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一日のはじまりは

作者: REN
掲載日:2011/06/30

1ページの作品を作りたくて書いてみました。

物語の始まりを予感させるような内容になってればよいなと。

ミーちゃんの朝は早い。

と、言っても6時起床、7時に家を出るから、そんなには早くないかな。


けれど、いつも遅刻ギリギリだったミーちゃんにとっては早い。

ここ、3ヶ月程続いている。


「いってきますぅ」


半分眠たそうな顔で出かけるミーちゃん。

彼女には目標がある。


下駄箱で靴を履き替えて、チラリと斜め下、左から3列目をのぞき見る。

そこには、まだ内履きズックが置かれている。


「やたっ!」


小さくガッツポーズをして、急いで階段を駆け上がる。

けれど、教室の前では静かに、そしてゆっくり扉を開く。

部活動に出ている人のスポーツバックがチラホラ。

チラリと横目で教室内を確認しながら、最後の視線は一番前の窓側。


教室に入るときは、必ず教壇側の前扉から。

そのまま窓際まで歩いて。


「おはよ」


そっと、左手で机を撫でるように触りながら、その後ろの自分の席へ。


ガラガラッ!と勢いよく開いた教室の後ろの扉。


「やっべ!遅刻したっ!」


周りの机にぶつかりながらジグザグにやってくる。

彼の席はミーちゃんの前。


「おはよ。今日も早いのな」


早口な挨拶。

投げるように放り出されたかばんと、学生服。

ミーちゃんが『おはよう』の『お』を口から伝えようとしたときにはもう遅い。

彼はすでに教室にはいない。


顔を上げて、視線を合わせるだけで精一杯。

でも、視線が合えば幸せ一杯。


だから、ミーちゃんの朝は早い。


彼の視線を独り占めするために。


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