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第12話 2周目の世界一周開拓記:北アメリカの再開拓(その3)

 北アメリカの再開拓編の3話目です。

 再開拓は順調に進んでいますが、アメリカ西海岸から未だに出ていません。

東海岸で大西洋を目にするのはいつの日になるのでしょうか。

何とか今話で行きつきたいものです。

 もう少しの間、再開拓にお付き合いください。

 シアトルの再開拓は完了した。

 今後の都市の運営を統括アンドロイドに任せ、俺はパシフィックハイウェイのルートに沿って道路を建設しながら南へと移動し、サクラメントに到着した。

 開拓する場所がサクラメントに変わっても、実際にやっている事はシアトルで行った開拓内容と同じだ。

 現代のサクラメントが有った場所には、前回建設した集落から発展した村があるので、その周りの開拓予定地の状況を実際に見て回る。

 前に来た時の地形と特に変わっていないようで、さほど離れていない或る河川から引いた灌漑用水も、きちんと役目を果たしているようだ。

 まず、村の周辺から再開拓を行って、新しい家の建設を行うことにして、目につくような木も生えていない原野を開墾して行く。

 そして、開拓の終わった場所から宅地の造成と家の建設を行い、並行して村の東側にある農地も拡大する為に再開拓していく。

 更に村内と農地間を行き来する為の農道の再整備や、将来発展して行くだろう場所に繋がる地方道路などを並行して作って行く。

 この開拓手順は北米大陸での開拓のテンプレートになるだろう。

 サクラメントでも開拓の途中から移民の受け入れが始まったので、これに伴い開拓の速度が速まっていった。

 移民計画では第一次移民として5000人を受入れる事になっているが、住居の不足などの受入側の事情により、一度に受入れることは出来ないので3~4回に分けて受入れを行う。

 住居は既設の家と基本的に同じで、木と石を用いる他、日干しレンガなども活用して用途に応じた大きさで建設していく。

 村から町へと発展し、雰囲気は昔の白黒映画で見たような西部劇に出てくる町といった感じになっていた。風に吹かれて転がって来るタンブルウィードなども見られ、今にもその辺の建物の陰から葉巻を咥えた髭面のガンマンが現れて来そうだ。

 町の構成は、中央をパシフィックハイウェイが南北に貫き、その両脇に酒場や雑貨屋等が並んでいる。店の入口には馬留が設けられ、白塗りのスイングドアとかカウンターなんかも備えたが、少しやりすぎかな?

 統括アンドロイドが執務を行う町役場などの公共施設も同様に作り、治安を守る保安官詰所を建設して中に牢屋も造ったり、火事に備えて消防署的な物を作ったりした。

住居エリアは表通りから一本裏通りに入った所に作っている。

 日本でいえば東海道などに作られた宿場町のような感覚かな?規模はこっちの方が大きいし、本陣や脇本陣などは無いけれどね。


 町の再開拓と建設を進めながら周辺の農地開拓も順調に行われている。

 建設用ドローンを活用して重力制御で木の根や岩を除去し、しっかりと開墾された農地に未来技術で作られた肥料を混ぜ込み、最適な農地となった所に必要な作物を植えていく事で、住民の規模に合わせた食糧生産の目途が立てば、一応の開拓完了となる。

 その頃には第一次移民の受入れも完全に終わって、住居も全住民分以上を確保することが出来た。

 町役場も活動を開始して、各店舗も商品が並んで営業を始め、住民もそれぞれに合った仕事を始めた事で、町が有機的に動き出し。

 あとの事は統治用アンドロイドに任せてさらに南下して次のロサンゼルスへと進もう。


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 途中の山や谷を回り込みながら、緩やかに蛇行する道路を作り、時々遠くに海を眺めながら南へ南へと進んでいく。

 途中の風光明媚な場所にサービスエリア的な所も作って、簡易の宿泊施設を整え、交通の利便性を上げていく。

 その内、駅馬車なんかも作られて行き来する事になるだろう。


 現代でいえばカリフォルニア州の南部に位置するロサンゼルスだが、非常に広大な平地であり、開拓には適しているように感じられる。

 ただし、地域的には地震が多い場所になるので、地震対策が必要だろう。

 付近に大きな川などが無いので、洪水などの災害はあまり気にしなくても良いが、その分、水事情に問題が有って山火事などが発生すると消火に手間取る事が考えられる。

 これには、史実通りコロラド川から水路を作って水を引いて使用する事である程度対応できるだろう。

 水路づくりには建設用ドローンが多用されて、重力制御によって地形を変更して行く事により、小型の船なら通行できる程度の運河を最短期間で作る事が出来た。

 農業用水や飲料水の他に、水運としても使えるので町の発展に寄与するだろう。


 ロサンゼルスは北西と東側に山脈が有り、北東部に砂漠が広がる地形で太平洋岸と内陸では結構気候が違うようだ。砂漠も降水量が少ない事によるものだと思うが、それに加えて冬と夏の気温差が大きく、現代でも結構冬は寒かったと記憶している。

