表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『全財産ニキ』の異世界ガチャ生活  作者: 錦来夢
第2章 三者の黙示録
20/23

第20話 美少女温泉百景 俺の隣を争奪戦

「ご主人様、もっと欲しいにゃ♡」


 メリーヌの寝言で目を覚ました。


「そういう寝言は、起きて言え」


 結局、戦闘狂の聖女は来なかった。来そうな気配もない。

 いや、毎回当たり前に来てたまるか!!


 左にメリーヌ、右にライア、上にアリス、毎日が


 美 少 女 三 昧 !


 この幸せを脅かす奴らは御退場願いたいものだ。もちろん俺は戦わないけどさ……


 とりあえず大丈夫そうだし、みんなで拠点に戻ろうか。


 いっぱい召喚したSSSRの子達も

 俺を警護しながら交代で見張っててくれたようだし、

 ねぎらいついでに今日はみんなで……


 温 泉 だ !!


 

 * * *

 


 小鳥のさえずりが心地よく響く。

 木漏れ日が差し込む静かな山奥の拠点——その近くに、堂々たる天然温泉があった。


 天然温泉……それは、この異世界に存在する数少ない“最高の幸福装置”である。


 湯の表面には小さな泡が立ち、誰かが入るたびに輪のように広がっていく。

 石造りの湯船の縁に手をつきながら、俺は、しばし世界を忘れた。


「よし、今日の一番風呂は俺のもんだ!」


 俺は裸一貫、勇躍ダイブした。

 じわぁ~~っと熱が広がる……ッ。染み渡る……ッ!


 

 最初は地面のくぼみにお湯が沸いていただけだった。

 それは熱い泥水だったわけだけど、うちのリリーにちゃんと整備してもらったからな。 今じゃ立派な岩風呂だ。お湯も割と綺麗だし深さも丁度良い。

 周囲も広く岩を敷き詰めてある。とても密林のジャングルとは思えない風景だ。

 見るからに温泉、これぞ温泉、日本人が愛してやまない温泉そのものだ!


 ——そして俺は確信した。

 これぞ最強の保養施設だ!


 だが——油断してはいけない。

 このゆったりした楽園にも、必ず“やつら”がやってくる。

 しかも今日からは人数が増えてやたらと騒がしくなるはずだ。



「ふふ、ご主人様ったら、覗いてほしい顔してる♡」


 湯気の向こうから優雅に現れたのは、踊り子のマリポッサ。

 腰まで伸びた黒髪を片手で持ち上げ、片脚ずつ湯へと沈めていくその仕草は、まさに舞踏のようだった。


「……どうだ、マリポッサ、これが温泉だ!」


「はい、ご主人様。ならこの“幻影のヴェール”、脱がないとね♡」


 バシャァン!



「マリポッサったら大胆ね。」


 タオルで厳重に隠して入ってきたのは、魔女っ娘フローラ。

 生真面目な仕草が愛らしい、メイド服が似合いそうな清楚ヒューマン女子だ。

 だが見た目に騙されちゃいけない、仮にもSSSR、メイドな訳がない。


「あ、ご主人様、ちょっとタオルが──きゃっ!?」


 ツルッ!


 ドシーン!


「ご、ごめんなさい!ご主人様の上に……って、どこ触って……ひゃああああ!?」


 ……これは事故だ。完全に事故である。全く問題ない。


「ご主人様、あの、視線が……」


「気にするな。ここは温泉だし、俺しか見てないから大丈夫だ。」



「もう……やっぱり裸族ばっかりだと落ち着かないの」


 そう言って転がり込んできたのが獣戦士、犬っ娘のクレマリーだ。

 犬人族の彼女は、頬を赤くして垂れた耳はいかにも恥ずかしそうといった感じだが、尻尾をブンブンふって大興奮だ。


「ほらっ、私の方が先に来てたんだからご主人様の隣は私なの!」


「犬人族は、語尾が『ワン!』じゃないのか?」


「私はそんな事いわないの!」


 クレマリーはしっぽをバシャバシャさせながら、湯の中でくるくる回っていた。


「ふふ、しっぽってね、気持ちいいと勝手にふわふわしちゃうの♡」


 嬉しそうな顔と恥ずかしがる態度が同居していて、逆にこちらが照れてしまう。


「しっぽもふもふしても、いいけど……内緒だよ?」



「ふふふ……賑やかねぇ」


 湯船の端にスルッと入ってきたのは、艶やかな赤髪と艶かしい微笑みのアサシン、ローズ。

 肌をなぞるようにお湯を撫でるその仕草が、全員の警戒を引き起こす。


「はぁい、悪戯はしないわよ。ただ——ご主人様を“味見”くらいなら♡」


 いや、ローズ、お前ほんとに“味見”って言ったよな?

