表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人類改造記:現代のおっさんと未来の人工知能が人類滅亡回避で2人旅  作者: 東風
第1章 突然の拉致からのタイムトラベル
4/50

第4話 ファインプレーと秘密基地?

しっかり者の3兄妹登場。子供達は子供達で色々考えています。

もっとも父親の方が破天荒なので、追いつけませんが。

強く生きて行けよ!!と言ってあげたい。

第3回アース・スターノベル小説大賞に参加させていただきます。

 さて、ここで一旦、主人公側から視点を変えてみる。


 ここは、主人公が住んでいる某市から少し離れた街にある住宅街の一角。

 ごく一般的なマンションの一室に住んでいるのは主人公の長女(本文に影響がないので名前は省略。以下同文)だ。

 主人公には長男、長女、次女の3人の子供がいるが、それぞれは離れたところに別々に住んでいて、もういい年なのだが未だ独り身でそれぞれの生活を謳歌している。

 ちなみに、主人公は子供たちに結婚を勧めることを既にあきらめている。


 しかし、主人公(面倒くさいのでここでは以下「父」と呼ぶ。)の妻、つまり彼女たちの母親が急逝してから一人住まいになってしまった父が心配になり、子供たちで相談した結果、GPSを使ってパソコンにリアルタイムで現在地が表示されるように細工をした携帯電話をプレゼントした。


 長女は日課で毎朝、必ずパソコンで父の居場所を確認するようにしているのだが、この日は着信していたメールに気がついて内容の確認から始めた。

 メールは父からの物で、予定通りこれから山登りに行くことと、帰りが明後日の夕方になる事が書かれ、同じ内容で3人の子供たちみんなに送られていることが判った。

 歳の事もあるが、単独での山歩きという事もあって、今回の山歩きについては出来るだけモニターする事にしていたので、それから居場所の確認を行ったのだが、パソコンで表示される地図上では、6時現在、父は電車の乗っているようで、かなりの早さで移動している。

 まだしばらくはこのままだと思われるので、朝食にすることにした。


 一段落して8時過ぎに確認すると、目的地の山近くの町に着いていて、どうやら動いていないことが判る。

 おそらく、地元の喫茶店か何かで時間つぶしに食事でもしているのだろう。

 今のところ特に問題はないようだと判断し、今度は掃除や洗濯を始めた。


 家事を済ませてから、もう一度パソコンを見てみる。

 どうも今はバスに乗っているようで、地図上の山道をそれなりの早さで移動中だ。

 そのまま見ているとしばらくしてバスから降りたようで、一旦止まり、その後地図では見て取れない山道へと入っていったようだ。

 今日は他に用事もないのでTVの再放送番組などみて午前中の時間をつぶし、他の兄弟とも連絡を取りながら時々モニターを行っていると昼になる。

 地図では父も昼にしているようで、どこかの山の頂上で止まったままだ。


*********************************************************


 あれでも時間に正確な父らしく午後1時ちょうどに動き出したのを確認後、洗濯物を取り込んだり、届いた宅急便の対応をしたりしていると、突然パソコンから警報が鳴り出した。

 驚いてパソコンの表示を見てみると、父の居場所がロストしている。

 慌てて、トレース機能で午後1時以降の動きを追ってみると、一本道が通っていると思える尾根でしばらく立ち止まり、その後尾根道から外れるように移動すると同時に信号が消えていた。

 なぜ、尾根道から外れる事になったのかは判らないが、これは一大事である。

 すぐに他の兄弟に状況を連絡すると共に、この追跡システムの管理会社に連絡を入れ、システムの故障の可能性を確認する。

 しかし、管理会社からの遠隔調査の結果では長女のパソコン側に異常はなく、父からの信号が途絶えた事は間違えない事が判った。


 直ちに、父が向かった山の最寄りの警察署に連絡して事情を説明し捜索を依頼すると、兄弟たちに判ったことを説明し現地に向かうように改めて指示すると、自分も移動するための準備を始めた。


 主人公は知らなかったが、長女の働きで、主人公が洞窟を見つける前には警察に捜索依頼が出されていたのである。


*********************************************************


 さて、視点を主人公に戻そう。


 目の前で映し出されている映像は深い原生林のような場所で、遙か遠くに煙を上げる火山が少し霞んで見える。


 普通の体育館でいえば短いほうの壁とはいえ壁面いっぱいに表示されている画面の大きさもあり、ズームアップされた映像は高精度、高解像度の見本の方な精密度で映されているから、そこに見える人たちの様子がとてもよく判る。


