アードベッグ 10年
地元の商店街は音楽イベントや特売イベントに力を入れている。その一環で始まったのが以前参加した『ちょい飲みイベント』だった。
仲の良い同僚と2人、専用チケット8枚綴り2400円を1セット購入して参加する。
イベント内容は確か、対象店舗にてチケット2枚で酒1杯とおつまみのセットがちょい飲み出来るといったもの。新規客を回転よく呼び込み、複数店舗をはしごしてもらおうという面白い発想だった。チケットが余っても後日、商店街の飲食店以外の店でも金券として使えるとされていて実に良心的である。
さて、そこでお邪魔したお店の1つ。駅前の小さなビストロで、以前から気になっていたがなかなか利用する機会がなかった。
これは良い機会を得たということだろう。
アンティークな扉を開けると、本当に小さな店内のカウンターは常連客で賑わい、私達は2人掛けのテーブルに通された。
チケットを出すと選べる酒の種類を告げられる。相方はビールを、私はウイスキーの水割りに挑戦した。
私は別にウイスキー党というわけではない。しかし、以前から興味はあった。それに折角なら普段飲まないものを試してみたかった。
銘柄は『アードベッグ 10年』
後日調べたところによるとスモーキーなスコッチとのこと。
まずはおつまみの前菜3種盛り。テリーヌ等どれもおしゃれで凝ったもので、さすがビストロ!味も素晴らしかった。
そして主役のウイスキー。
ワイングラスで供されたそれを舐めるよう1口含んでみる。すぐに煙るような香りが鼻を抜けていった。アルコール度数は高いはずなのに、安い蒸留酒によくある刺々しさが全く感じられない。
端的に言って、衝撃だった。
今まで飲んできた飲み放題のハイボールのウイスキーではない。飲み方の違いだけではない酒そのもののポテンシャルの違いをまざまざと見せつけられたのだ。
この体験が、私がウイスキーの世界に興味を持つきっかけとなったのだった。