 それフツーにやべーやつだぞ。

 ……でもちょっとだけ、それはそれで、アリかもしれない(いやダメだ)


「「「「だめですうううううううううう!!!」」」」



 ドボォン!!


「クォン!? ゆ、湯が熱ちちだコン!」


 勢いよく飛び込んできた狐っ娘リンクスは、狐人族の元気っ娘。

 耳がぴくぴく震え、尻尾からしゅうしゅうと湯気をあげている。


「だってね~、こっちの匂いすごく気持ちぃコン!……ご主人様もふもふしてもいいコン?」


「いや、俺がされる側じゃね?」



 そのとき、後ろから何か圧……いや、視線?を感じ取った。


「……!?」


 ちらっと後ろを振り返ると、アラクネのシャルルだ。


 腰から下はクモのような8本の足。腰の位置が低いので誰よりも背が低いが、

 足を延ばしたら、多分2メートルくらいはありそうだ。そこまで伸ばしてるの見たことないけど。でも足一本一本がカマキリのカマみたいで怖いんだよね……言えないけど。


「ま、また来てしまったわ。……ご、ご主人様……わたし……その……」


 恐ろしそうだけど、内気な少女だ。もちろん乱暴された事なんてない。

 巨大な蜘蛛脚と恥じらう乙女というギャップが、ある意味一番危ない。


「シャルル!その足、湯をかき回しすぎ!熱いってば!!」



 最後に——風が一陣吹いたかのように、気配もなく現れたのは、ヴァンプのキュリナだ。


「こんな騒がしい場所に、貴族たるヴァンパイアが来るとでも?」


「えっ、来てるよね?」


「ふっ、来たのではない……見下ろしているのだ。湯煙の中、夜の女王は孤高に立つ」


「つまりそこに突っ立ってるだけで入ってこないの!?冷えちゃうよ!?!?」


「キュリナはお湯が苦手なんだよねぇ。こっそり夜中に水浴びはしてるみたいだけど。」

「おだまり、マリポッサ」


 ザブン、と湯に飛び込んだのはジェシカだ。そして豪快に入ったと思うと、さっと立ち上がって頭を振る。


 ぷるぷるぷるぷるっ!!


「うわっ!?ちょっ、お前、それ水しぶきがっ!」


「あっ……!? 主殿、これは失礼した、ついいつもの癖で。」


 そしていつもの、アリス、ライア、メリーヌ、それからリリーも入って来る。


「ご主人様の隣はメリアーにゃん♡」


「じゃあ私は正面からだっこね」


「だーめ、ご主人様の隣は私なの!」


「ぼくもたまには甘えたいよー」


 ツルッ……ズデーン!


「ちょっ、ぼくの作った風呂で転ぶとか!むしろ技術の勝利!いや敗北!!」


「ご主人様の目の前で、リリーったら大胆ね。」


 ——こうして、今日も俺の入浴タイムは、

 美少女たちによって平和に(?)乱されていくのであった。


 ——そして俺は確信した。

 これぞ最強の目の保養施設だ!


 なーんて、世界はとんでもないことになってたりしてね。


 

 * * *

 


 その頃、王都ファルミナでは——


「報告します。聖女アリア・セレスティアが……死亡しました。勇者が勝ったようです。」


 王国は静まり返った。誰もが、耳を疑った——  あの聖女アリアが、人類最強が敗れた……



ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

感想・レビュー・ブクマ、超励みになります!

「面白い!」

「もっと続きが読みたい!」

そう思ったら、下にある☆☆☆☆☆から、

「全財産ニキ」の応援お願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