 大体の人が粗い繊維で織られたと思われる簡単な服を身にまとい、草を編んだような物を足にはいている。

 気候は常時温暖なのか、映されている現在が夏にあたるのかは判断できないが、腕は肩までむきだしで、足も大腿部まで露わになっている。

 土器を使っているようで、簡単な竈を作って何かを煮炊きをしているようだ。

 背後に見えている竪穴式住居等の状況から自分の記憶をひっくり返して思い出してみるが、このような環境と生活様式ならば縄文時代の中期辺りではないだろうかと考えた。

 歴史の専門家でも考古学の専門家でもないので、知っている知識としては些細なものだが、さほど大きな誤差ではないだろうと思う。

 縄文時代は、大体1万5千年位前に始まり紀元前4世紀ころまで続いていたのではなかっただろうか。

 旧石器時代と縄文時代の違いは、そんなに大きなものではないと聞いたことがあったが、たしか土器や竪穴式住居の登場あたりが切れ目になっていただろう。

 縄文時代は、水田を作って一箇所に定住するようになった弥生時代までという考え方が主流だったような気がする。


 しかし、なぜそんな時代の映像が今、目の前に映されているのだ?


 大体、この地下施設の目的からして判らないことばかりだった。

 この施設を作った存在を推定してみると、少なくとも、地球人類と大して変わらない形態をしているはずだ。

 何故かといえば、通路の大きさやドアの形、開け閉めの機械的仕様など、人類と同形態のものが使用することが前提になっているからだ。

 ドアの開け方だって手のひらを当て、それを認識して開けているのだから、当然人類と同じ形の手があることになる。

 これで、使用しているものが昔の映画に出てくる火星人のような形態だったら、逆にどうやってこの施設を使っているのか見てみたいものだ。

 だが、それだけではこの施設の使用目的について推定することが出来ない。

 仮にこの映像が日本の過去を映しているものだとしても、何のために映しているのか、誰が見るためのものなのか、ここに俺以外誰もいない状況からでは判りようがない。

 現在の状況だけで推測すると、俺に見せるためということが考えられるが、そんなことをしていったい何になるのかという問いには何も答えが出ないことに変わりはないのだ。


 この映像から見える地形を現在の地形と比較して場所の特定をしようと思っても、日本全国の地形を覚えている訳もなく、知っている場所だとしても現代とは地形も何も変わってしまっているだろうから、記憶と合致する事はないだろう。第一、ここが日本だという保障もないのだ。

 大体、この映像が何かの映画なのか学術的な研究資料なのかもわからない。

 まさか縄文時代にカメラでも送り込んで、リアルタイムで現実を映し出しているなどということは現在の科学力ではとても無理だと思うが、かといって、よく作られたCGという感じでもないように見える。

 結局何がなんだか判らないのは変わらないので、やっぱり思考遊びにしかならない。


 では、別の視点で考えてみよう。


 これだけの施設を作り出すような存在が個人であることは考え難いので、それなりの数で構成されている組織だと考える方が合理的だろう。大体、こんな山の中に資材を搬入するだけでも大変なのに、建設工事を考えれば国家規模のプロジェクトになるのではないだろうか。何に使うか分からないが施設としての重要度もかなりのものとなるだろう。

 しかし、不自然なことに、俺といった存在が施設内に紛れ込んでいるにも係わらずこれといった反応がない。

 まさか、これだけの施設を作るものが、セキュリティーを考えていないわけがないだろう?

 ここに入ってくるときに開けたドアも、普通に考えれば関係者以外の俺が開けた時点で、警備室(?)で警報が鳴り響いていたと考えるのはごく普通のことだと思う。警備室があればの話だが?在るよな?