 その為、住居も出来るだけ断熱が出来るようにする必要が有り、入り口や窓などにも、多くの資材を使う事になってしまった。まあ、シアトルやサクラメントでも同じような構造になっていたのだが。


 ロスアンゼルスの完成により東海岸に予定していた拠点が大体完成した頃、大陸横断道路の北側を通るルート90が開通したと報告が来た。

 これでシアトルから東への開拓を始める事が出来る様になる。

 先は長いが、アメリカ開拓史とは反対方向に、東海岸へ向けて東部開拓史が始まるだろう。

 大陸横断道路の内、北ルートが完成したので、今まで北ルートの建設で使用していた資機材をサクラメントに移動して、中央ルートのルート80の建設を西海岸側からも行っていく。

 既に東海岸から予定の1/4程度工事が進められているので、西海岸からも建設を行う事でルート90よりも早く開通するだろうと考えられる。

 ただ、此処からはルート90とルート80を繋ぐ南北連絡道路の建設も並行して行う為、どれ位建設スピードが上がるかは解らない。

 おそらく第二次移民計画にも関わってくると思うから、マリアとしっかり話し合いながら計画を進める必要が有るだろうな。


 さて、一旦、カーソン・シティまでパシフィックハイウェイルートで南下してロサンゼルス、カーソン・シティ―と建設し、その後、中部エリアのボイシ、ラスベガス、フェニックス、アルバカーキ、ビリングス、デンバー、オクラホマ・シティとジグザグに州道を作りながら東に向かっていく事にしよう。


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 都市などの開拓は、その地域を統括している統括アンドロイドの管理で工事を行い、工事記録を作成して管理している。

 又、大陸横断道路の建設と東西海岸部の港湾施設等はマリアが直接管理して工事を行っているわけだが、どちらの工事記録も、最終的には全てマリアの許に集められて、その記憶中枢に保管されている。

 その内、統括アンドロイドの管理している記録の一部は石板等に彫り込まれている。

 中国エリアでは木簡等に記載しているが、こういった記録媒体は各エリアの拠点で充分な劣化防止が施されて保管している。

 基本的にマリアが記録を保管管理すれば、ほぼ完ぺきに保存する事が出来るだろう。

 しかし、何事にも100%の安全などはあり得ない。

 何らかの理由により記録が無くなってしまった時に、後に現れるだろう歴史学者などが石板等の記録媒体を発見して調査を行う事で、完全にとはいかなくとも、実際の歴史がある程度解明できるのではないだろうかと考えたのだ。

 いくら、俺たちが管理を行っていたとしても、自然現象や人為的なミスなど、いつ何が起こるか判らないので、知識や歴史の保管は複数個所で行う事が必要と考えたからだ。

 エジプト国では小型のピラミッドを建設して、中心部に保管庫を作ってある。

 部屋の壁は強化された石材で蔽われているから、風化する事も無いし、盗掘の心配もまずないと言っていいだろう。転送機を使って出入しているので、入口自体が存在しないからね。

 その他の国でも同じような方法で記録の保管が行われているから、万一の時にもそのエリアの歴史が失われるような事は無いと思っている。


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 ちょっと話は変わるが、北米大陸の開拓では少し個人的な問題が発生している。


 西海岸の開拓現場から大陸横断道路の建設現場に視察に行く場合、この間を行き来する時は、開拓現場の転送機から道路工事側に設置される移動式の転送機へと直接転移し、帰りは逆の手順で戻ってくる事になる。

 この方法では移動する為の時間が掛からなくて良いのだけれど、体感的に時差によって混乱が起きてしまうのだ。

 アメリカ大陸の東海岸と西海岸の間では、例えばサンフランシスコとニューヨーク間であれば大体3時間の時差がある。

 大した時差ではないのだが、道路工事の進捗状況にもよって、今のルート80建設現場当たりでも凡そ2~3時間程度の時差が発生してしまう。

 具体的には朝9時に転送機でルート80の建設現場まで移動すると、現地では12時位になり、丁度昼食の時間にあたる事になる。

 最も、工事現場には人間がいないので食事の時間自体無いのだが、俺が視察に行く事を前もって伝えておくと、その到着時間によって食事を用意してくれるのだ。

 そうすると、到着した時に昼食が出され、それを食べてから現場の視察を2~3時間位行って開拓現場の方に帰って来ると、開拓現場では凡そ12時~13時位になっている。

 12時に帰ってくると再度昼食になるし、13時位に戻ってくると夕食まで都合10時間位開くことになる。

 何度も往復していると、その時の状況によって出発時間も変わる事も有るし、滞在時間も変わって来るから、昼食を2回取る事になったり、逆に食事の時間を逃してしまう場合も出てくるのだ。

