第13話 2周目の世界一周開拓記:中央アメリカの再開拓
ようやく中央アメリカの再開拓に取り掛かります。
北アメリカの再開拓が思った以上に掛かりました。
やっぱり広かったですね。
中央アメリカに戻ってくるのは500年ぶり位でしょうか?
俺はいくつになったのだろう?
それでは再開拓の日々にお付き合いください。
ようやく中央アメリカのメキシコエリアに来ました。
前の開拓から500年以上たっていると思いますが、正確な年数は覚えていません。
だいたい、俺はいくつになったのだろう?
もう千歳は超えていると思うのだけれど、ツルには勝ったかな?
マリアに聞けばすぐに判る事だが、まあ良いか。まだ先は長いし、体の外観は変わらない。それに、どうせ直ぐに忘れるからね。
俺はメキシコエリアの都市「ワステカ」に到着した。
1週目の時は、拠点としてマヤ風のピラミッドを作り、その周辺に町を建設して住民が快適に暮らせるようにした。たしか、最終的には2万3千人位が住んでいたと思う。
ピラミッドの大きさは底辺が200m四方で高さは70m。
町はピラミッドを北東端に置いて、南西側に向かって概ね10km四方の範囲で作った。
町の周囲は日本と同じように丸太の柵で囲い、入口は東側を除いた3方向に作って、柵の外側には幅10m、深さ4mの空堀を作って外敵に備えた。
北アメリカエリアの再開拓が終わって、一旦転送機でマリアの許に戻り、1週間の休みを取った。
マリアともゆっくり話をして、2日程だが日本国の町で羽を伸ばして英気を養う事も出来た。
その後、再度転送機を使って「ワステカ」のピラミッド内にある転送室へと移動した後、ピラミッド頂部にある展望室から眺めている。
「ワステカ」も、この500年で大きく発達したようで、町は当時の4倍位の広さになっているように見えた。
もともとの町から更に南と西方向に拡張されて、丸太で作った外柵が日干し煉瓦の壁に変わっているな。
元の空堀も残っているが、町を拡張していきながら、その時々で作られたと思われる堀が3本有って、全部の堀に水が湛えられている。
水面に日の光が反射して眩しい。船も浮かんでいるから運河として水運に使われているようだ。
「やれやれ、やっと「ワステカ」に着いたか。ここの統治用アンドロイドは「カクチケル」だったっけ?随分と町が大きくなっているようだけれど、今の人口はどの位なんだ?」
『№15の「カクチケル」で間違えありません。最新の報告では5万人を超えていますね。人口増加に合わせて、この500年の間に3回の拡張工事を行ったと言っていました。』
「結構人が増えたものだな。外部から流入した人もそれなりにいると思うから、免疫遺伝子の拡散・定着状況も再確認が必要だな。」
『そうですね。少し時間を頂いて、調査を行いたいと思います。その間に再開拓を進めて頂いて宜しいでしょうか?』
「了解。そっちは任せた。俺はいつも通り、皆に交じってお仕事をしてくるよ。」
今度は前回手を付けなかった町の東側も開拓エリアにする事にしている。
前に作った遺跡をモデルにした建築物はそのまま残して、中央の通りを拡張しながら南方面に延伸し、道路沿いに新しく政庁などの行政施設を建設して、総合庁舎的な物を作り、今まで使っていた北側にある庁舎は北部出張所的な出先機関にしよう。
町が大きくなってくると、行政手続きに来るだけでも大変だから、町の中に何か所か出張所は必要だと思う。
勿論建物の強度は依然と同様に、後の世界まで完全な形で残る位に作っていくつもりだ。
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最初に監視用ドローンを使ってメキシコエリアの現状を再確認した。
メキシコ高地を南下しながら「ワステカ」周辺の地形や植物相を確認していくが、昔と比べてそれ程大きな変化はないようだ。
町の東から南東側へ25㎞から50㎞圏内に「ワステカ」に属さないコロニーをいくつか確認したが、50人以下のコロニーばかりだった。
この規模では「ワステカ」の脅威にはならないだろう。
その内、使者を送って相談し「ワステカ」に吸収して共に発展出来れば良いと思う。
住民は多い方が色々と出来る事が多くなるので、ぜひこちらに合流して欲しい。
現状確認の結果、前の開拓で使った「ワステカ」後方の山は、まだ石材資源が豊富に存在する事が判ったので、今回も家屋の建設に使う事にする。
まず、建築用ドローンを使い、重力制御とレーザーで山の石切り場から一辺5mの石材を切り出し、建設エリアの仮置場まで運んで一旦仮置きした後、縦20cm、横60cm、巾10cmのサイズに成形していく。
こうして出来上がった石材は家の基礎用として、それぞれの建設場所に運ばれていく。
家の土台部分を建設用ドローンで水平に均しながら地固めを行い、そこに運んできた石材を並べて基礎を作る。
石材同士の隙間には超強力接着剤を接合面に充填しているので鉄筋等で補強しなくても崩れる心配はない。
前の開拓時は同じ規格を使って建設を行った為、現代の新興住宅街の建売住宅並みに見分けがつきにくかった。やむなくドアや窓を色分けして区別できるようにしていたが、家を間違う人も多かったのではないだろうか?
