砂を操る考古学者
エルサ視点
ファルコが目の前で倒れた時、アズイマはすっごくショックを受けてたよぉ。あの時の「事故」を思い出しちゃったみたい。でも今回は前よりも反応がひどくて、パニック発作まで起こし始めてたんだぁ。
アディティヤ:「どうして? 手遅れだったの?」
エルサ:「ううん、ファイア・スコーピオンの毒はそんなに回りが速くないから、まだ時間はたっぷりあるはずだよぉ」
アルタ:「じゃあ、彼に何が起きたんだ?」
エルサ:「分からないよぉ」
フィアンが、ファルコが落とした解毒剤の注射器をチェックしたんだぁ。中に残ってた液体を自分に打って確認した後、フィアンは安心したようにため息をついて、トリヤに注射器を見せたよぉ。
フィアン:「麻酔を入れすぎだ。アイツ、これのせいで寝ちまったんだな」
ファルコが無事で、ただ麻酔で眠りこけてるだけだって分かって、みんな安堵のため息をついたよぉ。
トリヤ:「ごめんなさい。わたくしもパニックになってしまいましたの」
でも、アズイマにはフィアンの声が届いてないみたいだったよぉ。彼女はファルコをきつく抱きしめたまま泣き続け、パニックがひどくなる一方だったの。容態が悪くなる前に、ウチらは急いで彼女をなだめに行ったんだぁ。
コリ:「アズイマ! 聞きなさい! アズイマ!」
イナ:「アズイマ! 落ち着いて!」
優しく言っても聞こえないみたいだったから、ウチらは大きな声で呼びかけたよぉ。
エルサ:「本当にごめんねぇ、アズイマ」
ウチは彼女の意識を向けるために、彼女の頬を軽く叩いたんだぁ。
エルサ:「アズイマ! 聞いてぇ! ファルコは大丈夫だよぉ、ただ寝てるだけ。だからお願い、落ち着いてぇ」
これでようやくアズイマは落ち着きを取り戻して、抱きしめる力を緩めて、希望に満ちた目でウチらを見たよぉ。
アズイマ:「……本当ですか?」
トリヤ:「ええ! わたくしが麻酔を多く入れすぎてしまったせいで、あのようなことになってしまったのですわ」
トリヤ:「信じられないのでしたら、ご自身で彼の鼓動を確かめてみてはいかがかしら?」
アズイマはファルコの胸に耳を当てたよぉ。規則正しい鼓動を聞いて、ようやく彼女は安心したみたい。それから、ウチとコリは、顔を見合わせながら何か悪だくみを考えてそうなフィアンとアディティヤを蹴っ飛ばしたんだぁ。
フィアン:「痛っ! 何するんだよ?」
エルサ:「アズイマを助けてあげてよぉ! いつまであんな風にファルコを抱きしめさせておくつもりぃ?」
アディティヤ:「分かった、分かったよ。でもそんなに蹴らなくたっていいじゃないか。他の皆に頼んだっていいんだし」
コリ:「いいから! アンタら、また馬鹿なこと考えてる顔してるわよ。さっさとアズイマを助けなさい!」
アディティヤ&フィアン:「アイアイサー、マダム」
アディティヤとフィアンは、ファルコを持ち上げるためにアズイマを助けに行ったよぉ。
最初は離そうとしなかったアズイマも、粘り強い説得の末にようやく手を離してくれたけど、それでもファルコのそばを離れようとはしなかったよぉ。トリヤが近くの東屋に案内してくれて、フィアンとアディティヤにファルコを折りたたみベッドに寝かせるように指示したんだぁ。アズイマはベッドの横に座って、彼を寝かせる間もずっとファルコの手を握ってたよぉ。ウチらは少し離れたところで、東屋でリラックスすることにしたんだぁ。
トリヤ:「して、あの方はどなた? わたくし、アズイマがあんな風に取り乱すところなんて見たことがありませんわ。……もしかして、彼女の旦那様かしら?」
アディティヤ:「いや、どちらかというと彼女の『王子様』かな」
トリヤ:「あら?」
ウチらはトリヤに、知っている限りの二人のことを話してあげたよぉ。
トリヤ:「まあ、なんて素敵なお話かしら」
それから、ウチらはトリヤにここへ来た理由を説明したんだぁ。話をしている最中、外からザワザワとした音が聞こえてきて、ウチらは注意を向けたよぉ。
