第4話 第1回宇宙戦闘もどきからの考察
UFO戦後の状況分析と対応策の検討回となります。
相手の戦力が判らない中での対応策の検討など、ほとんど意味がないのですが、
まともにぶつかるまでに何とかしなければならないのですから・・・。
でも、相手が強そうだな。
縄文時代に転移して来てから5000年が過ぎた訳だけれど、まさかUFOが遺伝子異常の原因だったとは、流石に想像できなかった。
今までも自然発生説や人工物説などいろいろな説が有ったようで、中には隕石による外宇宙からの飛来説なんていうのも有った。
実際にはUFOによる破壊工作のようなものだったとは、事実は小説より奇とはよく言ったものだ。
現在も、俺は時空転移装置内で待機中だ。
大型スクリーンにはUFOの人工衛星軌道への接近から離脱までの一連の記録が映し出されているが、何度見ても発見から人工衛星軌道までの接近時間が少なすぎるよな。
短距離ワープでも行ったんだろうか?
ぜひ、何が起こったのか解明してもらいたいものだ。
地球上の全住民に対して発令されていた避難警報は既に解除され、地下避難所に避難していた住民は順次元の生活地域へと帰っている。
特に戦闘が起きた訳ではないので地上に被害は無かった事から、何が起きたのかさっぱり分からず、みんなキツネにつままれたような表情をしていたが、何はともあれ平常に復帰するのはすぐだろう。
住民にしてみれば、訳が判らず不安に思う事もあるだろうが、これ以上混乱が起きるのは避けたいので、緊急時の避難訓練を行った事にして、差し当たっての問題はない事を各地の統治用アンドロイドからの声明として伝えてもらった。
詐欺みたいな感じもするが、本当の事を知らせても問題があるので、もう少し説明できるような情報が揃うまで待ってもらいたい。
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今回散布された遺伝子異常因子は脅威とならない事が判明したので安心できたが、次回同様の事態が発生した場合はどうなるか判らない。
その為、今後の対応についての検討を早急に行い、それが十分効力が有る事を検証しなければならないから、マリアと話し合いは長い時間が必要となった。
その間の各地における再開拓の指揮は現地のヒューマノイド達に任せる事になっている。
彼らは常にマリアと繋がっているから、どのような事態が発生しても遅滞なく必要な指示が出されるので、俺が現場にいる必要はないのだけれどね。
『地球の防衛における基本方針としては、今後もUFOとの直接戦闘は出来うる限り避ける事とします。
しかし、今回の事態から考えるに、何時までもこの状況を維持できる訳はないという事ははっきり分かりました。何とか、彼らの科学力に対抗できる方法を開発して、人類の安全を守らなければなりません。』
「それには同意するね。ただ、問題になるのは相手の戦力が判らない事だと思う。
これまで、彼らの行動から科学力を推定する事で、我々の戦力を整えて来た訳だけれど、今回の遭遇によって不十分であることが判ってしまったからね。
何とかして、相手の正確な科学力と戦力が判らないものかな。」
これも推定となってしまうが、次の侵攻まであまり時間がないと思われることが最大のネックになりそうだ。要するに時間がないのである。
推定される最短時間で、何とか防衛線力を形にしないと、それこそ人類の未来はないのだ。もう、なりふり構わず全力で頑張らなければならない。
少しでも時間稼ぎが出来るように、今まで以上に外から分からいよう隠れて準備を行わなければならないだろう。
命がけのかくれんぼになりそうだな。
『まず、最初にUFOの早期発見の為のシステムを見直します。
今回の発見の遅れから考えて、UFOは何らかの短距離遷移方式が使えると思われます。
元々、太陽系外から地球軌道までの侵入経路は確定していて、それに沿って捜索網を構築して来ましたが、今後、地球軌道から太陽系外に渡る侵入経路上の探知センサーに追加して、太陽系外縁部からUFO母星と思われる方向に向かって2光日(48光時)の範囲に重点的に探知センサーを配置します。
何処から短距離遷移を行うのか判りませんが、それ程極端に離れた所からの遷移ではないと想定されるので、これで侵攻に対する準備時間をある程度確保できると考えます。』
やはり、要撃の3要素(発見・識別・要撃)のうち、早期発見が大事なんだよな。
「どこから資材を運ぶんだ?」
『太陽系外縁部より外側には結構小惑星規模の天体が有りますから、そこから調達する予定です。
出来るだけ近場から運んだ方が時間も短縮できますから。』
そりゃそうか。アステロイドベルトから運ぶより早いだろうからな。
『更に、21世紀に準惑星に降格されてしまった冥王星内部に、外宇宙監視用の基地を建設し、ここに宇宙船の建造工廟も作ります。
今後は、ここで戦艦を含む戦闘用宇宙船を建造して配備し、UFOが進入してきた時に後方から攻撃できるようにします。
これらの資材も、同様に近場から調達予定です。』
まあ、某宇宙戦艦のような一撃必殺の決戦兵器を搭載した戦艦は出来ないと思うが、超電磁砲やレーザー砲などを装備することは出来るだろう。
反陽子弾は作れないのかな?結構な威力が期待できると思うのだが。
次に考えなければならないのは、遺伝異常因子除去装置の開発かな?