今回の家屋も拡張した道路に沿って同一規格で建設を行うので、家の区別がつきにくいのは同様だ。
結局、家の向き、ドアや窓の色、周囲の柵の形や色で区別してもらおう。
建具や家具などは周辺の山で切り出した木材を使用して、何種類か作られるので、家の中はそれなりに変化があり区別もつくだろうけれど、外観については皆さん工夫して、間違えないように頑張ってください。
さらに上下水道網も人口増加に合わせて管の管径を拡大して、処理能力の拡張を行った。
こうして各家に上下水道を完備したので町内の井戸や公衆トイレなどはほとんど作っていない。
家の向きも工夫して採光や風通しも良く考えて快適な生活が出来るように作り上げました。
道路脇には側溝を埋設し、5mおきに側溝に繋がる溝を儲けて、ここから直接下水道に流入する方式も前と同じだ。時々排水工を掃除してやらないと詰まってしまい、道路が冠水してしまうから、要注意だな。
工事の途中、時々マリアを交えて「カクチケル」と相談しながら、町の拡張範囲を決めていく。
現在の人口が5万人として、今後500年で10倍位増えるのではないか予測される事から、町の面積を10倍に拡大し、住居を15万人が住めるように増やす。
食料対策としては、農業用地と酪農用地も十分な面積を確保して、牛やヤギなどの家畜を殖やし、30年予定の規模まで完成する事が出来た。
やっぱりある程度人が集まっていた方が、人口の増加率も高くなるようなので、北アメリカエリアより先に発展しそうだな。
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次に開拓に掛かったのは、『ワステカ』から南東に600kmほど離れた、「テオティワカン」だ。
ここには『ワステカ』に作ったピラミッドと外見は大して違いが無い、『太陽のピラミッド』を模した物を作ってある。
基礎は400m四方で、地下には『ワステカ』と同様の統治用コンピューター他のシステムが設置されている。
高さは90mの5段式階段ピラミッドで、頂部には神殿に偽装された転送室がある。
ピラミッドの前に広場があり、そこから一直線に幅50mの大通りが通っていて、住居などはこの大通りを挟んで作った。
都市の完成時には5万1千人の人口だったが、500年たった今は15万人になっている。
統治用アンドロイドは№16の「ケフ・ペチュ」だったな。
今回の再開拓では、元々ある中央通りをさらに延長して、その両脇に同じタイプの家を建設して、町の規模は50万人程度が暮らせるようにした。
ついでに前回は作らなかった「月のピラミッド」も町の南東側に作って「太陽のピラミッド」と対にして祀る事にした。神殿というよりも町のシンボル的な建造物だよな。
目立つし、格好良いからぜひ観光にも力を入れて欲しいものだ。
町の東側5㎞から20㎞の範囲に数か所のコロニーが存在している事を確認したので、ちょっと乗込んで話し合い、町と敵対する意思がない事を確認できたので、適当に手を加えて生活の手助けをしておいた。
近場に別勢力がいるのは気持ち良くないので、早いうちに「テオティワカン」に合流する様にオ・ハ・ナ・シをしておいた。
メキシコエリアの再開拓は合計50年位で終わったけれど、まあこんな物だろう。さて次に行こうか。
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パナマ地峡に向かいユカタン半島のベリーズまで来た。
都市名は「ティカル」で「マンコ・カパック」が統治している。
最終的に6000人の人口だったが、今は4万人位になっているらしい。
当初、2km四方で作ったけれど、人口の増加に合わせて面積は2倍位になっていた。
ただ、後から作られた住居が少々ボロイので、「マリア」も交えて話し合った結果、新しく建設した方が良いと決まった。
拠点はティカルの1号神殿を模して作り、頂部に神殿風の転送室を作ったが、あの時転送室の下に俺が寝泊まりできる部屋も作ったはずだ。
隠れ家が出来たみたいで嬉しかったが、実際は一回も使っていない。
今度長期休暇でも取って遊びにこようかな。
近くのペテン・イツア湖に取水塔を建て、水道橋を町まで伸ばして上水道を整備したが、今も健在で充分に機能を果たしている。やはり取水塔の動力を風車にしておいて正解だったな。何度か修理したようだが、ちゃんと動いている。
再開拓の方だが、今も土地の強度に不安が有るが問題ないだろう。
前回同様、建設用ドローンで無理やり地面を圧縮し、その上に石材を積み上げてやる。
建材と建具用には周囲の密林を伐採し、積み上げて乾燥させておく。
家具は専門の人間がいるだろうから任せて、家の建設を優先して行った。
直線100mの大通りは延長して1000mまで伸ばし、雨を逃がす側溝も設けた。
ついでに南西端に2号神殿を作ってみたが、もっと作った方が見栄えが良いかな?