 後の問題はその警備室に誰かいるかどうかだ。

 こんな人里から離れた山奥の施設にある警備室は、警備員が常駐していなければ意味のないもので、みんなで食事に行っていましたなんてのは冗談にしかならないだろう。即応性の問題からも最寄りの都市で遠隔監視も意味がないと思う。

 しかし、大した距離ではないがこれだけ歩き回って誰とも出会わないのでは、この施設内に知的生物またはそれに準じるものがいないのではないかといった不安が湧き上がってくる。

 現況、自力で外へ出る方法が解らない以上、友好的に話ができるのであれば誰でも良いので、早急に出会う事を希望するわけだ。


 壁の画面に意識を戻すと、今も変わらず縄文時代と思われる映像を表示している。

 先ほど、右手の方向から数人の男たちが鹿のように見える動物を運んできて、それを女性たちが集落の真ん中でさばいて焼き始めたようだ。

 きっと今日の夕飯にでもなるのだろう。

 付け合わせとしては木の実の類だろうか。ちょっと食べてみたい。


 其れはさておき、いつまでもここで立ちっぱなしというのもさすがに疲れて来た。

いざとなればフレームザックに入っているシートとエアマットを出して適当に休むことも出来るが、こんな広い空間で寝っ転がっているのも落ち着かない。


 壁の画面以外室内には何もないように見えるが、小学校の体育館ですら椅子や机などの備品が収納されているものなのだから、おそらくどこかに隠されているのではないだろうか?

 それに、何よりも生理的な欲求が発生した場合の処理にも問題があるので、何かヒントになるようなものがあれば有難いのだが。

 これがSFのような話なら考えただけで実現されるなんて事もありだ。


 そう、例えば、「椅子出てこい。」とか考えたら・・・・・!!


 いきなり何かが膝の後ろに当ったため思わず座り込んでしまった。

 吃驚して飛び上がって後ろを向くと、何も無かったはずのそこには床から椅子が生えてきていた。

 表面は布張りのような感触だが、恐ろしく手触りが良い。

 恐る恐る今度は自分の意志で座ってみると、椅子の形状は自然に座るものの体に合わせて調整されるようで、体重が見事に分散されて、その上、しっかりとキープされる。

 こんな理想的な椅子が家にあったら絶対TVの前に置くだろうな、と思わず現実逃避をしていた。


 まさか、本当に椅子が出てくるとは、SFの世界が実現している事に驚くとともに実際に作ってしまえる科学力のある存在がいるということが実感できた瞬間だった。

 呆然としてばかりもいられないので、試しに他のものも出してみよう。


「テーブル、出てこい。」


「コーヒー飲みたい、出てこい。」


「仮眠用のベッド、出てこい。」


 試しに何でも良いから思いついたものを順番に考えてみたら、全部出てきた。

 テーブルは縦5m、横3m位の大きなものがしっかり真っ白なテーブルクロス付きで出てきて、その上にはコーヒーサーバーと2人分のコーヒーカップやソーサー。おまけに茶菓子もある。

 ベッドは少し離れた画面に向いて右側の壁からせり出してきたので、そっちも有りかと感心させられた。

 確かに体育館の真ん中にベッドを置かれたら、寝ようと思っても落ち着かないから、壁際の方が断然良いと思う。


 何時作られたものか分からないので大丈夫か心配だが、せっかくなのでコーヒーサーバーからコーヒーカップにコーヒーを注いでみると、飲み頃のコーヒーがちゃんと出てきた。

 見た目も匂いもコーヒーなのでブラックで飲んでみる。

 某有名メーカーで販売しているキリマンジャロのストレートと同じ味だった。

 俺の好みまで把握しているなんて、大したものだと感心したが、今度はどうやって好みを把握したのか不思議で仕方が無くなった。偶然だろうか?

 お茶菓子は見た感じアイスボックスクッキーでシンプルなものだったが、焼き立ての様で香ばしくてとてもおいしかった。

 ちなみに、コーヒーサーバーの奥側に置いてあった四角い入れ物にはミルクとシュガーが用意されていた。

 賞味期限とかはどうなっているのか疑問に思うが、コーヒーを飲んでみた感じでは特に問題はないように感じる。

 ここまで来れば、ついでにもう一つやってみよう。


 「トイレの場所をどこだ?」


 そう念じてから周りを見回してみると、画面とは反対側の壁の右隅に緑色の明かりが点滅しているのが見えた。

 その明かりの下までいって壁を触ってみると、音もなくドア1枚分のスペースが横に吸い込まれていき、中には白で統一された綺麗なトイレと洗面台が有った。

 どうやらこれで問題の一つが解決したようだ。

 良かった、良かった?

コロナ蔓延の中、皆さん健康に気を付けてください。

生きていくのは大変ですが、こんなお話でも読んでくれると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