UFO側が何時効果の確認に来るのか不明だが、恐らく目立たないように地球に侵入し、サンプル用の地球人を拉致して連れ帰り、検査・分析等を行うのだと思う。
簡単な検査で判る事なら、短時間で血液を採取し検査するという方法もとれるかもしれないが、未来で遺伝子異常を見つけ出すまでに掛かった時間とそれに掛かった科学者の数を考えると、いくら地球より科学力が発展していると考えられるUFO側にしても相応の時間が掛かると思うので、地球人を直接調べる方が確実だと思う。
その際に拉致されると思われる人数は判らないが、あまり少数ではサンプルにならないので、統計学的にもある程度の個体数が必要だと考えられる。
まあ、一地域から大人数が拉致されるような事が有れば何らかの痕跡が残って、未来でも確認されていた事だろうから、どれほどの規模で行われるのかは分からない。
UFO側の最終的な目的も不明なので、何処までやるのかは推測の域を出ないんだよな。
もしかしたら、元の時代に発見されていた各地に残されている壁画などに、その情報が残されているのかもしれないけれどね。
もちろん、そう簡単に地球人の拉致など許すつもりはないが、下手に阻止してしまうと、こちらが気付いている事がUFO側にバレてしまうので、どのように防止したら良いのかも決められず、少し不安になる。
早期警戒網を更に充実させて、もっと早い段階で発見し、何とか相手に分からないような妨害が出来れば良いが、何とかならないものかね。
『UFOの月基地も問題ですが、今の段階で迂闊に手を出すわけにはいかないので、暫くはかくれんぼ状態でしのぐしか無いでしょうね。
対策の検討が急がれますが、現状、良い方法は見つかっておりません』
「そうだろうな。月は近すぎるから、何をやっても丸見えになってしまうのが難点だよ。
そうだ、UFOが地球の衛星軌道まで来たら、UFOと月の間にバリアーを展開して、月側にプロジェクトマッピングの要領で地球の映像を映して誤魔化すことは出来ないかな?」
『バリアーにプロジェクションマッピングですか?
出来そうですね。思い付きませんでした。そんな方法が有ったんですね。』
「ついでに、UFOの侵入経路方向にもバリアーを展開して、通信を妨害できないか?」
『どれ位の範囲にバリアーを張ればよいか、検証してみます。
それほど長い時間維持する必要はないでしょうから行けると思いますが、通信の妨害は初めてですから、少し慎重にいきましょう。』
まあ、UFOが帰ってこなければ、何らかの異常事態が発生したとUFOを派遣してきた者達も考えるだろうが、緊急信号も救助信号(もしも有ったら)も受信できなければ、何処で行方不明になったかも判らず、捜索から始めなければならない事になり、かなりの時間が稼げるのではないだろうか?