「ティカル」の再開拓を行って、途中からニカラグアの方に作った「バレンケ」も再開拓を行った。
両方とも同じ作りの町なので、資材が共有できるから、同時進行しても特に面倒が無かった。
「ティカル」と「バレンケ」を合わせて、5万人程度収容できる規模の町が出来た。
建設期間も合わせて15年と特急で出来上がってしまったが、拡張性は持たせてあるので、想定以上の人口増加が起きても大丈夫だろう。
いざとなったら、また来ればいいしな。
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2周目の中米地域もいよいよパナマ地峡に差し掛かった。
以前はコスタリカからパナマにかけて、カナダやアラスカ同様、小さなコロニーが点在している状況だったが、それぞれのコロニーから都合の良さそうな地点に小規模な避難用の町を建設して、後はコロニーの整備を行う事で対処した。
熱帯地域で雨も多い高温多湿の気候の為に、風通しに注意すると共に、ハリケーンにも対応できる住居を建設したものだ。
拠点は避難用の町の一つ定めて、中央に石造りの集会場を作り、そこの一室を転送室にした。地下には統治用コンピューターと各システムを設置してあるし、転送機室の奥には俺専用の隠し部屋もある。最もほとんど使用していないが・・・・。
避難用の町はサンホセ近郊とパナマ地峡中間部にあり、拠点はパナマ地峡側に作ってある。
『メンドサ』と『カルロス』も協議に加わり、今回の再開拓では避難用の町2か所を整備し直して、規模を5倍に拡張した。
これでそれぞれ1万人程度は収容できるだろう。
周辺の開墾も行って耕作地を10倍に広げ、家畜も増やして動物性たんぱく質の接種率も改善した。
これまでの人口増加率から計算しても、100年は手直しをしなくても済む予定だ。
遺伝子情報の確認も行い、必要な処置が終わるまで20年近く掛かったが、中々住みやすい街が出来たと思う。
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通信方式の解析も完了し、通信波の中から通信内容を分離する事に成功した。
マリアの性能をフルに発揮して言語体系も解明する事が出来て、UFOと母星間の通信内容が判ってきた。
どうやら相手の勢力には幾つかの派閥があるようで、友好的な勢力と敵対的な勢力が綱引き状態のようだ。
おかげで対応を考えるのが難しくなっている。
彼らの感覚では母星から太陽系間の移動時間は1カ月程度かかるようで、その内の20日程度が太陽系内の移動時間になるようだ。
つまり母星、太陽系間の移動自体は10日以内となる事になる。
母星は「オリオン座」β星「リゲル」である事が判ったが、凡そ700光年の距離がある。
途中に何か所かの寄港地があるようで、そこに立ち寄りながら10日で飛んでくるのだから、相対性理論など何程の物かという感じだろう。ぜひその知識を伝授して欲しい物である。
今の所、直接侵略等の力技に出る事は無いようで、研究対象に収まっているみたいだから、直ぐにどうこうなる事は無いようだけれど、敵対派閥の意見が通るようになったらどうなるか分からない。
こちらからも探査衛星をその方向に向けて飛ばしているが、相手の中継地を逆にたどって母星まで行きつくことを目標にして進めている。
未だ、地球外生命体とのファーストコンタクトには至っていないが、このままという訳にもいかないので月や火星に対する探査を進める事にした。
マリアが建設した専用工房で防衛機構の構築を進めているので、地球全周を覆うバリアーも近い将来完成する事だろう。
対宇宙攻撃兵器も地上発射型のレーザー砲と衛星発射型も作られて、UFOに対する攻撃手段を持つ事が出来たが、まだ実際に使用した事が無いので有効かどうかは判らない。
2周目のアメリカ大陸再開拓も完了です。
移民も導入進み、これからは発展するスピードも早まる事でしょう。
それぞれの地域間での交流も多くなって、食糧事情と住環境も改善されれば人々の健康状態もさらに良くなり、平均年齢も伸びていく事でしょう。
それでは、今後も宜しくお願い致します。