イナ:「何の音?」
トリヤ:「砂嵐ですわ。ですからわたくし、この砂のドームを作りましたの」
アンジャス:「アンタがここを造ったのか?」
トリヤ:「いいえ、このドームだけですわ。わたくしの能力は、砂を意のままに操ることができますの」
デラ:「では、我らを助けるためにあの砂のゴーレムを送り込んだのも、なんじであったか?」
トリヤ:「ええ。幸い、間に合いましたわ」
コリ:「それで、チームのことだけど、アンタも参加してくれる?」
コリ:「いつもならアズイマが聞くんだけど、あんな状態だからアタシが代わりに聞くわ」
トリヤ:「ええ、喜んでお受けいたしますわ」
ライアン:「最高だ! あとはアンちゃんが目を覚ますのを待って、この地獄みたいな場所とおさらばするだけだな」
トリヤ:「それほど悪い場所ではありませんわよ」
リスキ:「アンタにはそうだろうけど、俺たちには勘弁だぜ」
その時、アズイマの歓声が聞こえて、ウチらは一斉に彼女の方を向いたよぉ。ファルコが目を覚まし始めて、アズイマは本当に嬉しそうだった。ファルコが少し唸りながら起き上がろうとしたので、ウチらは近づいたんだぁ。
ファルコはアズイマに握られたままの自分の手を見て、それから彼女に微笑んで、優しく彼女の頬を拭ったよぉ。
ファルコ:「心配しないでください、姫。私は大丈夫ですよ」
彼はそれからトリヤに向き直った。
ファルコ:「……あの解毒剤に、どれだけの麻酔を混ぜたのですか?」
トリヤ:「パニックになってしまいましたの、ごめんなさい」
ファルコ:「まあ、いいでしょう」
ファルコ:「ドームを開けていただけますか?」
トリヤ:「でも、外は砂嵐ですわ」
ファルコ:「嵐はもう過ぎ去りました。ご心配なく」
トリヤがオアシスを囲んでいた砂のドームを開けると、ファルコの言った通り、さっき聞こえていた砂嵐は完全に止んでたよぉ。ファルコが手首の小さなコンピュータを操作すると、すぐにジェット機がやってきてオアシスの外に着陸したんだぁ。
ドウィヤン:「ここは空からは見えぬと言っておったではないか?」
ファルコ:「はい。ですが私の体には発信機が埋め込まれていますから、ジェット機は我々の座標を追跡できるのです」
ファルコ:「行きましょう」
ファルコはジェット機に乗り込み、コックピットに向かおうとしたけど、ウチらが止めたよぉ。
フィアン:「待て! マジで運転するつもりか? アンタ、麻酔で気絶したばっかりだろ」
ファルコ:「……それもそうですね。まだ少しめまいがします」
ファルコはコックピットの何かを起動させたよぉ。
ファルコ:「コンピュータ、家に帰りますよ」
ジェット機のシステムが自動的に起動して、帰路につき始めたんだぁ。
道中、ファルコがふらつく頭を押さえてると、隣に座ってたアズイマが自分の太ももを叩いて、彼に微笑みかけたんだぁ。
アズイマ:「もう一度横になってはいかがですか、私の王子様?」
ファルコ:「……本当によろしいのですか、姫?」
アズイマは微笑んだまま頷いた。ファルコはそのまま横になって、アズイマの膝を枕にしたよぉ。それを観察してたトリヤが、また質問してきたんだぁ。
トリヤ:「本当に、お二人は結婚なさっていませんの?」
アディティヤ:「いや、少なくとも『まだ』はね……たぶん」
ウチらは二人を邪魔しないように、静かにおしゃべりしながら休ませてあげたよぉ。屋敷に着いた時、アズイマはウチらに静かにするように合図して、彼女の膝の上で眠っちゃったファルコを起こさないように、先にジェット機を降りるように言ったんだぁ。アズイマは愛おしそうに、そして名残惜しそうにファルコを見つめながら、彼の頬を優しく撫でてたよぉ。ウチは急いでスマホでその美しい瞬間を写真に撮って、二人を残して降りたんだぁ。でも、そうしたのはウチだけじゃなかったみたい。他の皆も、しっかりその瞬間をカメラに収めてたよぉ。