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今回使った地下待避所は短期間用の避難場所として作られた物なので、一応地球の全住民の収納は出来たし、1日程で開放された事から特に問題は起きなかったが、小さな問題は有ったようで、色々と使い勝手も悪かったようだ。
避難した人達に無作為で出口アンケートを行ったが、回答内容を解析した結果、結構不満が有る事が判ったのだ。
まあ、そうだよな。
それなりの大きさは有ったけれど、やはり閉塞感という物は拭いきれなかっただろうし、生活を一時的にも中断しなければならなかったのだから、不安や不満はあって当然だ。
この際、現在の地下退避所を改善する為に大規模なレベルアップをして、長期的な生活が出来るように大都市並みの居住空間と仕事場所等を作ってしまおうか。
そして、常に全住民の何割かを実際に住まわせて慣れてもらうと共に、万一退避が間に合わないような事態が発生した場合には、最低でもその時地下で暮らしていた住民は生き残り、全人類の全滅といった最悪の状態になる事は避ける事が出来るようにしておくべきだろう。
1/3程でも域の頃事が出来れば、地球人類として挽回する事もできるはずだ。
地下都市には人口太陽を設置して昼と夜の区別を作り出し、会社などの勤め先や学校に医療機関、スーパーマーケットにコンビニなども用意する事で地上と同じ暮らしを続けられるようにする。
その上で地球人類にローテーションで1/3位ずつ地下都市に住んでもらい、地下での生活に慣れてもらう。
もちろん、地下都市に常駐を希望する者は、そのまま仕事が出来るようにする。
さらに、最低年に一度は全住民に対して地下都市への避難訓練も行い、迅速に避難が出来るようにしておくことも大事だろう。
地下都市同士の間で連絡が取れるように通信網の整備や、その内、相互に移動が出来るような地下輸送網の構築も必要になりそうだな。
深深度の地下鉄なんかできたらいいけれど、色々と問題が多いだろうから要検討という事でマリアに考えてもらおう。
こちらで対策する事で効果が確認出来なければ遺伝子異常因子も改造されていくかもしれないから、それが再散布された場合、除去にどれ位時間が掛かるか判らない。
その為、避難の期間も長期にわたる恐れがあるからな。
地下都市の拡大建設は絶対に必要として、近場から随時始めて行こう。
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どこかのアニメで“無限に広がる大宇宙”という表現が有ったが、太陽系圏から外に出ると、その表現が身近に感じられる。
各種センサーを設置する為に無人ポッドが太陽系外に進出し、UFOの侵入経路に沿ってセンサーを設置していく状況を、壁の大型スクリーンで見ていると、その背景に見えている宇宙空間から、そんなことを想像してしまった。
俺が生活していた時代でも、宇宙望遠鏡などの映像で、静止画像などにより見ることができたが、リアルタイムで実際の映像を見ていると、やはり違った感動を覚えるものだ。
そこまで行くには少し時間が掛かるので、現場を体験する事はまだ無理なのだが、その内時間が取れる様になったら、行ってみたいと思う。
UFOの行動に対する対応策が後ろ向きなものばかりになってしまって、少し憂鬱になってしまった。
しかし、地球の状況をUFOに隠し続ける為には、表立っての行動は控えなければならない。
UFOを無傷で拿捕することができたり、どこかで化学的な大規模なブレークスルーがおきて、確実にUFO側を上回ると信じられる力が手に入れば、積極的に動くことができると思う。
「宇宙〇争」の火星人のように地球上の細菌などがUFO側にとって致命的な威力を持っているなんて事にならないかね。まだ判らないけれどな。
実際に戦闘状態に突入するのは最後の手段だという事は変わらないけれど、何時かは間違いなく戦いになるだろう。
それが避けられない事であるのならば、マリアのデータベースも再度徹底的に洗いなおして、未来科学の成果の中から、何かしかの有効的な対抗手段を見つけることに期待しよう。
縄文時代までタイムリープできる科学力が有ったのだから、使い方によっては強力な力になるものだってきっとあるはずだ。
遺伝子異常の原因が判明しました。
しかしUFOの脅威に対抗できるのかが問題になってきます。
人類の未来は滅亡を回避できるのでしょうか。
宇宙船地球号の向かい先に光は有るのか。
これからも宜しくお願い致します。




