”前世で転生転移最強無敵無職無双おれつえ追放ざまあ令嬢乙女ゲーMMOなろうを読破した俺は無敵”
ずっとここにあるんですよ
自分ひとりじゃよくわかんなくてですね
ほかの人の感想も聞いてみたいなって
だから一緒に考察してもらえないすかね
ーーろ」
どさ
背が地面に落ちる
落ちる?
今確実に轢かれたよな?
轢かれた方向に吹き飛ばされてから転がるなりして着地するならわかるが
しかし今のは真下へ自由落下である
落下した先には敷積された石も相鉄もない
そしてなぜか落下の衝撃もさしてない
地面をまさぐって触れた感触は
砂
目は開いている
はずだか
暗い
この世で不可解な暗闇ほど不安を煽るものはない
立つか
立てるのか
四肢を駆使して体を持ちあげる
どうやら四肢は生きているらしい
どころかひと傷も負っていない
ゆっくり盲目が覚めはじめて
空が見える
そこには
どこが川かもわかない天球があった
地上の生気をすべて吸い上げて代わりにその役目を空が担っているような
あまた群がる星どもが我こそはと凄まじい勢いで自己を主張してくる
しかしそれ以外何もない
吸い上げられ枯れ果たした地上は一明かりもなく無力に死に曝している
幾ら上ばかり明るくても前が見えなければ意味がない
というか
ここどこだ
天国
地獄
黄泉の国
いや
多分違うんだろう
だとしたら
そういうことなんだろう
死んだ
んだろう
死んだ後にくる場所として挙げるならば
天国か地獄かそのあたりが妥当だろうが
ここは天国でも地獄でも
いや地獄と言われればそうなのかもしれないけれど
多分違う
足場は見る限り砂ばかりで
言わば砂の天国とも地獄ともいえるけれど
違う
違うはずだ
希望的観測
無根拠な期待
言われても仕方がないけれど
言うやつもいないんだからいいだろ
俺には
絶対的確信がある
ここは
異世界だ
にじり寄る闇の不安より
不明瞭な世界への恐怖より
せりあがる期待に高揚が口角を持ち上げる
異世界転生
チート最強無敵スーバーウルトラアルティメットスーパーハイパー能力ひけらかしてモブにちやほやされながら美少女侍らせて気持ちよくなる
そんな世界に転生した
それなら
できるのか
魔法が
冒険が
現世にあった幻想が
いやもう前世なのか
その前世で読み漁って観漁っていた
本当に何の生産性もないあの時間が
ここでなら活かせる
そんならもうこんな世界
攻略したも同然だ
うん
別にいいんですけど、、、
そのまえに
なんであんなところにいたんですか?