で頷いた。

 そしてなにも言わずに喫茶店へ歩いていく。


 しかし、なぜ喫茶店に行くことになるんだ?

 

 ……ていうか、も、もしかして!


 これってデ、デートに誘われちゃった!?



 ……なわけないか……。

 こんな僕を好意に思って、喫茶店に誘うなんてことがありえるわけないよな……。

 そんな都合のいい話なんて、ゲームかラノベの中の話だよな……。


 でも……じゃあ、なんで……?


 深く考えても、やっぱり分からない……。

 う~ん……。


「おい! 何をしている! 早く来い!」


「え!? あ、は、はい!」


 考えても分からないからとりあえず、今は彼女について行こう。

 助けてくれたから、お礼にコーヒーでも奢ってあげないとね。


 あ……そういえば……。


「あ、あの……」


「ん? なんだ?」


「あなたの名前を聞いていなかったんですが……。あなたは……?」


「なに、名乗るほどの者ではないが、君にだけは名乗ってあげよう」


 彼女は僕の顔を見ながら自信満々に答えた。















「私の名前は如月(きさらぎ)響子(きょうこ)。通りすがりの『勇者』だ」















「へ……?」




 これが彼女と僕の出会いだった。















 僕は彼女と共に、喫茶店に向かうこととなったが、この時の僕は気づいてなかった……。










 彼女との出会いによって、僕の運命が大きく変わってしまうということに……。










天城

「どうも! 初めての方は、初めまして!! お久しぶりの方は、お久しぶりです!! 駄文しか書けない天城です! そして……」

恭介

「天城の初小説、『学園戦記 無限学園!!』で主人公をやっていました! 天堂(てんどう)恭介(きょうすけ)です!」

由美

「そして『学園戦記 無限学園!!』でヒロインをやっていた千堂(せんどう)由美(ゆみ)です! ヤッホー♪ みんな覚えてる?」

天城

「さて、この二人と私、そして新主人公と共に後書きコーナーをやっていきます! では新主人公の登場です! どうぞ!!」










結希

「ど、どうも! は、ははは初めまして! し、新主人公の……真城結希……です……! よ、よよよよ、よよよろしくおねがいしましゅ!!」

天城

「噛んだ……」

恭介

「噛んだ……」

由美

「噛んじゃったね♪」

結希

「ご、ごめんなさい!!!!m(_ _)m ま、真面目にやりますので!! どうかご勘弁を!!」

恭介

「おい、作者……。大丈夫なのか? こんな主人公で……?」

天城

「大丈夫だ! ………たぶん……」

恭介

「たぶん!?」

由美

「でも可愛い子だから、由美はいいと思うよ♪ …………いじりがいもあるし……♪」

結希

「ヒィッ!」

恭介

「おいおい……(-.-;) で、新主人公」

結希

「は、はい?」

恭介

「新が付いて、主人公だから必殺技の一つか二つはあるんだろ?」

結希

「え!?」

恭介

「え!? ってなんだよ。主人公だから必殺技を持っているもんだろう? 主人公は必殺技を持っているなんて常識だ」

結希

「えええええええええぇぇぇぇーーーーーー!!!!!? そ、そうなんですか!?」

恭介

「当たり前だ。主人公なら誰でも持っているんだぞ。とある主人公は右手でいろんな幻想をぶち殺しちゃうし、ある主人公はゴムのような伸びるパンチをしたり、影分身ができる主人公だっているんだ。主人公=必殺技の持ち主と言っても過言でもないくらいだぞ」

結希

「そ、そうなんですか……。で、でも僕は必殺技なんて……」

恭介

「ばかもんがっ!!」

結希

「へ!?」

恭介

「必殺技も無いのに主人公を名乗るんじゃない!! 全ての主人公さんに謝れ!!」

結希

「うわあああああーーー!!!! ご、ごめんなさい!!! 必殺技が無いのに主人公を名乗ってすいませーーーん!!!」

恭介

「まったく……次回までに必殺技を作って来い!!」

結希

「す、すいません!! 次回には作ってきます!!!」

恭介

「よし!!」

由美

「……結希君、可哀想……」

天城

「あれだな。意地悪な先輩が気弱な後輩を苛めている光景だな」

結希

「と、ところで一つ聞いていいですか?」

恭介

「なんだ? この偉大なる主人公先輩、天堂恭介になんでも聞きなさい!!」

天城

「……調子に乗っているよアイツ……」

結希

「恭介さんの必殺技ってなんですか? 偉大な先輩はどんな必殺技を持っているんですか?」

恭介

「へ!? あ……その……聞きたいの……?」

結希

「は、はい! ぜひ今後の為に!!」

由美

「あ~~~あ……」

天城

「どうするんだアイツ……」

恭介

「…………………………ディ……」

天城・由美・結希

「「「ディ?」















恭介

「ディ○インバスター……」















天城

「おい……」

由美

「それってなの○さんの……」

恭介

「ち、ちげーし! 俺があいつに教えたんだよ!! わ、忘れたのか!!?」

天城

「いや、そんな設定じゃないし!! ていうか前回の作品ではなの○さんはお前の先輩という設定で――」

結希

「す、すごいです!! ディ○インバスター!! なんかすごい必殺技じゃないですか!!」

天城・由美

「「ええええええええええぇぇぇぇぇぇーーーー!!!!!? 信じちゃっているよこの子!!!」

恭介

「そ、そうだろそうだろ!! ア、アハハハハハ!!!」

結希

「恭介さん! 次回の後書きコーナーで、その……ディ○インバスターを見せてくれませんか!?」

恭介

「アハハハハハ……え!?」

結希

「僕、恭介さんのおかげで新主人公として頑張っていこうと思います! 読者の皆さん! こんな僕ですが、こ、これからもよろしくお願いします!! では次回予告です!!」

恭介

「あ、あの……次回やるの!? 俺、やらないといけないの!? あれ!? もしかして俺ピンチ!?」

由美

「し~らない」

天城

「ガンバレキョウスケww」

結希

「次回は僕が出会った謎の美少女についての話です。彼女は何者なのか、そして彼女の秘密とは? 次回も頑張りますので応援よろしくお願いしましゅ! ってまた噛んだ!!」

由美

「アハハハハww 次回もよろしく!!」

天城

「感想もお待ちしています!! では次回もお楽しみに!!」















恭介

「……も、もしもし? なの○さんですか? あの……次回の後書きコーナーで、ディ○インバスターを一発撃ってくれません? え? 忙しい? あ、すいません……。はい、では失礼します。…………………どうしよう!!!? とんでもないことになってしまったよ!! ていうか記念すべき第一回の後書きコーナーでなんでこんなことになるわけ!? 誰かヘルプミーーーーー!!!!!」

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