 現場で2~3日過ごしていれば体調も調整できるのだが、他に人間のいない状況で長時間滞在しても独り言が増えるだけで、あまり精神衛生上良い事も無いから、大体はとんぼ返りになってしまうので、時差の為に睡眠不足に陥る事も有った。

 これが休み等で日本に戻る場合は、必ずマリアの許に立ち寄る事になるので、マリアと情報交換などの話をしながら酒を飲むなどして、時間をかけて体調を整える事が出来るし、一週間程度は滞在するので特に問題は起きない。

 こういった拠点間を直接行き来する場合だけはちょっとしんどい思いをする事になる訳だ。

 アンドロイド達には関係ない事で俺だけの問題だから、どうしても対策が後回しになるのだろうな。

 これも今後の課題としてマリアと相談しようかな。


 まあ、そんな大した問題でもない事も有りながら北米大陸の再開拓を西海岸側から進めながら、大陸間横断道路の建設や南北連絡道路の建設も行って行き、全工程を完了して東海岸で大西洋を目にするには120年の歳月を必要としたのだった。


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 太陽系に飛来してくるUFOの母星が有ると思われる方向が有る程度絞られてきたので、探査衛星をその方向に向けて飛ばしてみる事にした。

 どこかに中継ポイントが作られていなければ、母星を見つける事が出来るかもしれない。

 通信方式も少しずつ分かって来たので、通信波の中から通信内容を分離する試みが始められている。

 もう少しで言語体系なども判るだろう。

 通信内容が判れば、相手が友好勢力なのか敵対勢力なのかが判るだろうから、それによって対応を考えなければならない。

 地球に接近するUFOは増えているが、何故か地表に降下する事は無く、せいぜい衛星軌道に留まるくらいで地表面の観察を行っているだけといった感じがする。

 こちらが色々探っている事について分かっているかどうかも判らない。

 今の所、地球外生命体とのファーストコンタクトは行われていないのだが、この状況がいつまで続くのか判らない事がもどかしい。

 こちらとしては、UFOにキャッチされてしまうので、月や火星に対する探査を行う事が出来ない。

 マリアは地下深くに専用工房を建設し防衛機構の構築を模索している。

 最終的には地球全周を覆う事が出来るバリアーを考えているようだが、実際に使うと宇宙空間から地球に降り注ぐ宇宙線なども遮断してしまうので、下手をすると太陽光線さえも遮って地球が暗黒時代を迎える事になるという事だから、出来ればそんなものは使わないで済ませたいものだ。

 対宇宙攻撃兵器も地上発射型のレーザー砲やミサイルシステムや衛星発射型も考案されており、UFOに対する攻撃手段を持つ事が出来るが、相手の科学力が判らないので有効かどうかも判らない。

 各地にUFOに対処するための組織を作ろうかとも思うが、時代に合わないので躊躇っている。

 何処かの映画製作会社の地下深くに「シャ〇ー」のような組織が有りました、なんてフレーズは好きだけれど、この時代に映画がまだないから、駄目だよな。

 そう言えば、各国には自警団レベルの組織は有るけれど、今の所軍隊レベルの組織は作られていないんだよね。やっぱり国レベル同士の指揮者を統括アンドロイドが務めているから大きな戦争が起こりえない事が一番の原因なのだろう。

 今迄に合った紛争は、せいぜい我々の国の外で暮らしている少数部族が攻めてくるくらいなので、軍隊までは必要ないからね。

 これでは防御するにも攻撃するにも心もとない限りだ。

 後半はちょっと駆け足になってしまいましたが、広大な北アメリカ大陸の再開拓もようやく終わる事が出来ました。

 第一次の移民も導入することができ、これから発展するスピードも早まる事でしょう。

 その内、大西洋を挟んでのヨーロッパ側との交易も行われるようになるのでしょうね。

 この調子で食糧事情が改善され、住環境も良くなれば人々の健康状態もさらに良くなり、平均年齢も伸びていく事でしょう。

 次は中央アメリカ再開拓編になります。

それでは、今後も宜しくお願い致します。

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